BaaSについて簡単にまとめた備忘録
BaaSとは何か
・Bank as a Serviceの略、直訳するとサービスとしての銀行
・銀行が提供する金融機能やサービスを「クラウドサービス」として銀行が与えるAPI(Application Programming Interface)を利用して、銀行業を持たない第三者の事業者も金融提供が可能
・USなどでは下記図右側のAPIプラットフォーマーを挟んだモデルをBaaSと呼ぶことが多い
メインのプレーヤーは誰か
・大きくは、「銀行」「APIプラットフォーマー」「Fintech事業者」の3つ
・銀行やチャレンジャーバンクから提供されるAPIを事業者が直接利用するパターンとAPIプラットフォーマーとしてプレイヤーが間に入り第三者のAPIプロバイダーとして事業者にAPIを提供するパターン
・後者は日本では現状ない
・日本では、参照系API（口座情報などを参照する、家計簿アプリなどが利用）と更新系API（銀行振込やキャッシングなど）を銀行に対して開発を国から努力義務を課している状況
・更新系APIは資産の移動に関わるためリスクが高く、現状導入はあまり進んでいないという状況
現状整理
法制度、規制
・2018年6月 銀行法改正
・登録制による「電子決済代行業」を新たに設立
・Fintech企業の業務管理体制の整備が目的
・これにより銀行とFintech企業のオープンイノベーションに期待
・銀行側にもAPIを提供する体制作りへの努力義務を課す
・2020年5月に2年間の猶予期間が終わりスクレイピングなどでの口座情報取得には銀行との契約無しではペナルティが課せられる
・実態は中々進んでいない。原因は銀行側とスタートアップの間でのAPIの利用料のアンマッチなどが主
EUのPSD2
・2015年1月にEUでは、PSD2（欧州決済サービス指令：EU Payment Services Directive Ⅱ）精度が成立、2018年1月までに国内法化が義務
Fintech企業に対し、AISP(Account Information Service Provider)やPISP(Payment Information Service Provider)の認定を付与
・銀行はAPIの開放が実質義務化
BaaSによる銀行サイドの新たな価値
・コスト削減、売上増加
第三者サービスで口座管理が可能になるため、通帳レスが促進、通帳周りのコスト削減
BaaSレイヤーを利用した場合、APIシステム導入の人的、金銭的コスト削減
・API提供という新たなビジネスチャンスの獲得
顧客体験向上、新規顧客創出
利用者の顧客体験向上による、口座利用の活性化
シームレスな体験を求める新たな顧客層の獲得
BaaSによるFintechスタートアップの新たな価値
銀行機能を自社に持つ必要が無いため、銀行業の取得などに時間を費やすことなく素早くサービスをリリース可能に
限られたスタートアップのリソースを自社のコアビジネスの開発に集中することが可能
BaaSレイヤーを利用した場合、それぞれの銀行とやりとりする工数が削減可能
海外プレーヤー
チャレンジャーバンク
銀行業の登録を行った上で、銀行機能をモバイル完結で提供する企業
従来の銀行のAPIなどを組み合わせながら、機能をアウトソースさせつつモバイルの銀行機能を提供
SolarisBank
ドイツのチャレンジャーバンク
2016年創業
€150M調達
APIを提供することで企業のfintech化を支援（支払いや貸付、KYC）
MERCURY
USのチャレンジャーバンク
2017年創業
$26M調達、a16z出資
2B向けに銀行口座を提供、slackとの連携や会計アプリとの連携ができ、シームレスな資金管理が可能
APIプラットフォーマー
従来の銀行やチャレンジャーバンクが提供するAPIをバンドル化して、使いやすい形で事業者に提供
自身は銀行業などの免許は持たないケースが多い
PLAID
2012年創業USスタートアップ
ユニコーン企業
銀行口座にアクセスし口座情報取得、送金処理を行うAPIを提供
企業は自社の送金ネットワークを構築しなくて良いため、コストダウン、立ち上げスピードアップが可能に
9,600の金融機関と提携
SYNAPSE
2014年創業のUSのスタートアップ
$51M調達、シリーズB、a16z出資
スタートアップが金融機能を提供する際にAPIでサービスを提供
簡単ではありますがまとめは以上です。
この取り組みはまさにNTTデータ社がプラットフォーマーとなって、事業者と銀行APIの、繋ぎ込みを簡単にしていくことを目指していますね！
BaaSに取り組む企業をまとめたリストはtwitterからお声がけいただければご提供いたします！（@oniyanagi_big）
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