竹の花が咲いていた。@高知

はじめに

「竹は数十年に一度花を咲かせ、そして一斉に枯れる」

幼いころ大の自然少年だった私は、植物図鑑を読んで知ったこの事実に魅了された。それからというもの、竹を取って竹トンボを作ったり、タケノコを堀に行ったりと自然の一部として竹と親しむ日々を送るのだったが、心のどこかで竹の開花に思いを馳せていた。

しかし、当時の私の技量では、竹の開花についてそれ以上細かく調べることはできず、やがて成長して都会に進学し、竹とは疎遠な人生を歩む中で、竹の開花への思いは消えかかっていた。田舎に引っ越してきて、ひょんなきっかけからその手がかりをつかむまでは。

高速道路から見えた幻影

2021年7月5日。私は仲間とのドライブで高知県から香川県に向けて車を走らせていた。

私は幼いころから自然が大好きだったので、いつも田舎道を車で移動しているときは野外を眺めていたものだった。

最近では自分で運転することが多く、かつYOUTUBEで動画の音声を聞きながら移動することが多いことからそのような余裕はないことが多いのだが、この日は仲間が運転をしてくれていたので外の景色をずっと眺めていた。ちょうど7月になり、クワガタが取れる時期だなと思いながら。

すると、何やら様子がおかしい竹があった。

何やら色が黄色くなっており、かつ稲穂のような見た目のようになっていたのである。

この瞬間、幼いころに消えていたであろう、シナプスが一瞬で繋がり、電気刺激が流れた。これは比喩であるが、実際にそうであったのだろうと思わせるような何かがあった。幼いころの私は、竹の花に興味を持っていたと同時に、もしくはそれ以上に、クワガタが好きだったことから、その時の思考回路からして、クワガタと竹の花が同じ自然枠のタンスの引き出しの中にしまわれていたのだろうと感じた。

それで驚いた私は、仲間にも、「あれは竹の花かもしれない!」と伝えた。仲間たちは多少興味を持ってくれた(ありがとう)ようで、一緒に外の景色を見てくれていたが、その後私も仲間も竹の花に出会うことはできなかった。そのうえ、これは絶対に花が咲いていないだろうと思われる竹とも遭遇した。

これはいったいどういうことだろうか。調べてみる価値はあると思い、帰宅後に簡単に調査を実施した。

ハチクの花が咲いているらしい!

この現象について様々に調べたところ、2019年ごろから、ハチクという竹の一種が花を咲かせ始めていることが複数のソースから明らかになった。

① NHK-サイエンスゼロ


② 竹の開花と育種について

そして、花を咲かせるタイミングが同じなのは同じ種類の竹の中での話ということらしく、分かりやすい例で言えば、メロカンナというインドの竹は、48年に一度花が咲くことが明らかになっているとのことらしい。

私が見たのもハチクの花だろうと確信を持ったが、高速道路で一瞬見ただけで確信は持てなかったのが残念である。今後、ハチクが生えている場所を1か所知っているので、一度フィールドワークに行く予定にした。

もし竹の開花やその証拠を掴んだら、続報を書きます。



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