勝手にチョコレート報告会(森屋たもん編)

※自分もベルキさんたちに触発されてチョコレートの思い出をひねり出してみました。

 中3の冬、とにかくモテなくてバレンタインデーにチョコなんか貰えるビジョンが全くありませんでした。

 仲間も全く同じで、それでも幼い中学生なりに学生生活をエンジョイしていました。

 バレンタインデーが終わった2/15の夜、その仲間の一人と入ったコンビニでバレンタインチョコが投げ売りされていました。ピンクの化粧箱に入り、グリーンのリボンを巻かれた可愛いチョコレートを手に取った友達が
「これ買おうぜ」
と言いました。

「良いよ」
と言ってワリカンで買い、早速食べようとすると、

「食べないよ」
と言われました。

 そいつは悪巧みをしていて、我々のグループの中でも簡単に騙せそうな奴の机にこのチョコを入れておいたら面白いんじゃないの?ということでした。

ターゲットとなったCくんは、グループの中で一番足が速く、小学生の時はモテたのですが、中学生になると持ち前の下ネタを愛する心が完全にバレて逆に男子人気ランキング圏外に安息の地を見出したタイプの面白い奴でした。

 あまりにも馬鹿馬鹿しく、やってはいけないことだとは思いますが、当時全く頭を使っていなかった私にとっては、そんな策略を思いつく彼がとんでもない天才に思えました。

翌日、Cくんが学校に来る前にチョコを机に突っ込みました。

どんな反応をしてくるんだろう?相談されたらなんて言おうか?ネタバラシはどうしよう?止まらないワクワクを胸に時間は過ぎていきます。結局、Cくんから何ひとつリアクションは無いままに何日もの日々が過ぎてゆきました。

そして、我々二人は、そのことを完全に忘れました。

思い出したのは、高校受験が終わり、中学を卒業、入学した高校にも慣れた夏休み、ウソチョコ作戦を発明した友達が突然そのことを思い出して電話してくれた時で、やっぱり彼は天才だと思いました。

いま何となく思っていることは、たぶんCくんに机の中に手を突っ込んで中をあらためる程度の甲斐性がある可能性が低いことと、また、机の中にチョコがはいっていたとして、何か考える前に彼は食べ終わっていただろうと言うことです。中坊のいたずらの完成度なんかこんなもんでした。

ちなみに、私はCくんとだけはまだ付き合いがあります。彼も結婚し家庭を持っていて、何でもよく食べる彼はすっかり腹が出てもう50mだって全力疾走はできないと笑っていました。

 はじめ、自分が初めて他人からチョコレートを貰った時のことを思い出してみたら、なんだか泣けてきました。こっちもいつか書いてみて自分だけでも読んでみようと思います。

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