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横浜市長選挙2021で無名だった山中竹春さんはなぜ圧勝できたのか

2021年8月22日投開票となった横浜市長選挙2021は、蓋を開けると山中竹春さんの圧勝に終わりました。

投票率は前回の37.21%から11.84ポイント増の49.05%となり、横浜という日本第二の大都市かつ感染症が蔓延する厳しい状況に関わらず、民主主義のマグマが爆発しました。

当選インタビューで山中さんが明かされたように、浮き沈みのジェットコースターが激しい選挙戦になりました。

横浜市長選挙2021の本質とは何か?

極めて複雑な選挙になりましたが、可能の限りエッセンスにし、かつ重要な事項で、まだ報道機関があまりカバーできていない現地情報を踏まえて、以下では報告や今後に向けたポイントを述べたいと思います。本報告はアーカイブ(今後に向けた記録)も意図し、"6. 勝因(4)"の記載は手厚くしました。

リアリティのため、下記ではツイッター投稿も多く引用しており、もし表示が文字だけで画像等が読み込まれない場合、読み込み時間を数秒いただけましたら、通常通りのツイッター表示をご覧いただけるかと存じます。

新聞報道へのリンクも下記では多くあり、可能ならばPCか、スマホの横長画面でご覧いただけますと、文字切れなくご確認をいただけます。

1. カジノ反対の市民運動という分厚い背景

官房長官時代からカジノ誘致に熱心とされ、横浜を地盤とする菅首相の肝いりで、2019年夏以降、横浜市政はカジノ誘致に突き進んでいきました。

前回の横浜市長選挙2017にて林文子市長は「カジノは白紙」と訴えていました。

2020年9月にカジノ誘致の賛否を問う住民投票を求める署名運動が始まりました。

同年11月に署名は締め切られ、大方の予想を大きく上回る19万筆もの署名が集まりました。

しかし、IR推進の林市長も、横浜市議会の自公も、署名を重視せず、住民投票の条例案はあっさり否決。

マスコミの扱いも小規模にとどまり、反対派の市民の方々は失望しました。

そこで、カジノ反対の市民運動の方々は林市長再選を阻止するため横浜市長選挙2021に向けて動き始めます。

ですが、林市長再選の雰囲気が当時強く、保守王国の神奈川であり、まして菅首相のお膝元の横浜市で、野党候補が勝てるとの論調は見受けられませんでした。

下記記事でも自民の余裕いっぱいの心境が伺えます。

自民内では林氏の動向を気にする声のほか、別の候補として現職国会議員の名前が挙がる程度。「立憲民主が誰を擁立するのか。それが一番の鍵だ」「相手を見てから候補を決めればいい」。焦りの声はない。

2. 告示前の候補者乱立

有力候補のうち、まず6月25日に閣僚の小此木八郎氏の出馬が決まりました。

「小此木氏はカジノ反対と言うが、市長に当選したらカジノ容認になるだろう。横浜は歴代の小此木支持層が分厚く、小此木氏の楽勝で、カジノ誘致路線に変更はないだろう」との印象がこの時点では広がりました。

カジノ反対の市民運動の後押しを受けて、山中竹春さんの立候補表明は6月29日でした。

「小此木 vs 山中の構図なのか?」「現職の林市長は出るのか?」と注目される中、7月7日にカジノ反対を訴えて郷原信郎氏が立候補表明します(8月5日にとりやめ)。

7月8日に田中康夫氏がカジノ反対として立候補表明。

そして、ついに7月15日に現職の林文子市長が立候補表明。唯一のカジノ賛成候補になりました。

小此木氏を含めてカジノ反対派候補が乱立して票が散るので、林再選の可能性が高まったとも観測されました。

ところが、7月20日には松沢成文氏がカジノ反対として立候補表明。前神奈川県知事であり、横浜市内での認知度は圧倒的と見られました。

候補者乱立となり、もはや再選挙が有力視されるようになり、横浜市長選挙は空前のカオスに突入しました。

カオスに加えて、踏んだり蹴ったりですが、野党とされ、カジノ反対を訴える松沢氏そして田中氏の立候補は、山中さんの票を削ると見られました。

すると、開票結果が、林再選であれ、小此木氏当選であれ、カジノOKとの民意になってしまいます。

カジノ反対を願う横浜市民の方々のお気持ちは打ち砕かれ、泣きそうになっていました。

8月8日の告示前から、大方の予想は「小此木氏が楽勝」、「現職優位で林市長再選」、または「再選挙」。

ハマのドン」と横浜政財界で恐れられ、カジノ阻止を宿願とし、山中さんの応援に入られた藤木幸夫会長「小此木氏当選」との見立てを8月3日の会見で述べていました。

"当選するのは八郎(小此木八郎・元国家公安委員長)でしょう"

ところが、選挙戦序盤の8月10日の朝日新聞情勢調査で、山中さんは多くの候補者の中から抜け出し、何と2位につけます。

その後、有力3候補となった小此木氏、林市長、山中さんの構図でしぶとく選挙戦を推移し、最終的に山中さんの当選に至りますが、上記の経緯を振り返ると、「なぜ勝てたのか?」と、謎ばかりです

主人公である横浜市民の方々の現地からのお声や、動向を踏まえて、以下に勝因を分析します。

3. 勝因(1) カウンターデモクラシーの作動

「カジノ誘致をしても横浜の経済は潤わない」「ギャンブルで負けた人の犠牲に成り立つ」「治安が悪化する」と19万筆もの住民署名が集まった重み

爆発した市民パワーが、政治的には無名だった山中竹春さんを押し上げた最大の原動力でした。

市民パワーが社会を変える原動力を政治に与えるのは、海外でもウォール街選挙運動や、Black Lives Matter運動等が知られており、カウンターデモクラシー(counter-democracy)と呼ばれています。

#枝野立て で立憲民主党が2017年秋に生まれ、急激に躍進して野党第一党になったのもカウンターデモクラシーの力が作動したからです。

枝野氏は2015年の安保法制に反対した代表人物であり、 2017年秋の #枝野立て は議会外の市民たちから発せられて立憲民主党が結党され、日本のカウンターデモクラシーの象徴的な言葉です。

2020年に合流新党となり、新立憲となった今も、当時がきっかけとなった立憲ボランティアの方々が各地の選挙で、日夜、獅子奮迅されています。

合流新党の発足は、昭和に比べて労働組合の力が落ちてしまい、熱意そして機動力ある立憲ボランティアの方々を今後の選挙に期待したいとの前提が旧立憲にも旧国民にもあったことは明白です。

そして、立憲ボランティアの源流をたどると、2015年安保法制抗議運動であり、これこそカウンターデモクラシーの世界的事例の一つなのです。

カジノ反対の市民運動の方々が生み出したカウンターデモクラシーが横浜市長選挙を突き動かしたのが、選挙戦の根底に存在し続けた力学であることは、まだ多くの報道各社の横浜市長選挙の分析記事では見られませんが、横浜市民の方々は「ぜひ本質に迫ってほしい」と願っています。

「住民運動との連携は、アカっぽっくて苦手だ」との意識の議員もおられるかもしれません。

ですが、住民パワーに背を向けることは、現代日本の人々の変革願望に背を向けることであり、社会変革期の選挙では、なおのこと自滅行為となりかねません。

ワシントン政治の権化と長年見られてきたジョー・バイデン氏ですら、カウンターデモクラシーの威力を重視して、米大統領選挙2020を勝ち上がりました。

いえ、もしバイデン氏が米大統領選挙2016当時の意識を引きずっていたら、バーニー・サンダース氏に代表される急進左派と揉め続け、トランプ大統領の前に負けていたでしょう。

4. 勝因(2) わかりやすい構図で主権者をモヤっとさせない

候補者が乱立し、選択肢が多すぎて、カオスになってしまった横浜市長選挙。

しかも、落選運動ネガティブキャンペーンが始まってしまい、山中さんに対する悪質な誹謗中傷が連日乱れ飛ぶ事態になってしまいました。

ですが、ネガキャンの逆説が起こります。

8月2日朝、Yahoo!ニュースのトップに山中竹春さんのパワハラのデマが掲載されました。

ネガキャンの逆説ですが、それまでテレビ出演などは相次がれても、政治的には無名だった山中竹春さんの知名度が、上記のパワハラ記事で全国区になったことは否定できません。

選挙の一法則として、ネガキャンを打つほど、その対象となった候補が押し上げられていくのです。

候補者が乱立し、山中さんが埋没してしまうリスクが選挙戦では実は高かったかもしれません。

ですが、ネガキャンによる押し上げもあり、「有力3候補」の中に山中さんが位置付けられ、小此木氏、林市長、山中さんの三つ巴になったとの理解が広がったのは幸いでした。

しかし、ネガキャンや落選運度はエスカレートし、根拠ないデマが相次ぎます。

いじめられても大人の対応でじっと耐え忍ぶ山中さんへの同情論も広がっていきますが、悪質な誹謗中傷は後を絶たず、神奈川県警へ通報する事態も相次ぎました。

反知性主義の極みとなり、私怨と科学との闘いという構図にもなりました。

ですが、「官邸 vs 市民」であれ「私怨 vs 科学」であれ、今までカオスだった、乱立する候補者の中でも、有力3候補に注目すればよいと、すっきりと明快な構図が固まってきました。

山中竹春さんは世界的にも高評価されるデータサイエンスの優秀な研究者であり、コロナ専門家であって、候補者の資質に非の打ちどころがありません。

告示日の動画メッセージにて、引き締まった表情で熱弁され、「いける」と感じた方は、私を含めて多かったのではないでしょうか。

もし山中さんのキャラが立っていなかったり、玉虫色のメッセージを発していたら、多くの主権者はモヤっとしたものを感じてしまい、投票の選択肢から外してしまいます。

ですが、横浜市民の命と暮らしを守る姿勢が山中さんにあるのは鮮明であり、小此木氏、林市長の両名と徹底抗戦するポジショニングをしていました。「横浜市民を決して裏切らない本物は山中竹春さんだけ」との理解が広がりました。

主権者をモヤっとさせないことは現代選挙では不可欠であり、下記noteにもまとめていますので、ぜひご一読をお願いいたします。

5. 勝因(3) 主権者を代弁できる

山中さんは世界的な研究者ながら、公立大学の教員として、私たち一般市民と同じように生活者として生きてこられています。

市民の代弁者になれる、政治のアウトサイダーこそ、これからの日本に求められています。

"市民の代弁者"とご自身を述べるツイートもされ、ますます支持が拡大しました。

そして、いくら候補者が優秀であっても、人々の地元愛に響かねば、選挙ではなにもなりません。

自民党はもともと地元の名士を議員にし、地元愛に訴求する名手です。維新も関西の土着化には成功しています。

山中さんは横浜市立大学の教員であること自体が、横浜の地元愛にすでに有利に訴求していました。

加えて、何といっても、横浜愛の塊である藤木会長の応援で、横浜市民の方々の横浜愛の爆発へ。

6. 勝因(4) 空中戦と地上戦の相乗効果 

空中戦とは不特定多数を相手にしたコミュニケーション(SNS等)で、地上戦とは相手の顔が見えるコミュニケーション(街宣やチラシ配り等)とします。

感染症で多くの人々がステイホームする状況もあり、ツイッターはじめSNSは選挙の主戦場の一つとの位置づけが確立されました。

山中さんはSNSでのコミュニケーションも重視し、混戦から抜け出す工夫を重ねました。

他地域の選挙でも大いに参考になる、下記(1)(2)(3)の工夫を私は感じました。

(1) フォロワー増キャンペーン

ことに、下記の通知機能を山中さんの応援者の多くの方々が取り入れてくださったようで、選挙戦終盤の拡散力が指数関数的に上がっていきました。

フォロワー増の呼びかけにどんな意味があるのか?」とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。

横浜市長選挙2021では大濱崎さんの解説にありますように、フォロワー数の推移も注目されました。

忸怩たる思いですが、2021年7月の兵庫県知事選挙の敗戦が個人的には教訓になっていました。

兵庫県知事選挙2021の敗戦で学んだのは、いくら候補者の資質が、他の候補者より段違いに優れていても、フォロワー増の呼びかけに消極的だと、「フォロワーが少ない」と主権者は戸惑い、選択肢から外してしまうのです。

今回、もしも小此木氏が貪欲にフォロワー数を伸ばしたり、山中さんをフォロワー数で逆転したら、広範の主権者の印象も変わっていたと思います。

フォロワー増を候補者が熱心に呼びかけると、地元外からも応援を得やすくなります。

これは意外にハードルが高くて、地元外の人々は通常「地元の人々で選挙すべき」と、援軍にかなり消極的です。

ですが、フォロワー増の日々の呼びかけで、地元のみならず、全国区の応援を得られる効用があります。

フォロワー増の呼びかけの名手は、苛烈な広島再選挙を奇跡的に勝ち上がった宮口はるこ参院議員です。

山中竹春さんもフォロワー増の呼びかけに積極的で、1,000増毎に御礼の画像を投稿し、ご祝儀でまた増えるという好循環へ。

心開いた姿勢で、地域外の私たちもかなり援軍しやすい選挙になりました。

地元の方々が候補者にリプライ等するのは、地域の目もあって、ためらわれる事があります。

まして荒らし投稿への県警通報のような汚れ役は、簡単ではありません。

地域外からの援軍の私たちは、主人公である地元の方々が追いつかない事をサポートできるので、フォロワー増の呼びかけは得しかありません

(2) 質問箱の設置

質問箱を効果的に活用し、政策通をアピールしたり、県民との距離を縮めて大逆転勝利につなげたのは埼玉県知事選挙2019の大野元裕さん(現知事)です。

山中さんも質問箱を活用され、双方向のコミュニケーションに努められました。

(3) 動画、画像、音声の力の活用

選挙戦以外に、「山中竹春の部屋」というサブアカウントから、ご自身の趣味など、柔らかい内容の動画も配信され、好評でした。

「上野のパンダのように、横浜といえばオカピだ」と「たけっぴ」というゆるキャラも登場し、アニメ動画になりました。

マンガつながりですが、山中さんを応援しようと、政策を紹介するマンガも描かれ、投稿されました(犬丸さん作)。とてもピュアな絵柄であり、誹謗中傷で荒れる中、人々に安心感を提供し、大きく訴求したと思います。

動画の力を共産党さんも最大限活かされ、必死に山中支持を続けてくださったことも重要です。

候補者乱立となり、共産党さんの動向に注目が集まりました。ですが、機を外さずに山中支持を動画にて打ち出されました。「自主的に支援」という奥ゆかしさながら、壮絶なお覚悟が伝わってきました。

あくまで「自主的な支援」ですから、他候補支持に流れる横浜市内の共産党支持者の方々が相次いでも当然でした。ですが、選挙戦の最終盤の8/20に共産党横浜市議団のアカウントから、あらき由美子議員(南区)白井まさ子議員(港北区)古谷やすひこ議員(鶴見区)大貫憲夫議員(青葉区)岩崎ひろし議員(戸塚区)かわじ民夫議員(旭区)みわ智恵美議員(港南区)北谷まり議員(保土ヶ谷区)宇佐美さやか議員(神奈川区)、そして田村智子副委員長からの山中支持の呼びかけの動画が連投されたのです。共産党さんの必死さに私は心底、心が打たれました。

その結果を示す投票日のNHK出口調査です。感染症で集会や対面の呼びかけが困難でも、動画で心合わせを必死になさった共産党さんのご姿勢に、市内支持者の方々も応えてくださったと感じました。野党共闘への強いお気持ちに、感謝しかありません。

横浜市長選挙2021は空中戦のデパートとも言えて、上記以外に音声の力も駆使されました。今まで開発されたウェブ技術が次々に選挙に投入されたのです。

枝野代表らが現地入りが感染症のためできなくとも、ツイッターのスペースで演説会が開催され、800人以上の人々が参加しました。

横浜市民の方々が山中さんについて盛り上がるお話会も自主的に開催されました。

スペースはフォロワー600人以上で開催でき、よってフォロワー増キャンペーンが効いてくるのです(1,000人以上との情報もあり)。

今後、候補者や各地都道府県連、党本部がスペースを開催する場合は、以下(i)〜(vi)がポイントになりましょう。 (i)ハッシュタグを大作戦同様に事前に決める、(ii)参加できなかった方々のために音声データを残し開催後に配信する、(iii)事前に機器確認し本番トラブルを撲滅する、(iv)登壇者を多数にする場合、候補者以外は一人当たりの発言時間を圧縮してマイク回しする、(v)登壇者を絞れば対談のストーリー性が高まる、(vi)発言で「◯◯です」と必ず名乗る。

「先行報道があっても逆転される」と最後までゆるまない選挙にもなりました。空中戦での参加であっても、心合わせの一助になればと、下記の落選3事例を何度となく私からは共有しました。

あくまで一般論ですが、空中戦をもし支配できて制空権を取れると、地上戦展開がしやすくなります。

すなわち、「ネットで見た」「記事で知っている」と地域の口コミにしていただきやすくなるのです。その後にもし候補者等に街宣で会えたり、友人知人からおすすめがあれば、賛同しやすくなります。

容易ではないながらも、砂漠の水まきを脱却できる確度が上がり、一滴一滴が連帯して大河を生み出しやすくなります。地滑り的勝利(landslide victory)と選挙では言われます。

横浜市長選挙の場合、上記で紹介したカジノ反対の市民運動という分厚い背景があり、感染症リスクに関わらず、空前に士気の高い、力強い地上戦が連日展開されました。

7. 勝因(5) 時代の移行期に適合

横浜市長選挙は、前閣僚や、知事経験者など、従来の日本政治で権威ある人たちが失墜し、政治のアウトサイダーである山中さんが押し上げられる展開になりました。

足利幕府が終わり、安土桃山時代で近世の才能たちが新たに登場したように、今回は時代の変わり目を実感します。

以前に枝野代表が指摘した通り、今後は政治のアウトサイダーたちがメインに躍り出ます。

立憲の社会的役割は、政治のアウトサイダーだった、無名でも有為の人材が才能開花できるプロデュースと考えられます。

日本の民主主義を進化させるプラットフォームを私たち立憲パートナーズ等と創ります。

8. Jアノンの根絶の必要性 

妄想等から悪質な誹謗中傷をされても「大人の対応」で、じっと耐え忍んで 山中竹春陣営は圧勝しました。

SNSはリアルへの影響小とされますが、街宣現場での嫌がらせ等が発生し、トラウマを覚える方々が現れています。

「大人の対応」は警察通報も含まれるべきで、Jアノンは徹底して封じ込めをすべきです。

沖縄県知事選2018も告示前から荒れたものの、玉城デニー陣営は電光石火で刑事告訴し、危機管理力を示しました。

もし見送っていたら、もっとデマで荒れて全面的に陰惨な選挙になっていました。

それでもデマが横行し、沖縄県警への通報を連発せざるを得ませんでした。

横浜市長選挙2021では、もはやJアノンの粋に入っています。

沖縄では現地の嫌がらせを聞きませんでした(ただ、県内の分断は深刻ですが)。

今回は現地でもネットでも攻撃性が高まり、トラウマの人が相次ぎます。

これは警察の面子の丸潰れでもあります。

これで衆院選をやりますかという話です。

アメリカのQアノンは、妄想からストーリーが次々に生まれ、人々を過激化させました。

結果、連邦議会襲撃事件というテロに至り、死者が出ています。

このままでは日本でも死者が出ます。

今回の妄想を「大人の対応」で静観を続けるのでなく、「大人の対応」で警察力も用いて根絶せねばなりません。

今回悪質なのは、自分たちに不利な指摘をするツイートに引用RTで乗っかり、「脅迫された。こいつを攻撃しろ」と犬笛を吹く手法が多用されています。

リンチする相手を群衆で探して回っている。

日本政治に過去30年関わり続け、妖怪になっているので私はダメージ0ですが、若い方々はトラウマではと懸念します。

「まだ死者が出ていないから、やりすごそう」という従来型の意識を徹底して改めねばなりません。

精神的にダメージをうけて、トラウマに陥る方々が一人でも出してはいけないのです。

肉体は生きていても、精神的に死んでしまっては何もなりません。

ぜひ、各都道府県の警察のみならず、全国を束ねる警察庁マターとして、選挙や政治におけるデマや煽動を粛々と取り締まっていただくことを、この場をお借りして、ご提案を申し上げます。

そうしなければ、日本の民主主義は壊れてしまいます。

9. まとめ

カジノそして感染症で空前の混乱に陥る横浜市政の舵取りを委ねられたのは、前閣僚でも知事経験者でもなく、まして現市長でもなく、政治のアウトサイダーである山中竹春さんでした。

困窮する広範の主権者の変革願望にジャストミートで応える唯一の候補者だったからです。

しかし、当初は再選挙が真剣に議論されるほど横浜市長選挙はカオスとなり、しかも落選運動やネガティブキャンペーンで陰惨な言論空間になりました。

ですが、勝因(1):カウンターデモクラシーが作動し、勝因(2):わかりやすい構図で主権者をモヤっとさせず、勝因(3):主権者を代弁でき、勝因(4):空中戦と地上戦の相乗効果を目指し、勝因(5):時代の移行期に適合しました。

しかし、今回でJアノンの発生が確認されてしまい、根絶が待ったなしとなっています。

横浜市長選挙2021は大変複雑な選挙であり、「菅政権への審判だ」「カジノよりコロナだ」等と政局に絡めた報道がされやすく、一面では事実かもしれません。

ですが、分厚い背景となるカジノ反対の住民運動という住民自治の力学を見落としては、横浜市長選挙2021の真相を見定めることはできません。背景を含めた本質を、現地市民の方々のお声等から、上記にまとめました。

まとめる作業はとても難易度が高く、長文になりましたが、上記が今後に向けての一助になりましたら、この上ありません。

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

そして、次は衆院選ですが、ご一緒にがんばりましょう!!!

最後までご覧くださり、ありがとうございます。もし「応援したい」とお感じの方は、恐縮ですが、サポートをお願いします。m(_ _)m