起業の人選び
すべてを自分一人でこなそうとする人は、最初は力強く進めるかもしれませんが、長期間それを続けるのは困難です。途中で疲れ果ててしまう可能性があるため、チームで働くことの大切さ、専門家に頼る安心感を理解することも、起業家には必要です。
創業時メンバー
1人で起業するか、チームで始めるか、どちらにも良い面と難しい面があります。大事なのは、創業メンバー全員が同じビジョンを共有していることです。大きな目標だけでなく、最初の月の給料や仕事の分担など、具体的な部分も共有していた方がいいでしょう。
新しくビジネスを始めたばかりの時期は、予想外の事態が頻繁に起こり、事業が計画通りに進むことはほとんどありません。売上が立たず給料が支払えない状況が普通にあり得ます。このような時、創業メンバーが給料がなくても動じず、一丸となって事業を推進できるかが重要です。
創業前には、ほとんどの人がうまくいくことを想定して、成功した時のことばかりを考えがちです。しかし成功した経営者のほとんどは、最悪のシナリオに近い状況を経験しています。順調な時は放っておいても人は集まります。逆境の時ほど誰かに寄り添って欲しいのに、無情に人は離れていきます。
逆境の時でも一緒に頑張ってくれる創業メンバーを選びたいものです。お互いの認識をしっかりと合わせること、そして自分とは異なるスキルや強みを持つ人を選ぶことが重要です。自分と同じ専門分野の人ばかりだと、成果による波が大きくなり、対立の原因にもなりやすいです。
株主
株(株式)とは、会社の所有権を表すもので、株主は株を持っている人のことです。株は、その比率に応じて会社に対してさまざまな権利を行使できます。例えば、役員を選んだり、解任したり、会社の事業を譲渡するなどの決定に関わることができます。
運命共同体であるという意識を高めるために、設立時メンバーや役員に株を渡す場合もあります。また別のビジネスで成功した人が「エクイティで支援してあげる=株を買ってあげる」と言って、一見有利な資金調達ができる場合があります。
しかし、友情が壊れる原因の1位が恋愛感情や異性が絡んだ時、2位がお金です。金を出せば口を出すのが社会のルールなので、はじめはいい人に見えても、後から口うるさく言ってくる可能性が高いです。自分の株式比率が下がると、会社を乗っ取られたりするリスクもあります。
会社設立時に、株の話を持ち出す人はビジネススキルが高い人です。起業したてのヒヨコから甘い汁だけを吸おうとしている可能性もなきにしてあらず。株主を選ぶ時は、その影響をよく理解し、場合によっては専門家の助言を求めることが重要です。
税理士
会社を大きくしたいのであれば、最初から税理士と顧問契約を結んだ方がいいです。記帳代行や会計などのバックオフィスを専門家に任せることによって、経営者は本業に集中することができます。
「経営者は孤独」とよく言います。会社経営がうまくいかない時、経営者は従業員や家族に相談しにくく、一人で悩みを抱えがちです。そんな時、経営相談できる税理士の存在が、大きな心の支えになるはずです。
もし税理士報酬が高いと思うのであれば、会社を設立せずに個人事業主から始めた方がいいです。たまにダメ税理士もいますが、税理士も専門家として自分の仕事にプライドを持ってます。お値段以上のサービスを提供してくれるはずです。
税理士を選ぶ際は、相性、費用、専門性を重視し、対応の速さもチェックすると良いでしょう。
また、今でもメールやFAXを主なコミュニケーション手段としている税理士も多いので、コミュニケーションツールが合うかどうかも考慮する必要があります。Zoomやチャットなど、最新のビジネスコミュニケーションツールに精通している専門家を選ぶのが望ましいです。
無料の支援機関
起業やビジネスの立ち上げに関して、無料でアドバイスを提供する機関やサービスがたくさん存在します。これには商工会議所、専門の起業サポート組織、公的機関、経営者団体、アクセラレータープログラムなどが含まれます。しかし、相談する際には、誰にアドバイスを求めるかを慎重に選ぶ必要があります。中には実際に起業経験のない人からのアドバイスもあり、それが現実感に乏しいものである可能性があります。
無料の相談サービスは、国や自治体による支援の一環であったり、最終的には自社の商品やサービスを紹介するために提供されていることが多いです。そして、非常に人気のある専門家は、忙しくて無料でサービスを提供する必要がないことが多いため、無料で得られるアドバイスの中には限界があることも認識しておくべきです。
なので適切に情報源を選び、たとえ相談に費用がかかっても、その価値があれば投資する価値があるという考え方を持つことが大切です。
相談相手
家族や友達、先輩経営者や専門家。事業のアドバイスはもちろん、自らの思考や考え方の壁打ち相手がいると心強いです。
経営者はとにかく孤独です。定期的に状況などを気軽に相談できたり、的確に客観的な視点で意見やアドバイスをしてくれる人を持つことは極めて大切です。相談相手は1人である必要はありません。複数の専門家や信頼できる仲間が多いと、さらに心強いはずです。月イチで会計チェックをする税理士が相談役になっているケースもあります。
本が壁打ち相手になるかもしれません。信頼のおける本をタイミングタイミングで何度も読みなおしてください。会社の状況が変われば、本が意味していることも変わって、いつ読んでも新鮮で、新しいヒントを与えてくれるでしょう。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
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