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外因性エストロゲン作用物質とは?

以前、こちらの記事で女性ホルモンについて書きました。

その中でチラッと外因性エストロゲン作用物質について書きました。
今回は、この外因性エストロゲン作用物質について、どんなものかということや、
その中でも最も曝露が多いと思われる物質を紹介します。

外因性のエストロゲン作用物質とは?

外因性のエストロゲン作用物質とは、外から身体に入ってきたものが、エストロゲンと同様の作用をするという物質です。


別名を内分泌かくらん物質(Endocrine-Disrupting Chemicals (EDCs))ともいいます。


これらは現代文明において、切っては切り離せないもので、ありとあらゆるところに存在しています。


市販されている化学製品は約85,000種類あると言われています。
そのうち約1,000種類に内分泌かく乱作用があります。[1][2][3][4]


今回は、特に曝露が多いと思われるビスフェノールAについて紹介します。

ビスフェノールA(BPA)

BPAは、ポリカーボネートやエポキシ樹脂など、プラスチック製品を作る上で欠かせない物質。
プラ製品が身近にある以上、曝露しない方が難しい物質です。

1891年に初めて合成された物質で、1930年頃にはエストロゲン作用があることが知られていました。


BPAが様々ながんの発生との関連が指摘されています。[5]
またがんの発生だけではなく、がんの進行にも関係していると指摘されています。[6][7]


BPAは化学繊維にも使われており、人気ブランドのスポーツブラからも高濃度で検出されたことが話題になりました。[8]

缶にコーティングされているエポキシ樹脂も同様ですので、缶詰やアルミ缶にも注意が必要です。
またBPAは、感熱レシートのコーティング剤としても使われています。


マウスの実験では、PBAが遺伝子発現や世代を超えた影響を与えることが指摘されています。[9]


BPAはとにかく、あらゆるプラ製品に使われており、あらゆる食品からマイクロプラスチックが検出されていることからも、
少しでも曝露を防ぐために、プラ製品はなるべく避けたほうが無難です。


例えば僕は、調味料は必ず瓶の物を選んでいます。


しかし、ビスフェノールAのエストロゲン作用は、かなり昔に分かっているはずなのですが、
口にすることが多いプラ製品に多用されているというのはどうしてなのでしょうか。

その他のエストロゲン作用物質

他にもエストロゲン作用物質はたくさんあります。
曝露しやすいものの名称だけ紹介すると、

  • 大豆イソフラボン

  • パラベン

  • グリホサート

  • DDT

  • フタレート(どちらかというと抗アンドロゲン作用)

  • ダイオキシン

  • 大気汚染物質

  • マイクロプラスチック

  • フッ素化合物

  • カビ毒

などです。
またいずれ、どこかの記事で紹介したいと思います。

【参考文献】

[1]EDC-2: The Endocrine Society's Second Scientific Statement on Endocrine-Disrupting Chemicals
Endocr Rev. 2015 Dec; 36(6): E1–E150. EDC-2: The Endocrine Society's Second Scientific Statement on Endocrine-Disrupting Chemicals.
Endocr Rev. 2015 Dec; 36(6): E1–E150.

[2]Current knowledge on endocrine disrupting chemicals (EDCs) from animal biology to humans, from pregnancy to adulthood: Highlights from a national Italian meeting.
Int J Mol Sci (2018) 19(6):1647–91.

[3]The epigenetic impacts of endocrine disruptors on female reproduction across generations.
Biol. Reprod. 2019;101:635–644.

[4]Application of the Key Characteristics Framework to Identify Potential Breast Carcinogens Using Publicly Available in Vivo, in Vitro, and in Silico Data.
Environ Health Perspect.2024 Jan;132(1):17002.

[5]The Endocrine Disruptor Bisphenol A (BPA) Exerts a Wide Range of 
Effects in Carcinogenesis and Response to Therapy.
Curr Mol Pharmacol. 2019 Aug; 12(3): 230–238.

[6]Bisphenol an induces gene expression changes and proliferative effects through GPER in breast cancer cells and cancer-associated fibroblasts.
Environ Health Perspect (2012) 120(8):1177–82.

[7]Bisphenol-a and diethylstilbestrol exposure induces the expression of breast cancer associated long noncoding RNA HOTAIR in vitro and in vivo .
J Steroid Biochem Mol Biol (2014) 141:160–70.

[8] 有害物質BPA、人気ブランドのスポーツブラから高濃度で検出 米消費者団体が警鐘
CNN.2022.10.14 Fri posted at 18:00 JST

[9] Multi- and Transgenerational Consequences of Bisphenol A on Sexually Dimorphic Cell Populations in Mouse Brain.
Endocrinology. 2017 Jan 1; 158(1): 21–30.

[10]Dietary Estrogens Act through Estrogen Receptor-Mediated Processes and Show No Antiestrogenicity in Cultured Breast Cancer Cells
Environ Health Perspect . 1994 Jun;102(6-7):572-8.

[11]The developmental effects of isoflavone aglycone administration on early chick embryos
Interdiscip Toxicol. 2018 Oct; 11(3): 236–239.

[12]The Impacts of Genistein and Daidzein on Estrogen Conjugations in Human Breast Cancer Cells: A Targeted Metabolomics Approach
Front Pharmacol . 2017 Oct 5;8:699.  

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