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三幕構成



三幕構成は「単なるパターンでしょ」と聞くことが、この単なるパータンについて本当に知っていますか、と聞き返すしたくなることがある。

三幕構成についての定義や詳しい説明はアリストテレスの「詩学」と「神話の法則」に書いてあるのでぜひ、興味ある方は読んでほしい。

アリストテレスの詩作術・詩学の中で出てきた三幕構成を発展させたのはドイツ人の戯曲を研究していたグスタフ・フライターク。図のピラミッドでは5幕になっている。(wiki参照)

300px-フライタークのピラミッド


三幕構成に当てはめると以下になる。

はじめ(Begining)=イントロダクション
なか(Middle)  =コンプリケーション、ライジングアクション
おわり(End)    =クライマックス&レゾリューション


ストーリーコンサルタントの岡田教授が言うには『パルプ・フィクション』のクエンティン・タランティーノは基本がしっかりできているから、新しく壊して作ることができると。ストーリーテリングの基本の技術を持っているから扱うことができる。お話自体はバラバラに見えるが、シーンやシークエンスの中ではきちんと「はじめ・なか・おわり」がある。

三幕構成はほとんどの物語に適用できる。
アクションものの映画やドラマはよく適用されている。我々の日々の生活や家の中にも、電車の中にもある。


ストーリーの構造をさらにブレイクダウンすると、ビート、シーン、シークエンス、アクト、ストーリーがあり、上位概念としてテーマがある。

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ストーリー:はじめ・なか・おわり
アクト:幕
シークエンス:シーンの連続
シーン:ビートの連続。アクション、リアクションの連続。
ビート:キャラクターの登場、退場、話題が中断したり、気持ちの変化が変わったりする。

上記については、リンダ・シーガーの「ハリウッド・リライティングバイブル」を参照。

学校の授業やスポーツにも前半、中盤、後半がある。シンデレラや世界中の童話や昔話は同じ構成になっている。「はじめ、なか、おわり」に普遍性がある。

日本では能の守破離、序破急。歌舞伎が起承転結になっている。

ストーリーのはじめ・なか・おわりの構成の要素を2つに分けることができる。

キャラクター
プロット


ストーリーはキャラクター(主人公など)主導で動いていくものと
プロット(出来事の状況)主導で動いていくものがある。

アクションやコメディやラブストリーのようなジャンルはこの2つの要素のバランスを取りながらストーリーは作られている。

神話の法則に出てくるヒーローズ・ジャーニーはまさしく、死=ゴールに近づくにつれて、新しい命を与えられて、目的を意識する。

少し前の作品になるが、周防正行監督の『Shall we ダンス?』がヒーローズ・ジャーニーの典型的なパターンに当てはまる。

なぜ『Shall we ダンス?』が世界で認められたのか?三幕構成に当てはまるストーリー分析は改めて別のコラムでご紹介しようと思う。




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