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The Dream of the Lambs

最初に何について書こう,と考えた時に思い浮かんだのがこの曲。
はじめてyoutubeにアップした自分の演奏です。

もともと動画を見ることにほとんど関心がなく,音楽も聴くもの,自分の演奏も録音することはあっても録画したことはほとんどありませんでした。

それが変わったのはコロナ禍のため。

LINEやZOOMを使ってオンライン・レッスンを始めましたが,音質はともかく,何より困ったのが,伴奏や連弾ができないことです。

syncroomも試してみたけど,ipadでは使えないし,PCで使えるといってもほとんどのお家ではそこまでのデジタルスキルがないので,使用には至りませんでした。

でも特に初歩の生徒さんには,仕上げに伴奏を一緒に弾いてあげることをそれまで大事にしていたので,なんとかそれを補いたいと,伴奏を録画してそれを再生しながら弾いてもらう,ということを始めたのです。

スマホで録画して,音は別で録音し,それを編集する。見やすいようにタイトルをつけたりしているうちに,ロゴを作ったり,いわゆるリモート・アンサンブルにも手を出すようになりました。

そして会場での発表会の代わりに,オンライン・コンサートも行うことになり,その時に講師演奏として弾いたのが,この「The Dream of the Lambs」でした。

楽器店のホールを予約して録画をしましたが,教材としてではなく,自分の演奏を録画するのは初めてで,録音する時とは緊張感がかなり違い,何度も撮りなおしてやっと鑑賞に堪えられると思うものが撮れた時にはホッとしました。

音楽は,絵画や彫刻などとは違い,作品を残すというよりその時の出来を楽しみ,評価するもの,同じ曲でも常に前よりも良い演奏を目指していけることが醍醐味だと思っていましたが,実際に録画してみると,「残す」というのもなかなかいいものだな,ということを感じました。以後は録画できるレベルにすることを目標の一つに置くことによって,以前よりモチベーションを上げやすくなったような気がします。

自分もそうですが,アマチュアピアニストにとって演奏を披露する機会というのはそう多くありません。生徒さん達には,レパートリーを作っていつでも披露できるよう維持するよう勧めていますし,発表会のほかにもグループレッスンを行って定期的に演奏を披露する機会を設けていますが,レッスンを卒業すれば,その機会は格段に減ります。

それで,最近は生徒さんの演奏も「作品」として残していけるよう,録画するようになりました。まあ,それもやってあげられるのはレッスン期間だけですが,ある程度大きくなれば今の子たちは自分で録画することもできるようになるでしょうから,そういう形で楽しみを持てる,ということを知っておいてもらえればいいかな,と思っています。

ということで今日の1曲は,久石譲作曲,映画「羊と鋼の森」のエンディング・テーマ「The Dream of the Lambs」です。

ご覧いただき,ありがとうございました。


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