空間をSNS化してコミュニティをつくり、時代にあった事業モデルを生成する
僕が最近提唱している「空間をSNS化する」という概念を、あなたはどうおもうだろうか?僕は色んな所でこの話をさせて頂く機会があるのだが年齢によってイメージの共有に違いが出てくるのが非常におもしろい。
端的にいうと、若者のほうがは共有がはやい。26歳の僕との共通言語、体験の多さがSNSという言葉によるイメージの共有がしやすいのだろう。
逆に「使ってもFacebookのみ。。。」というアラサー以降の方々にはなかなかイメージの共有が進まなかった。SNSに触れる機会の違いが抽象的な言葉だけで具体的な事象を共有することができなかったりする。
しかし話をさせて頂く機会が多いのはほとんど後者の方々だ。
このままではなんとなくのイメージしか共有することができない!そう思ったのでここでもう少し言語補完をしてイメージの共有ができたらと思う。
しかし、言語という情報伝達手段は具体的故にわかりやすいような気がするが、言語でイメージを共有できるわけではない。イメージから言語へ。言語からイメージに転換することが重要である。
なのでイメージの共有で一番いいのは同じイメージを実際に見ることです。もしこのnoteを見て、この言語情報で興味を持った人は是非僕らが運営している物件を見に来ていただければと思いますのでよろしくおねがいします。
それでも見に来ることができない人もたくさんいると思いますので、できるだけ言語情報でイメージを伝えられるように頑張って書きたいと思います。
以下見出しをまとめる。
■見出し
・可処分時間の戦国時代
・SNS化とは主体性の喚起
・SNSの機能を実装する
・オープンソースを理解する
・マネタイズに対する疑問
・そして可処分精神の領域へ
・最後に
■可処分時間の戦国時代
なぜ空間をSNS化する必要があるのか?
理由は2つある。
①人の可処分時間の多くをSNSが占拠していること
②エコシステムができあがる
こと
①人の可処分時間の多くをSNSが占拠していること
可処分とは?つまり自分の意志で自由に使えるものになります。可処分所得であれば自由に使えるお金です。
いま多くの人間が可処分時間をSNSに獲られています。
Facebook、Instagram、YouTube、ticktokなど
なぜそれほどまでに人々はSNSに時間を使ってしまうのでしょうか?これは後術させていただきたいのですが、SNSに可処分時間を取られている以上、人が空間に時間を割くこともありません。(もちろん、空間以外にも同じことが言えます。)
コンテンツとしてSNSが圧倒的に強者な状態にあるのです。(SNS映えするような写真取るために空間に来るのは所詮、SNSのための空間に過ぎません。空間が目的にはならないのでファンにならないのです。)
そうなったときに同じコンテンツとしてなぜSNSが可処分時間戦争に勝つことができたのか?それについて理解を深めないといけません。
②エコシステムができあがること
空間を自律的に運営していくためにはエコシステム、つまり生態系のようにその場所で生産から消費のサイクルが生まれないといけません。
しかし、神でもない限り人がエコシステムを作り上げるにはとても時間がかかります。時間をかけてエコシステムを作り上げるためには多くの人の主体的な活動が必要なのです。
そして人の主体性、能動的行動を促すにはSNSに用いられているUI/UX設計(ユーザーインターフェイス、ユーザーエクスぺリエンス)やゲーミフィケーション(物事のゲーム化)などが必要であるということがわかりました。
■SNS化とは主体性の喚起
SNSは人々に主体性というものをもたらしました。
SNSの本質はメディアにメッセンジャー機能をもたせたことにあります。
つまり、今までメディア機能だけであればブログなど様々なものがあったのですが、もっとインタラクティブ(交流的)な機能をSNSは加えたことによって情報を発信する土壌が広がりました。
最初はなんで140文字で自分の思考を公開しないといけないのか?
なんで画像で今日自分が食べたものを公開しないといけないのか?
理解されないことが多かったですが、若者を中心に(若者はロジックではなく空気感で動く)すばらしいUI/UXの助けもあって社会に浸透していきました。
そして人々は誰から指示をされたわけでもないのに、自分の思考や実績、食べたものや旅行先をメディア発信するようになりました。
これは非常に主体的なアクションです。つまりSNSは人々に主体性の楽しさ、想像力のすばらしさ(また危険性)を伝えたと言えます。
今度はこれを空間で行わなければなりません。アナログな空間にSNSのOSをインストールしてデジタルでは感化できない人の、またデジタルに時間を奪われてしまった人を取り戻すために空間のSNS化を行い、オープンソース開発のメソッドを導入するのです。
■SNSの機能を実装する
では実際にSNSにはどんな機能があってどんな機能を空間にインストールすることができるんでしょうか?
以下ではSNSの実機能を紹介していきたいと思います。
・アルバム
・日記
・イベント
・スケジュール
・ウォール
・グループ
・コメント
・プロフィール制作
といった機能があります。一つ一つの機能はFacebookを使っていればわかりそうなものですがこれらをいかに空間に応用するかが鍵になります。
また、ここでSNSとはなにか?についても話したいと思います。
いろんな定義ありますが、SNSとは「人と人のつながりを支援するサービス」や「交友関係を構築するWEBサービス」と呼ばれることがあります。
また、ソーシャルメディアとSNSの違いは、情報の記録、伝達、保管の機能を持ったメディアをオープンにしたものをソーシャルメディア、そこにコミュニケーションが取れるようにしたものがSNSとなるそうです。
つまり空間をSNS化するということはこうした定義を念頭に置きながら機能を実装し、人と人がつながる、コミュニティを作っていくということなのです。
■オープンソースを理解する
空間をSNS化するのと同じくらい大事なのがオープンソース化です。
オープンソースで大事なのは各人が主体的に、自由に編集ができることです。つまり、自立発展です。(まるでウィキペディアのような)
これを空間でやると収集がつかない(アナログなものはデジタルと違ってコピペも取り消しもできない)と思いがちですが、重要なのはオープンソースにして関係者を増やし可処分時間を獲りに行くことなのでその目的を忘れずにできるだけ空間の権限を(恐れずに)開放していきます。
そうして人の可処分時間をSNSから空間に移動させ、リアルコミュニティを作っていきます。SNS化とオープンソース化をうまく実装することができれば人が集まり、空間は社会の中で機能することができます。(人がいなければ機能しない物が多いので)
もちろん、コミュニティができるまでは時間がかかりますし、人が多くなればディレクション(方向性操作)も難しくなってはきますがこのあたりはコミュニティマネージメントの腕の見せ所というところでしょう。(人の主体性を削ぐことなく、一つのビジョンに向けて団結していく管理能力)
■マネタイズに対する疑問
さて前回あったトークセッションでも「マネタイズはどうするの?」みたいな質問があったのでそのあたりは僕らに実体験とともに仮説ベースで行っていきたいと思います。
まず今の世の中、集客ができなくて困っている。お金払ってでも解決したいと思っている人たちがたくさん存在するということを前提共有しておきます。つまりこれは「コミュニティは金になるのか?」についての答えになるかもしれません。
まずぼくらがどうやってマネタイズをしてきたか実例を用いながら説明していきます。またSNSのマネタイズモデルについても説明していきたいと思います。
《シェアハウス》
うちのシェアハウスは築70年だと新しい方だねと言われるような古民家ばかりです。古民家というのも難しいようなボロッボロな家です。それをみんなでDIYしながら楽しくシェアして暮らしています。
古民家シェアハウスのポイントはDIYできる自由度の高さと刹那性の高い古い家、そして個室はないという暮らし方が価値になっています。その価値が人に主体性を与え、コミュニティ形成につながっていきます。
またデザインが刺激的にもなっているのでデザインに感化され、そのインスピレーションから人のアクションを生み出します。
ではどうマネタイズしているのかというと有料会員制コミュニティモデルです。つまり、うちの家賃が4万円なので4万円払えば内の空間に関わることができるということです。(もちろん、住環境としての価値もあります。全てに言えることですがコミュニティは付加価値の意味合いが強いです。)
《レンタルスペース》
レンタルスペースはシェアハウスコミュニティにいる人で個人作業スペースが欲しい人に向けて貸出をしたりしています。フリーミアムモデルに近い形ですね。家賃4万円に更にプレミアムサービスがほしいのであれば課金してもらったら他のサービスも使えるという形です。
ここで大事なのはレンタルスペースだけで貸出をするとマネタイズが安定しないということです。僕らは他にもレンタルスペースを持っているのですがコミュニティから派生したマネタイズの仕方をしていないので安定もしないしコミュニテイに共感してもらいにくい形となっています。
なので、コミュニティを軸にマネタイズをする事業を行うのであれば付随する事業もコミュニティ中心に行うといいのかもしれません。
《飲食店》
飲食店はわかりやすく通常の飲食店モデルとしても機能していますがそこにコミュニティを加えることで他の飲食店との差別化がはかれます。
つまり、コミュニティ外の人にとってコミュニティが価値になりお金を落としやすくなります。さらに、コミュニティ外の人間のおかげでコミュニティ内の人間の満足度もあがるので三方良しのモデルとなりました。
コミュニティができるような仕組みづくりとしては無料のまかないシステムを導入しています。シェアハウスの住人にまかない飯を無料で提供することでお店とコミュニティのつながりが生まれ、シェアハウスの住人が自然とお店を手伝い、接客するようになりました。
また自分からイベント主催なども行うようになりまさにコミュニティ生成もマネタイズもうまく言ったモデルとなりました。(もちろんまだまだ発展途上ではあります。)
《音楽の日》
演者を呼ばないライブイベントを音楽の日という名前で開催しました。
通常のライブは演者を呼んで、お金を払い、その演者のファンや通りすがりの人が興味を持ってそこに参加するという形だと思いますが弊水谷が音響や楽器を一式持っていることから演者を呼ばず、楽器と音響設備のみを会場に用意し来てくれた人が演奏することができるスタイルをやってみました。
これが会場で大ウケで、特に子どもたちはなかなか触ることのできない楽器に終始ご満悦な表情でした。これはイベント自体もともとマネタイズしていなかったのですが、多くの来場者の人に満足してもらえたという状況と弊水谷のしそうに共感してくれた会社が協賛という形でお金をもらうことができました。
他にも現在進行系でいろんな空間プロデュースがすすんでいるのでたくさんの事例が生まれているのですが、こうして僕たちが空間をSNS化させています。
不完全なモデルながらこの中で共通項を見出してみると
①アートワークとして個人の美的感覚からコンテンツ制作をする
②アート性の限界がきたらそこにソーシャル性を加えてる。
③マネタイズできない前提なので、できるだけお金をかけずに人を集める
④事業のお客さん、ニーズが見えてくる
⑤ビジネス性を加えてマネタイズを考える。(主にtoB、toG)
という5つのフローで空間をSNS化してマネタイズするというモデルが見えてきました。まだ僕らも実験的な意味合いが強いですが空間をSNSのように開放し、誰でも参加できるようにしてコミュニティを作るモデルはしっかりとお金を稼ぐこともできるということを実証していきたいです。
■そして不可分精神の領域へ
今の僕たちはコンテンツとして優秀なSNSと人の可処分時間を奪うために空間のコンテンツ力をあげる、その手段としてSNS化ということをしているのですが、その先には可処分時間だけでなく可処分精神をも奪えるコンテンツに昇華しないといけないと思っています。
つまり、ただなんとなく時間をつぶすためのコンテンツではなく、人が熱狂してしまうような強力なコンテンツを作るべきだと思うのです。
これはスポーツや演劇、はたまた恋愛などが競合になってくるかもしれません。SNSはまだ「やりたくてやりたくて仕方がない!」という状況は作れていません。ただやることがないからなんとなく使ってしまうのがSNS後からなのです(それでもすごいんですが)。
そこからさらに時間だけでなく人の精神されも魅了してしまうような素晴らしいコンテンツはどうしたら作り出すことができるのか?
僕らはたくさんの空間プロデュースを通してその境地までたどり着けるように努力していきたいと思います。
■最後に
以上、不完全ながらもこれが8年間(個人としては6年間)コミュニティ運営を行ってきて感じた、「空間をSNS化して、コミュニティを作り、時代に会った事業モデルを生成する方法」になります。
文章にするとどうしても長くなってしまい、伝わりきらない部分もあると思いますのでぜひ実際にうちの村を見学しに来てもらったり、直接お話させていただければと思っておりますので興味ある方は連絡いただけると非常に嬉しいです。
ありがとうございます!引き続き頑張ります!