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ストームキャット×(ディープインパクト、タイキシャトル)のダブルニックス


先週3/7(土)のチューリップ賞を制したのはキズナ産駒のマルターズディオサ。

5戦3勝とし、総収得賞金も9700万円となり、早くも大台の1億円の突破も黙然である。

キズナは、土曜日曜の2日間で産駒が「7勝」し、ここまで初年度産駒のみでJRA55勝を挙げている。

以前、キズナの種牡馬としての素晴らしさについては本note内の記事で取り上げたことがあるが、勢いは止まるどころか増している印象である。
(こちら→稼働率の優秀さもキズナの種牡馬としての魅力!

本年、交配料が600万円(昨年350万円)と高騰したが、それに見合う産駒の活躍ぶりである。

本馬の資質の高さを物語っているのは、自身の遺伝力の高さを初年度から遺憾なく発揮しているという点である。

重賞勝ち馬の先述のマルターズディオサ、クリスタルブラック(京成杯)、ビアンフェ(函館2歳S)、キメラヴェリテ(北海道2歳優駿)と収得賞金上位4頭はすべて非社台グループの生産馬なのである。

社台グループと言えば、競馬ファンが誰もが知っているトップブリーダー(生産者)であり、血統的にも素晴らしい繁殖牝馬を所有している。

生産には、種牡馬の能力はもちろん“繁殖牝馬の質”も大きく関わるので、大きな経済力をもとに世界の良血馬を導入し、

日本の優秀な種牡馬との間に多くの優良なサラブレッドを誕生させている。

ただし、これまでのサラブレッドの歴史を遡ると、自身の優れた能力を産駒に継承し、牝馬の質を物ともせずに優秀な産駒を送り出す種牡馬がいることも忘れてはならない。

近年では、ステイゴールド、サウスヴィグラスが良い例である。

もちろん活躍馬を輩出すると、繁殖牝馬の質も上がるのだが、それでも質を問わずに優秀な産駒を送り出す傾向がある。

まだ初年度産駒しか走っていないが、キズナにはその可能性を強く感じる。

また、産駒のクリスタルブラックにおいてはキズナ自身の能力だけでなく、血統背景の相性もあるのではないかと思っている。

京成杯を豪快な差し切りで勝利した時、私はある可能性を強く感じた。

本馬の血統構成が非常に興味深いからである。

キズナの父ディープインパクトはストームキャットを父にもつ牝馬と非常に相性が良く、ニックス配合とも呼ばれている。

この配合からは、キズナを含めてエイシンヒカリ、リアルスティール、サトノアラジン、アユサン、ラヴズオンリーユー、ラキシスなど多くのGI勝ち馬が出ている。

ディープインパクトとの相性の良さが明らかになってからは、ストームキャットの存在がそういうイメージになってしまった印象があるが、

実はこのストームキャットの血はある他の血との相性も良いことが少し前の段階で示唆されていた。

それはタイキシャトルである。

タイキシャトル×ストームキャットの組み合わせによって誕生した馬として、メイショウボーラーとレッドスパーダという2頭がいる。

ともに豊かなスピードを武器に活躍した。

現在、タイキシャトルの後継種牡馬として存在しているのはこの2頭のみである。

先述したクリスタルブラックの母父はこのタイキシャトルである。

(下がクリスタルブラックの5代血統表)

ストームキャット ダブルニックス

ニックス配合が繰り返されていることになる。

このダブルニックスの配合が有効である可能性は非常に興味深く、

今後キズナと同じ組み合わせの配合から誕生しているエイシンヒカリ、リアルスティール、サトノアラジンにとっても母系にタイキシャトルの血が内在している場合にプラスアルファになるだろう。

タイキシャトルの血をもつ繁殖牝馬は多く存在する。

母父としてワンアンドオンリーを輩出するなど注目され、生産者はその血を大切にしていることだろう。

今後、上述した組み合わせの配合から生まれてくる馬には特に注目して見ていきたい。

自分が生産者だったら、試したい配合である。


※作者 一口馬主マスターB
Twitter  → https://twitter.com/onemouthmaster2


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