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「女性活躍を推進するなら高市早苗を応援しろ」という暴論
自民党総裁選が盛り上がっています。
立候補者は岸田文雄氏、河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏ら4人。
メディアでは連日にわたり各氏のアピール合戦や活発な討論が放送されていますが、時代を反映してかSNS上でも各陣営を支持するユーザー同士の熱い戦いが繰り広げられています。
その中でも特に熱心なのが高市氏を支持するグループです。
高市氏は右派路線を明確に打ち出し、さらに安倍元首相の支援を得たことでネットで活動する右派ユーザー、いわゆるネット右翼からも圧倒的な支持を獲得することに成功しています。
かつてはネットユーザーから熱い支持を得て「次期首相になって欲しい!」とエールを受けていた河野氏すら、総裁選での高市氏との対立が決定的になると評価は一変。
中国企業との関係や過去の反原発発言、さらには父の代の河野談話まで掘り返されて「日本の敵」とでも言わんばかりの激しいバッシングに晒されています。
エゴサブロック等の件で河野氏に否定的な立場を貫いてきた自分ですら、今回の右派ユーザーの手のひら返しに限ってはさすがに河野氏に同情せざるを得ません。
これまで散々担ぎ上げてきた河野氏を神輿から突き落として血祭りに上げている高市派のボリューム層は、ネット右翼の中でも特にヤバめな人が主導権を握っている印象があります。
例えば、9月22日には対立候補のネガティブキャンペーンを目論んだのか、高市派のユーザーが中心となって河野氏と中国を絡めたデマが拡散され「毛沢東バッジ」がYahooリアルタイム検索でトレンド入りする事態に。
「嫌いな奴を叩くためならデマも平気で流す」というやり方はネット右翼の伝統芸みたいなものなので今更驚きはしませんが、こういう人達から熱心に支持されている政治家が日本の首相になるかもしれないのは有権者の一人として素直に「嫌だな」と感じます。
そろそろ本題に入りますが、上記の通り少々ヤバめな高市派のネットユーザーには反・高市派、特に左派ユーザーに向けて必殺技のように使用する「ある主張」が存在します。
それにしてもこのスクショ群、悪質なデマの前科があるアカウントばかり揃っていて壮観ですね。
そんな彼ら彼女らが好んで使用する
高市氏は女性なんだから、日頃から女性活躍を推進してる連中は日本初の女性首相候補を叩くな
という主張。
これ、一見それらしいこと言ってるように見えますが、かなりの暴論です。
その理由を1つずつ解説していきます。
1.「女性なら誰でも良い」というわけではない
こんなの当然のことだと思うんですが、分からない方もいらっしゃるようなので一応書いておきます。
まず、大前提として女性活躍を推進している人々はただ闇雲に女性を高い地位に着けろと主張しているわけではありません。
男性と同程度の能力を持っているにもかかわらず「女性だから」という理由だけで出世や社会進出が阻まれる世の中のシステムに対して異議を唱えているのです。
しかし、高市派の主張は「女性なんだから無条件に選ぶべきだ」というニュアンスが強い印象を受けます。
これでは女性という属性を都合良く利用しているだけで、真の意味での女性の地位向上や男女平等には繋がりません。
そもそも、高市派の大部分を占めるネット右翼層は日頃からフェミニストと呼ばれる層と対立し、女性主体の社会運動を敵視・冷笑してきた事実があります。
選択的夫婦別姓や女系天皇すらあれこれと文句をつけて断固拒否するような人々が、今回のように都合の良い女性が現れた時だけ女性の味方ズラをするなんてあまりにも虫が良過ぎます。
また、高市派が「女性の政治家を応援したい」という熱意や心意気を立憲民主党の蓮舫氏や辻本氏、社会民主党の福島氏、さらには総裁選で対立する野田氏には向けようとしない時点で、彼らは高市氏をあくまで思想の面で後押ししているだけで、性別は二の次であることが分かります。
話が性差別方面に逸れてきたため軌道修正しますが、ここで取り上げた「女性なんだから」論のおかしさは「女性」の部分を他の単語に置き換えることで問題点が分かりやすくなります。
試しに「自民党」にしてみましょう。
「河野太郎氏は自民党の政治家なんだから、日頃から自民党を支持している高市派の連中は河野氏を反原発や中国に絡めて叩くな」
これで、自民党議員なら誰が総裁になってもいいわけではない皆様にも理解してもらえたのではないでしょうか。
2.高市氏の総裁就任が女性にとってプラスにならない
高市派の「何故女性活躍を推進する人々が高市氏を応援しないのか?」という疑問に対する回答です。
仮に高市氏が総裁、そして首相になったとしても世の中の女性には大きな利益をもたらさない可能性が高いのです。
例えば、選択的夫婦別姓制度は自民党内の男性議員にも賛成派がいるにもかかわらず、高市氏は反対の立場を貫いています。
これを「女性の高市氏が反対してるんだから女性の意思を尊重して夫婦別姓はやめろ!」という主張に利用するのは無理があり過ぎる上に恥ずかしいことなのでやめましょうね。
選択的夫婦別姓制度は結婚後も自らの姓を変えたくないと願う女性からの声が主体となって長年育まれ、支えられてきたものです。
それを認めない高市氏が「女性の味方」であるとは到底思えませんし、むしろ夫婦別姓反対派の高市氏が党のトップに就くことで議論が後退する可能性すらあります。
つまるところ、女性の権利向上を推進する観点においても高市氏を積極的に支持する理由はほとんど存在しないのです。
3.「女性の敵は女性」と言うならば……
高市派が反・高市派に対して使用する「女性の敵はやっぱり女性だ」という主張。
これも暴論中の暴論です。
現代の日本、いや世界中でも男性が男性政治家を批判することは当たり前に行なわれています。
政治家や有権者の性別に関係なく、納得がいかない主張や言動を批判するのは当然の権利ですから、その行為自体には何の問題もないはずです。
しかしながら、女性が女性政治家を批判した時にだけ「やっぱり女性の敵は女性なんだ!」と何故か嬉しそうにはしゃぎ回る人々が現れるのです。
彼らは、世の中の女性は共通思想で結ばれて常に意見を一致させていなければならないとでも思っているのでしょうか?
同じ人種、民族、組織に属しているなら仲間を批判してはいけない。
そんな暴論がまかり通るなら、自民党支持者が同じ自民党に所属する高市氏以外の総裁選候補者を批判することも出来なくなってしまうわけですが……。
最後に
ここまでの内容を応用して高市派に反論していきましょう。
「女性の権利向上の1つとして選択的夫婦別姓の導入を」高市派が死んでも使わない言葉ですね。女性にもっと活躍の場を!と叫ぶのに夫婦別姓すら認めない。女性総理の話も高市氏が出馬を表明してから急に言い出した。女性の社会運動を散々冷笑してこなかった?
日頃は「フェミニストがー!」って声高に叫んでる方々がこぞって歓迎ムードなのが興味深い…
あれほど「自民党だから」という理由だけで河野太郎氏の問題行動を擁護し続けてきたネット論客が、総裁選で高市氏と対立することが決まった瞬間にボロカスに叩き始めた。
結局、自民党云々などはクソどうでも良く、単にライト層ウケが良い政治家を礼賛していいね稼ぎするためだけの方便だったという事だ。
いつもと言ってることが異なる
自民党議員の敵は自民党支持者ですね
河野氏は自民党議員
そして総理になるかも
喜ばしいことでは
Twitterの自民党支持の皆さん
高市派の皆様がこれ↑を見て
「こんなムチャクチャな暴論があるか!」
「お前の言ってることは間違ってる!我々の主張を捻じ曲げて解釈するな!」
と感じていただけなら幸いです。
皆様がやっているのは「そういうこと」なので。
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