Ringwanderung Lily 歌詞考察2023
Lilyは歪んだ愛情の曲?
MEMEです。
今回Ringwanderungの楽曲の一つ「Lily」の歌詞考察をしてみたいと思います。Lilyはきなみうみさんが作詞・作曲・編曲を担当された楽曲です。この曲はライブ披露よりも早く、サブスク解禁の方がされました。曲全体が優しいメロディーで構成されていて、切なさの中にあふれ出す愛情を感じられる曲だと感じました。
配信時は公式の歌詞がまだ出ていなかったので、耳で聴きとるしかなかったのですが、始めは「・・・・不倫の歌?」という印象でした。しかし、ライブでのメンバーさんたちの表現はとても柔らかく・愛情と優しさが伝わってきたので(幸せそうな雰囲気も感じました)、なんとなく「不倫」だけではないテーマがあるのだろうと感じ、今回考察をしてみたいと思いました。
私の考えるLilyは「どんな形であっても君を愛し続けたい」という愛情の曲です。その根拠となった考えを私なりに書いていきたいと思います。
朝目覚めて、霞む視界の中に君はもういないのでしょう。一人残された寂しさが、雨や冷たい部屋という言葉で表現されています。君との昨夜のことが思い出され、飲み残した酎ハイを飲み干したときに現状を思い知らされます。しかし、それでも君を求めてしまいます。
都合が良い関係を自ら結んでしまっている現状に葛藤するものの、結局いつも現実から逃げてしまう。君に触れられる距離で、君に見つめていてもらいたい。主人公は周囲のことなど考えず、二人の愛だけのために夢中になれたらどんなに幸せだろう。と思いますが、君にはこのままでいいと言われてしまいます。
※歌詞を読んでいると「僕ら」や「~けれどさ」という少し男性的な言い回しと、「~してしまったの」「~でいいの」という女性的な言い回しが出てきます。明確な判別はできませんが、後半の歌詞は君が主人公に話しかけているように聞こえます。
季節は移り変わり月日が流れ、お互いの生活も変化しましたが、二人の関係は相変わらず曖昧なままのようです。(紅色のフィルターはリップの付いた君のタバコ、残ったビールは君が飲めなかったビールだと考えます。)
そんな中、「もう一回」君に何かを伝えたいという歌詞が登場します。もしかしたら、過去に一度、主人公は二人の関係に決着をつけようとしたのかもしれません。
しかし「決めるのは結局君なんだけど」という歌詞からも、君の返答を待っている状況なのかもしれません。(この辺りから主人公が片思いをしているように思えてきます。)
都合のよい曖昧な関係を続ける二人。「いつか来る終わりは 何かに刻まれるのかな」という歌詞では「いつかわかれた後、自分は君の思い出になるほど大切な存在だろうか」という主人公の不安が表現されています。
そして、決着をつけないまま、二人はまた肌を重ねます。ここで主人公は「二人が満たされていればそれ以上求めない」という感情が芽生えます。君の嘘も真実も、もう見なくていい。君の体温だけが僕を安心させてくれる。という心境が描かれます。
ここでは、主人公の愛されたい・愛していたいという明確な言葉が表現されています。そして、つらい時は君をいつも求めてしまうけど、この関係が壊れて捨てられてしまう方が怖い。だからこのままの関係でもいいと考え始めます。
「優しい残り香に 混じる煙が目にしみた」と歌詞から、君の残り香でさえ愛おしく感じる主人公の心境とずっとそばに居られない悲しみが描かれます。
その後、小説・ピアス・ビール・酎ハイと単語が続きますが、きっとそのひとつひとつに君との思い出が詰まっているのでしょう。
この歌詞の部分からは、主人公は、このままの関係でいいから、君の全てを受け入れるから、ずっとそばにいてほしい。そう願っていると感じます。
「何より美しい 歪なあの花を」のあの花、はおそらくタイトルのLily(ユリの花)だと考えます。ここの歌詞は、主人公から見た「君」の表現だと思います。主人公はもしかしたら自分と一緒になってくれない君のことを恨んでいるのかもしれません。しかし、何よりも美しく、無垢な君を愛していることがわかります。
「汚れてしまった世界」というのは「二人の歪んだ関係性」、「二人の罪」とは「結ばれないとわかっていても愛し続けること」を意味するのかもしれません。
主人公は、君と結ばれないと分かっていても君と愛し続けることを選びました。そしてこの先も二人だけの夜を過ごしていきます。
Lily全体を包む優しさの理由は、主人公の「いつまでも君を待ち続ける。どんな状況でも君を愛し続ける。大きな愛情で君を包む。」という愛情によるものだと思います。
ライブで聴くLilyは本当に優しい雰囲気であふれていて、愛情いっぱいに表現されています。確かに歌詞は、主人公が歪んだ選択をしているようにも読み取れますが、この曲は「ありのままの君」を深い愛で包み込む歌だと感じました。
ぜひ、この記事を読んだらライブでも見ていただきたいです。
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