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緑黄色社会がアリーナツアーを発表したが‥(苦言)

7月4日。ツイッターで緑黄色社会が21時からインスタライブをするというので見てみたら、ライブ会場からの中継で、ステージ上で長屋晴子さんが次のツアーについての告知をしていました。それを見ていて思ったことがあったので書いてみます。

現在、緑黄色社会は「pink blue tour 2023」と銘打ったホールツアーの真っ最中で、当日は三重県の四日市市文化会館からライブを行っていました。そしてこの日は、彼らの結成11周年という記念すべき日でもありました。だから嬉しいお知らせとして、次のツアーを大々的に発表したのでしょう。

しかしここで僕はファン心理について少し突っ込んで考えてしまいました。まず、今はホールツアーの最中で、まだ日程が残っています。それなのに次のツアー、しかもより大規模で、だけど東名阪という大都市でのみの開催というビッグイベントをステージ上で告知したら、その会場にいるお客さんや、残りの日程のチケットを持って楽しみにしているファンは、どういう気持ちになるだろうと思ったのです。

今、目の前のツアーに集中し、日程を完走することを目標にしてひたむきに努力している姿を見たいのではないか。次のツアーの話は、それが終わってからでも遅くはないのではないか。チケット販売の先行予約のスケジュールはあるとは思いますが‥。

もう一つ、周年というものに対するファン心理があります。何をもってして活動の周年とするのかは、個々のアーティストが決めることですが、リョクシャカの場合は「結成日」を記念日としています。しかし結成時点では彼らは何者でもなかったはずで、それは彼ら自身が一番よく知っていることです。例えばこれが「初めてライブでお披露目した日」とか、「メジャーデビューをもってして」ということなら、その時から見ていたファンの存在もあるでしょうが、リョクシャカの周年記念日は、彼らだけのものであって、ファンにとっては、自分に引き寄せた形でお祝いをしにくいところがあります。周年だから嬉しいのではなく、周年を大事にして祝うメンバーの姿を見るのが嬉しいのです。

今回のアリーナツアーの告知パフォーマンスは、この2点に関する配慮に欠けていたと思いました。ファンは優しいし、ありがたい存在なので、大多数の方々は素直に喜んだと思いますが、一部、もやもやした気持ちを抱いた人もいたのではないでしょうか。

そして残念なのは、これらのデリケートな課題に対して、リョクシャカのメンバーは気づいていないのではないかと思われることです。このような、考慮した方がよい問題点というものが事前にわかっていれば、彼らは別の演出方法を模索したのではないかと思います。あのような歌詞を書く彼らが、ファンの心理を蔑ろにするとは思えません。

重ねて、その告知の最後に、長屋さんが「次は静岡です、行ってきます!」と言ったのももやもやしました。演者にとっては一連の長いツアーの行程ではあっても、あの三重の会場に来てくれた観客にとっては一夜限りの出会いだったのです。自分から離れていくアーティストの口から、次の行き先などあまり聞きたくはなかったなぁ、という共感を抱いてしまいました。

あまり指摘する人はいないだろうと思ったので、ネガティブであるとわかっていてあえて書きました。