#2:魅力ある人物
クラシックのコンサート、というものに行ったことや興味がない人は、きっと多いのだと思ってはいるのですが、一旦その世界に足を踏み入れると、繋がりはどんどん増え、案外気楽なものです。
例えば、かき氷やコーヒーのように、誰しもが知っているものでさえも、ゴーラーと言われるような特にかき氷をたくさん食べている方々の世界は、実はちょっと深いところに別に存在してようで、かき氷という言葉のポピュラーさを超えて、異世界のようにも感じるほど少し特殊なものです。(僕はかき氷大好きで並んでしまうほどですが笑)
クラシック音楽というものも、ただの言葉であって、簡単に言えばある一定の時代を指した古い音楽というようなものなのですが、かき氷ほどの知名度や、全員が食べた記憶があるというほどに身近ではないためか、「かき氷食べにいこう?」というほどの気楽さでは、「クラシックいこう?」とは言いにくいような気がしています。
ま、それは仕方のないことなのですが、何故だろうと不思議に思う気持ちと同時に、仕事柄、それならクラシックのコンサートに興味を持ってもらうためにできることは何だろう?という純粋な疑問に変わります。
これまでの僕自身は、まず演奏する人物に興味を持っていただくという方法はどうだろう?と思って活動をしてきました。かき氷ほどの物としての牽引力は少ないかも知れないけれど、その音楽を演奏している人物が、機械やAIではなく人間であって(ロボットが演奏していたら逆にすごいですが笑)、目の前で生で技術や音楽や芸術を披露してくれている、という事実はある意味で価値あることで、その人物がさらに知っている人や、知りたいという興味を持てる人であれば、その人物を介して魅力を感じてもらえるのではないか、ということです。万人は無理でも、人物にスポットを当てるということは、コンサートの魅力そのものであって、少なからず人間には興味を持っている人が多いのではないか?という僕の浅知恵だったのですが、文明が発展しまくっている現代においては、その大きな産業から、改めて個人商店や職人、相手の顔が見える物事へと、興味の対象が移ってきている流れがあるようです。
どんな人が作ったどんなかき氷か、という大きな魅力は、コンビニで売っているアイスよりも、思い入れやこだわり、特別な体験としての価値が感じやすくなっているように思います。ただ、ちょっと高額な可能性もあるので笑、全てのものにこだわりを持つことはできませんが、自分の好きな誰かが興味を持つ”何か”にトライしたり体験することから、少しずつ世界は広がって、新しい自分自身になっていく過程は、何歳になっても楽しいものなのではないでしょうか。
そんないろんな人が介して生まれる繋がりの世界の1つが僕にとってはクラシックのコンサートであり、さらに仕事であり、いつも魅力ある人物が素晴らしい演奏を聴かせてくれます。どんなコンサート?と聴かれると説明が小難しく困る部分もありますが、どんな音楽家?と聴かれると、話すネタが尽きないほどに面白い人たちなので、その人たちが作り上げるコンサートは、やっぱり良いものだなと、皆さんにも思ってもらえるように頑張りたいと思っています。
2020.4.19 SUN
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