私が痩せて気が付いたこと
久しぶりにnoteを開きました。それとなく暮らしております。
約束がある日に予定より早く起きてしまう女なので、今回はふと思い出した「痩せて気が付いたこと」についてお話したいと思います。
「体の肉が落ちて細くなる」
確かに。
私は今から一年ほど前に、こころの不調から拒食状態になりました。一日の大半をベッドの上で過ごし、食べるものはアイス一個。外出が出来る日はファミチキを一つ買って終わりでした。後述しますが、コンビニから出るのにもかなり時間がかかります。そういう暮らしを送れば、身体は蓄えていた脂肪をエネルギーに替えて生命維持活動をしなければなりません。体重はみるみる落ちていきました。
すると私はどうなったかと言うと、よく分からない自信をつけてしまいました。
「私でも痩せられるんだ」と
産まれてこの方「細い」、「綺麗」と言った単語をかけてもらったことはございません。「かわいい」はあったけど、「かわいい」は真と誤魔化しで意味が異なります。私は後者でした。
さらに、その時期に何となく化粧の仕方を変えました。といっても、「シェーディングとかやったことないけどやってみようかな」、「ここにアイカラー入れるといいんだ」みたいな。
それで何が変わったかと言うと、自他の評価なんですね。
まず最初に男の人から優しくしてもらえるんです。目が優しいんですよ、私を見る目が。前は空気のように扱われたり、陰でコソコソ笑われたりしていたのが、「世間一般の女性がされる対応」になったんです。目を見て話したり、すれ違っても笑われなかったり。この定義は人それぞれだと思いますけどね。私はそれが嬉しかった。流行りの女の子たちが着る服も買ってみて、ブラウンがメインだったアイシャドウも赤やラベンダーにして、デパコスも買ってみました。鞄も数年ぶりに買いました。嬉しくて、楽しくて仕方なかった。
「私、今イイ感じなんだ」と。
……と、ここまでは良い話だと思うのですが、ここから私を待ち受けていたのは不安との戦いでした。
「いつ元に戻るか分からない」
それがずっと私の頭の中を占めていました。ここでラーメンを食べたら?オムライスを食べたら?定食を食べたら?
私はまたあの日々に戻るの…………?
そう考えた私に訪れたのは二度目の拒食状態でした。
拒食と言うより、正確に表現するならば「偏食状態」。
アイス一個だった時代に逆戻りではなく、極端に食べるものを減らすことをし始めたのです。朝と昼はファミチキとカフェラテ、夕は納豆とサラダ。こんな感じの生活を始めたのです。買い物する時にエネルギー情報を凝視するようになりました。頭の中の電卓を弾いてカロリー計算をします。脂質、炭水化物、タンパク質。店内を右往左往して何度も何度も見ます。だから私はコンビニやスーパーから出るのに時間がかかるのです。外食もこんな感じでした。メニューのカロリー表記を見て、サイドメニュー一つと水だけ。一緒に来た友達はパスタとデザートを食べている。
その向かいで私は、サイドメニューのチキンを食べて笑うのです。
バランスよく食べれば、急に太ましくなることはありません。偏った食生活こそが体型変化をもたらす。
そう頭でわかっていても、いざ対峙すると怖くて仕方がないのです。「この一口が、この一口が」と。
摂食障害寸前と診断されました。
ここで気づいたこと。痩せる前より食べることが楽しくなくなっているのです。
どんなに美味しいご飯を目の前にしても、大好きな友達と外食をしても、私は目の前の食べ物たちを心から愛せなくなっていました。「おいしいね」の五文字で終われなくなってしまった。
「おいしいけど、これを食べたら何キロ増えるんだろう」
「輪郭ぼやけてないかな。後でマッサージしなきゃ」
どんなに綺麗なパフェも、肉厚なグリルステーキも、大好きなお寿司も
敵に見えてしかたない。
……と、このような状態に陥りました。自己肯定感が低い分、突然承認されると、それを手放すのが怖くなる。心理状態としては考えうる話です。
痩せて気が付いたこと。
食べることが楽しめなくなった
お洒落をするのが楽しくなった。
今まで着たことのないような衣服を身に纏う自分は”悪くなかった”
どこかにいそうな普通の女の子。化粧もほんの少し工夫をすれば、もう少し”可愛く”なれる。写真を撮られるのが怖くなくなった。美容情報に興味を持つようになった。一駅分歩くようになった。ストレッチをするようになった。半身浴をするようになった。見た目が良くなればなるほど、磨くことが楽しくなりました。これも一種の学習現象で、成功を伴っているから行動が強化されていると考えられるんですよね。
食べることが楽しめなくて、おしゃれをすることは楽しめる。
それが今の私です。
これから約束のために、ラベンダーカラーのワンピースを着てお化粧をします。先日買ったアイシャドウの封も開けます。香水もつけます。
タンスの奥に眠る似たような色の衣服たちへ
ごめんなさい
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