ミュージカル憂国のモリアーティOp.4 -犯人は二人-の二人を考える ※ネタバレしかない
《犯人は二人》の2人とは
タイトルは原作そのままでそこから取っていることは明白なのですが、
ミルヴァートンを殺した(殺そうとした)犯人としてウィリアムとシャーロックのことを指していると思われます
今回のモリミュのクライマックスを象徴するタイトルですね
ただ、今回の舞台だけを考えると初めて人を殺したキャラクターが2名おります
1幕のホワイトリーと2幕のシャーロック
この2人を指して《犯人は二人》とも取れるダブルミーニングになっているのではないかと思います
今回は以前よりも心情を言葉や歌で説明する部分が多かったように思いましたが、1幕のホワイトリーの「家族を殺された怒りのまま相手を殺しても良いのか?殺された家族はそんなことは望んでいない、でも許すなんてできない」という葛藤
シャーロックの「人を殺さないのが心情だが親友の幸せを壊そうとするクソ野郎は許せない、でも殺すと後戻りはできない」という葛藤
この2人への殺人への葛藤を引き立たせるために説明的になっていたのかな〜と思いました
正義の騎士から殺人者へ
正義の探偵から殺人者へ
原作を読んでいた時には気付かなかったんですが2人はかなり似ている状況だったんですね
もう一つの《犯人は二人》?
そして気付いたんですが殺人を初めて犯した《犯人は2人》の他にもう一つ、殺人をさせる(させようとする)人が2人います
ミルヴァートンとウィリアムです
ミルヴァートンは本編の通り、貴族院の証拠を無効化させるためにホワイトリーに殺人を犯させるよう仕組むという極悪人
対してウィリアムOp.3から孤独の部屋をノックする風としてシャーロックを例えており、Op.4ではラストに「(ミルヴァートンを殺した)シャーロックは僕のことも殺してくれるだろう」と君がこの世から消し去ってくれと歌い上げる
おそらくかなり前からシャーロックに自分を殺してほしいと願っているようです
ミルヴァートンとウィリアムでは人殺しをさせようとするにしても、行動原理が全く違っていて対比になってるのかな〜と(ウィリアムの方は裁かれたいと言いつつ自殺願望に近いような感じですが)
このへんに関してはこじつけですがダブルミーニング、またはトリプルミーニングにも取れるようなタイトルに実はなっているかもと思ってしまいました
《追記》
原作未読の家族が配信でOp.4観たところ、『犯人は二人』の二人はホワイトリーとシャーロックだと思ってたと!モリミュだけ観るとそう感じるんだ〜!!!と私が思っていたような受け取り方していました
シャーロックがミルヴァートンを撃つ直前に階段上の方に現れるホワイトリーもそういう意味が込められているのかもしれません
あの演出めちゃくちゃ好きです
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