ポマールに想いを馳せて。


ブルゴーニュはどこの畑が好きですか?
そんな質問はしばしされるし、逆に問い返すことも多い。
いつも、返答に迷う。
あの作り手のあの畑は素晴らしいし、
でも、のんだビンテージが良かったし…。
あの時の精神状態が著しく悪かったから、
あの時涙が出たけれど今飲んだら違うかもしれない…。

逆に、質問を返した時、ヴォーヌ・ロマネあたりのあの畑の話をはじめ、1時間くらい話された方もいらっしゃった。モレ・サン・ドニと答えた方も、エシェゾーとおっしゃる方も。神と言われる作り手さんの名前も連なった。
それぞれ面白いエピソードがかくれていた。そう、質問をする、ということは、しばしば、自分が話したい思いがある場合が多いのだ。

でも、あえて、次にこの質問が私に来たら返したい返答があるなと感じた。

私は結構、ポマールが好きだ。

商売としてある程度の味の基準値は上回っている上で、個性が際立っているワインを扱いたいという気持ちがあるのだけれど、
実は、はじめてのんだ、とある作り手さんのポマール2014年は、固くて強すぎるから、ちょっとオススメしづらいな、というイメージだったのです。

でも、ポマールの美しさに衝撃をうけたんです。
撮影したはずの写真はフォルダの何処かへうもれてしまいましたが、

Michel Gaunoux Pommard Grands Epenots 2010ミシェル・ゴヌー・ポマール1級 グラン・ゼプノ

に出会うわけです。10年寝かしてのんで欲しいと、マダム・ゴヌー自ら語る、長熟向きのクラシックな作りです。

いや、これがエレガントと言ったら。
果実味豊かな、芯の強さは揺らがずとも、香りの中に花が咲き乱れる香りが溢れ出し…。口に含んでも同様、優しい余韻がながーくながーく、、、。

時間は偉大です。ポマールにすっかり魅せられたわたし。しかもその時、心が弱っていたので美味しいことこの上なし…。ああ色々思い出すな。笑

そして、冒頭の写真、
プランス・ド・メロードのポマールに出会います。

プランス・フローラン・ド・メロード
ポマール クロ・ド・ラ・プラティエール2007

プランス・ド・メロード は1700年代から続く名門ドメーヌでしたが、後継が見つからずドメーヌは2008年を最後に消滅してしまいました。

(ちなみに、所有していた、コルトン クロ・デュ・ロワ、コルトン レ・ブレッサンド、コルトン レ・ルナルドは、現在DRC社が賃貸契約で借り受け、栽培・醸造にあたっています。)

熟した果実のニュアンスと、若い頃は気が強かったからこそ、今人に優しくできるような包容力のある女性感。母感。しなやか。
ああ、美しいワインだった。

意外と、注目度がたかくないですが、(値段もそこまで高騰していないし)特にバックビンテージのポマールは見つけたら結構買いだとおもいます^^