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オノチャン徒然日記 Vol.2 「ひとつくらい抱えないと、深みは出ない」

48年前の父と母

突然だけど、このとんでもなくエモーショナルな写真は私の父と母。

1976年、北海道へ新婚旅行に行ったときのものだそう。実家で5年ほど前に見つけたときは、あまりの美しさに数十分見入ってしまった。

昔ながらのペリペリ貼り付けるタイプのアルバム(でかい、重い、埃っぽい)に貼ってあったものだけど、剥がして一部を私が保管している。

いつか北海道に行ったら同じ場所に行こうと、なんとなく思っていた。

写真の中の二人は、若くて、お洒落で、美しくて、お茶目で。
器用な父が撮る、母の写真からは「母への愛おしさ」が伝わってくる。
不器用な母が撮る、父の写真からは「カメラへの戸惑い」が伝わってくる。(ような気がする)

当時はスマホなんて暇をつぶすアイテムは存在しない時代。

想像だが、カメラ好きの父は現像した写真を選別し、バランスよくアルバムに貼りつける。そこらへんにあった母のメモ用紙を勝手に使い、キャプションを書き、切り取って写真に添える。搭乗券やチケットも一緒に。

現代の20代男性なら絶対にしないであろう、この「非目的な作業」をやってのける父。

当時の人間はみんなそんな感じだったんだろうが…可愛くて仕方がない。

当時、母は22歳で父は21歳。現在は母71歳、父69歳。

二人とも今ではすっかり白髪になり、「おじいちゃんおばあちゃん枠」に片足と、もう片足も半分突っ込んでいる。離婚しているため、ふたりとも宮崎でそれぞれ一人暮らしをしている。

両親の離婚

私は、8歳上と5歳上の兄がいる三兄妹の末っ子。あまり記憶にないが6歳の頃に両親は離婚し、母子家庭で育った。


小学校のときに、友達と父親の話になり「あ、うち離婚してるから父は家にいないよ」と告げると「え、そうなの?なんかゴメン…」と言われる。それが最初の違和感だった。
なんで謝られたのか?うちは他と違うのか。かわいそうなのか?かわいそうに思われるようなことは一つもないのに。

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