ismist(イズミスト)

・ブログに2010年11月23日公開した文章の転載
 
「保守」であること、「左翼」であることを自称している人の中には、自分は「保守/左翼」だから、これこれこう言う主張をしなければいけない、こういう発言をしてはいけないと考えている人を時々みかける。

人間の考えは本来多様であるはずだから、ある問題については左翼的な考えをもつ、別の問題については保守的な考えをもつ、といった方がむしろ自然だろう。
ある思想や主義・価値観を信仰の対象にしている、(好きな言葉ではないのでアイデンティティという言葉はあまり使いたくないのだが)自分が「○○主義者」であるということを自身のアイデンティティにしているために、こういう現象がおこるのだろう。

日本の戦後の言論に対しては、ある時期から(80年代頃から?)「言論プロレス」という揶揄が使われてきたが、「左翼」であること、「保守」であることを自身のアイデンティティとした人たちが、ステレオタイプの言論を繰り返してきたために、そう言われてしまったのだろう。
 
ismism、ismistという言葉が思想用語・学術用語にあるのかは知らない。
ロック・ユニット「ゴドレイ&クレーム」のアルバムに「ismism(イズミズム)」というタイトルのものがあったので、そこから言葉を借用させてもらった。

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