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【早期層の変化】 日系志望の増加・悩みの早期化ー今すぐ企業ができる2つの対応とは

新型コロナウイルスの影響で、2022年卒の就活動向は大きく変わりました。そして、その影響は2023年卒の学生にも及んでいます。

この時期、さまざまな企業の人事の方から「23年卒の学生の動きを教えてほしい」とご質問をいただく機会が増えています。今回は学生面談を担当しているワンキャリアのキャリアアドバイザーから見た、2023年卒早期層の就活について解説します。

2022年卒と比べて、大学2年生の1〜3月から動き出す超早期層が見ている業界、そして就活の悩みに大きな変化が出ています。

新型コロナで日系志望者の就活も早期化、人気の筆頭は「メーカー」に

ここ数年、少なくとも2022年卒までは、年明けすぐに動く学生は「外資系企業」か「コンサルティング業界」の志望者が多いという傾向が続いていました。しかし、今年は様相が異なります。

3月までに面談に参加した2023年卒の就活生100名にヒアリングしたところ、彼らの志望業界は以下のような内訳になりました。

・約7割の就活生が日系企業の志望層
・中でも志望業界はメーカーが最多

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例年ならば、日系志望層の多くは早くてゴールデンウィーク明けから動いていたはず。そう考えると、2023年卒の学生は随分と早くから動いている印象です。彼らからは以下のような声が上がっています。

「2022年卒の就活生が苦労している姿を見て、早い段階からキャリアを考える時間を作りたいと思った」
「コロナの影響で、就職活動への漠然とした不安や焦りがあるのでスタートした」
「現段階で興味ある業界・企業の情報をいち早く手に入れて、しっかり準備したいと思った」

志望業界の割合について、現時点ではメーカー志望層の数値が高いですが、総合商社や広告、不動産なども近いうちに増えてくると見込んでいます。

就活早期化に伴う「悩みの早期化」──何をすればいいか分からない学生が急増

続いて、2023年卒超早期層の学生たちが、現在就活でどのような悩みを感じているかをお伝えします。

最も多いのは「何から始めればいいか分からない」、続いて「エントリーのハードルが高い」という要因になります。こうした悩みは、例年は6月以降に出てきやすいものでした。この様子からも、通常夏前に就活を開始する学生の行動が、2〜3カ月前倒しになっている可能性が高いと考えています。

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実際の就活生に詳しく聞くと、以下のような声があがりました。

「各社の具体的な選考フローが分からず、何をしたらいいか分からない」
「大学受験はいつどんな試験があるか分かるため何をすればいいかイメージが湧いたが、就活はスケジュールが不透明なのでイメージがわかない」

昨年まで、この時期に就活を行う層は、早期に情報公開している外資系・コンサルティング企業の志望層が多かったため、既に志望企業の選考フローの情報収集も、志望動機の言語化もある程度は進んでいるという学生が多くいました。

しかし、2023年卒は日系志望層の動きが数カ月前倒しになった結果、志望企業の情報がまだなく、何をして良いかわからず困っている学生が多い印象です。

23卒早期層の就活生に向け、企業ができることは2つある

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こうした悩める学生に対し、企業ができることは「採用予定の公開」と「募集内容の見直し」の2点です。

1. 採用予定の公開
特に日系志望層の学生は、情報収集をしたくても、志望企業の新卒採用に関する情報がほぼ見当たらないという状態に陥っています。

各社が「いつどのように情報を公開するのか」「そもそも、今年は採用活動を実施するのか」すら就活生は把握する術がありません。採用を実施する意思表示、ただそれだけのことが、学生にとっては非常に重要な情報になるのです。選考フローの情報があるとなお良いですが、公開が難しい場合は昨年のフローを可能な範囲で載せるといった手段も取れるでしょう。

2. 募集内容の見直し
例年この時期は特定業界(外資系企業・コンサルティング業界)を目指して就活をする学生が多かったため、広報においても彼ら向けにメッセージを伝えることが重要でした。

ところが2023年卒の場合、現在就職活動をしている学生の嗜好性はさまざまです。通常この時期では接点を持てなかった日系志望層の情報収集が活発化しているため、彼らにも興味を持ってもらえるようなメッセージを打ち出すことは、集客効率を上げる上で有効でしょう。

募集内容の見直しと言っても、自社のブランドイメージを変えるような必要はありません。「志望動機は問わない」「選考フローを丁寧に説明する」など、自社の業界に詳しくない学生がハードルを感じにくくなるような工夫をするだけでも意味があります。

オンラインニーズの変化を知り、適切な接点とコミュニケーションを設ける

採用活動を「オンライン」で始めるべきか「オフライン」で始めるべきか。2023年卒の採用開始に向けて悩まれている人事の方も多いと思います。

irootsの2022年卒向けの調査でも、インターンシップ、最終面接については約5割以上の学生が対面を希望しているという結果が出ていましたが、これから就活を開始する2023年卒についても結果はあまり変わらず以下のような傾向であることがわかりました。

・「オンライン」という手段に対しては前向き
・ただし選考が終盤になるに連れて「オフライン」を希望する学生が増える

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昨年1年間、大学生活をはじめとした日常生活をオンライン中心で過ごしたため、就活を始めたばかりであっても「オンライン」で企業と接点を持つことに抵抗は少ないようです。

一方「最後まで対面で合わずに意思決定できる」と言い切れる学生はまだ少なく、選考が終盤になるに連れてオフラインの機会を求める傾向は2022年卒、2023年卒ともにありました。

今年の採用活動でも「オンライン」と「オフライン」の使い分けは結果を大きく左右しそうです。選考の設計時には、例えば以下のように参加する学生の選考フェーズに合わせたコミュニケーションを心がけましょう。

<コミュニケーション設計例>
【知るフェーズ】オンライン中心で接点を増やす。
決めるフェーズ】(感染対策の上)学生が希望する属性の社員との対面の場を設定する、最終面談を行う等。

以上となります。
ワンキャリアではより本質的な採用活動を目指す新卒採用担当の方向けに、新卒採用の体系的な考え方から、すぐ活用できる実践方法まで、最新の事例をもとに解説する「 #新卒採用のトリセツ 」を公開していきます。

このシリーズが企業の採用力を高め、そして実践する企業が増えることで、学生の就職活動もより健全になることを願っています。

今回は臨時の速報をお届けしましたが、通常は毎週火曜日に新卒採用のノウハウを伝える記事を公開しています。次号は以下のテーマをお届けする予定です。フォローやマガジンの追加をしていただければ幸いです。

5月11日(火)公開予定
【鉄板の構成&事例付き】学生にエントリーしてもらえる募集のかけ方
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この記事の筆者

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