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環境にも人にも負担をかけずに森に還る。能勢妙見山でスタートした「循環葬」

大阪府豊能郡にある能勢妙見山でスタートした循環葬「RETURN TO NATURE」さんのレセプションにお邪魔してきました。

「RETURN TO NATURE」の森

「RETURN TO NATURE」は、

森といきる
森に還る
森をつくる

をコンセプトに、環境にも人にも負担をかけず、森に還ることができるエンディングの新たなかたちとして「循環葬」を提案されています。

能勢妙見山の敷地内にあった墓地を活用し、数十年間手つかずだった森の一部を間伐し、整備して光が入るようにし、風通しのよい空間に生まれ変わらせたのだそう。

整備する前の山の状態の写真
森の中にある埋葬エリア
間伐材を利用して作ったウッドデッキ
契約者だけが生前から楽しめる森として開放されるようです

埋葬方法もユニークで、土壌学の専門家の監修のもと、細かくパウダー化した遺骨を土にまぜてから埋葬します。骨の主成分はリン酸カルシウムで、ホームセンターなどでも肥料として普通に手に入れることができる成分。他の樹木葬では、土に還る骨壷ごと埋葬したり、さらしに遺骨を包んで埋葬する方法もあるようですが、土壌環境に急激な変化を与えないためにも、このようにパウダー化して土に混ぜることで、より早く、自然なかたちで土に還すことができるのだそう。

埋葬方法のデモンストレーションも行われました

聞いて改めてそうかと驚いたのは、森の木々は根と菌類のネットワークで繋がっていて、菌根類が媒介となって養分や水を相互にやり取りして生態系を育んでおり、土壌成分が山全体に広がり、川に溶け込み、海にまでつながっていることが科学的にも証明されているのだそう。土壌の世界は本当に奥が深い!

現地で紹介されていた本はこちら

だからこそ、「RETURN TO NATURE」では、「ここは○○さんが眠っている場所」という墓標はなく、森全体をおまいりの対象としてとらえようということを提案されています。私は、亡くなったあとも「ここは私のいる場所」と土地を占有することに疑問を感じているので、この考え方にはとても惹かれました。

7年間は区画が保持される「個別葬」や、区画を分けずにほかの人と一緒に眠る「合葬」、ペットと一緒に眠ることができる「合葬 with PET」、ペット専門の「ペット葬エリア」からプランを選べるようです。継承する必要がなく、契約後は管理費なども一切かかりません。契約金の一部は、RETURN TO NATUREの森や、全国の森林保全団体に寄付されるのだそう。

ペット葬エリアの目印
〈本と食のあり合う場所〉「TOGO BOOKS nomadik」さん
プロデュースの食べる「土」をテーマにしたランチ
RETURN TO NATUREのみなさんと記念写真

午前の部から参加した私たちでしたが、とっても気持ちよい場所で、ついつい長居してしまいました。もし、私が道半ばで堆肥葬実現前になくなることがあったら、こんな素敵な場所に埋葬してほしい!と心から思いました。

RETURN TO NATUREのサイトはこちらから


【番外編】
能勢妙見山は、北極星信仰の世界的聖地なんだそう。せっかくのご縁&機会なので、DEATHフェス成功祈願をしてきました。

このあと、近くにある「大阪北摂霊園」にあるドイツ型樹木葬の見学にも行きました。詳細レポートは、また次のブログで。

合同会社カレイドスタイル 代表。企業や経営者、アスリート、研究機関の伴走者となり、情報発信やコンテンツ制作を支援しています。堆肥葬を知り「自分もいつか利用したい!」という思いからをリサーチ&勉強をスタート。2024.4.14DEATHフェスPJ共同代表のひとり。