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瑠璃ちゃん。

夢の中で会った知らない女の子。
どこに住んでるかはわからないけどどこからともなく現れる。
多分来る方向的には違う学校に通う子。
ネグレクト。
髪の毛は自分で切ってるからか毛先がバラバラ。
ノートの表紙の名前は私が書いてあげた。
鉛筆が短くなってたままだから新しい鉛筆に替えた。
放課後一緒に遊び夕飯も家で一緒に食べた。
夜家に帰る瑠璃ちゃんの足取りは重い。
人と話す機会が少ないから嫌なことがあると泣いたり暴力的になる。
欠けたものを補うことはできるのか。
私は瑠璃ちゃんに何をしてあげるべきだったんだろう
瑠璃ちゃんにとっての幸せ、求めているものは何だったのだろう
小学5年生の、瑠璃ちゃんと私。



花。

踏切のそばの坂にある家の庭
目の高さにある花壇
白と紫とピンク色の花。
この花達が見る世界
人間からしたらつまらないかもしれないけれど
とてもワクワクする
20分に1本通る電車と人そして車 あと犬
車がギリギリ1台通れる狭さの踏切
お互い知らない人間達が譲り合って踏切を渡る姿
色とりどりの服を着ている人間
留鳥だけでなく夏鳥や冬鳥など訪れる様々な鳥
視界に広がる水田と山
姿を変えることで季節を教えてくれる
足があればあの踏切の横の線路は容易に侵入できそう
誰も気づいていないんだろうなこの視点からの景色
気づいてしまったな



直線と曲線。

両方存在するからこそ良い。
直線があるから曲線が際立つ
逆もそう。
ビルがたくさんある街は直線だらけ
そこにツツジとかお花をトッピングして彩りと曲線を足したい
花びらがたくさん落ちていたらそこに四角い額縁を置いておきたい



猫。

ある日の夜頭がぐしゃぐしゃして家を裸足で飛び出して森の中を歩いていた時。
奥の方へ歩いていたら人慣れした知らない猫に会った。
戯れていると急に猫が歩き出したので着いていく。
森の奥へ行かず帰りなさいと言われているような気がした。
猫の寝床と思われる場所へ案内してくれた。
猫は毛繕いをし丸まって休む。
私は隣で横になり猫を眺める。
少し温かくて寝心地の良い砂地。
そろそろ帰らねばと立ち上がる。
空は一面曇り湿度が高くもやっとしている。
星さえ見えればな。
初対面の私を招いてくれて、一緒にいてくれた猫。
また会いに来よう。



眠りから覚めるとき
頭が動かないままベッド横の窓を開けて空気を取り込む
視界に入る、窓枠で切り取られる青い空


ああ


今日も命の音がする

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