◆人事院公務員研修所[若手行政官への推薦図書]にとっておきの[2冊]を推薦

 
ご縁を頂き、国家公務員の新任用研修にて、講演をさせていただいて、かれこれ5年経ちました。クニを支えるための[働き]を担う若者のお役に立ちたいという[一心]でお受けしたものです。
 
今回は、そのような経緯もあり、[若手行政官への推薦図書]を依頼され、とっておきの2冊の推薦と、若手行政官へのメッセージを贈りました。
  
これからの行政官人生で困難にあたったとき、きっと、この2冊の本が、新たな視点を人生にもたらしてくれると信じて・・・。
   
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人事院は、新規採用者から課長補佐級までの若手職員を対象とし、これらの職員が、自ら判断できる精神的機軸を作り、思索力や論理的思考力を涵養するなど、行政官としての素養を高めるための一助となるよう、学識経験者及び幹部行政官経験者の方々に読むことを推奨する図書の御推薦を依頼し、「若手行政官への推薦図書」のリストを作成いたしました。
    
若手行政官の皆様におかれましては、このリストも参考とし、今後、行政官として職業人生を送っていく上で糧となる、有意義な読書経験を重ねていただきたいと存じます。
    
○ 鬼丸 昌也(おにまる まさや) 認定NPO法人テラ・ルネッサンス創設者・理事
    
◆西水美恵子『国をつくるという仕事』(英知出版)
   
世界銀行にて「貧困解消」というミッションのため、悩みながらも突き進んでいった一人のリーダーの軌跡。その過程で出会う国家元首、市井の人々・・・。彼ら彼女たちから真摯に学び、そして、世界銀行の業務において実践してきた西水氏のリーダーシップの「ありかた」は、どんな職種、役職であろうとも参考になるはず。

◆増田弥生、 金井 壽宏『リーダーは自然体』(光文社新書)
       
リコーに入社し、同社での改善に取り組んできた増田氏。その後、リーバイス・ナイキというグローバル企業において人事担当者として、諸制度の改革やリーダーシップの醸成に取り組んだ彼女が語るリーダーシップ論。国際社会の中で、「しなやかなリーダーシップ」の有用性を、彼女の半生を振り返りながら語っているので、とても読みやすく、理解しやすい。けれども、その内容は非常に深い。時折、読み返すと、その都度、自らのリーダーシップの「ありかた」に示唆を与えてくれる一冊。

◆若手行政官へのメッセージ
    
新型コロナウイルスの感染拡大で、本来だったら10年、20年もかけるはずだった大変化に、たった数ヶ月で見舞われています。目の前の変化についていくだけでも大変だと思います。ただ、「変化対応」と同時に、自らの望ましい未来をつくる「変化創造」にも着手しないと、変化に飲み込まれるだけになってしまうという危機感を持っています。どうか、心身の健康を第一に、適切な休養を取りつつも、目の前の業務にあたってください。そして、少しの時間でもいいので、学びの時間を大切にしてください。学びは、変化を創造するために、インスピレーションを与えてくれます。このような変化が激しい時代は、ささやかでもいいので、学び続けることです。日々の学びが、皆さんを、皆さんの望む未来へ連れて行ってくれるはずです。私は、そのように信じています。

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