『WHILL』は何を解決したか?
この写真、なんの写真かわかりますか?
日本のWHILLという株式会社が開発した電動車いすです。
電動専門で、初めから電気で動くことが前提なので、したがって、余計なものは付いていない。潔いつくりなのです。・・・の割にお高いですが。
西新宿の眼鏡屋さん、パリミキで撮影しました。眼鏡屋さんで なんで車いすを売っているの?と疑問を持たれるでしょう。聞いてみたら この会社の社長さんが社会貢献に熱心で、他にも目の見えない方々のために目の代わりになる商品も売っているとのことでした。
WHILLは、2012年に設立され、翌年にはアメリカにも設立されました。2014年には Model A が発表されました。良くも悪くもミニ戦車みたいな重量級のモデルです。
それからちょっと間を置き、2017年に現在の主力車種のMaodel C が発表された、苦節5年、ようやく売れるモデルができたことになります。
さすが、新時代の起業家だけあって、やることに そつがなく 常にYoutubeとかビジュアルに残しています。先ほど苦節と書きましたが、本当に結構シビアだったと思います。しかし、資金調達とか外部だけでなく、内部の開発研究者たちへの訴求も見事で、みなさん、乗せられていたようにお見受けします。
展示してあるお店に行って、試乗し、お話を伺いました。
座った印象は、一言で言って、狭い。私が日本人標準のなかでは大柄なのかもしれませんが、ちょっと寸詰まりで、上体の露出感が半端ではないです。
スピードの調節も簡単ですが、時速4キロというスピードは超速で、怖いぐらいです。時速4キロというのは、マラソンの走者と同じくらいの早さだということです。曲がったり直進したりするのはぎこちなかったですが、すぐに慣れると言われました。
座り心地、操作性、どれをとっても一応、合格といえるでしょう。
では、問題はないのか?
私が気になったのは、いったい誰に売るんだろう、ということです。
我々はパラリンピックの選手たちを見ているので、たとえば歩行に障害のある方は、足だけが問題であとは健全のような気がしています。全身不自由な方はフル装備の戦艦のような車を利用されているので、あまり車いすのイメージがありません。
ただ、現実にはたとえば脊髄を損傷してしまった場合、首から下は一切動かないというような方が結構いらっしゃいます。手が使えないので、操縦できないのです。車いすだけが電気のチカラで動いても、それだけでは解決にならないと思います。
それでもこの車種は、そこそこ売れており、世界の空港の車いすになるような報道もあります。この経済情勢のなかで、IPOを掛けるのでは?という噂も絶えません。
高齢化のように漸進的に弱体化していく人々と、決定的要因によって歩行困難な人々のクロスした領域、そんな人々には有効な方法でしょう。また、電気を豊富に使える、あえて言えば土台がしっかりしていることを活かしてIOTを展開していくことも考えられると思います。
健闘を祈ってます。
WHILL株式会社のサイト https://whill.inc/jp/
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