文系なのでシステム監査技術者(AU)をとった

◾️はじめに
メリークリスマス😀
まず、なんでこんなマイナーな試験を受けようとしたかというと、発端は僕が今年の春に応用情報技術者に受かった事から始まる。
もともと情報系の試験自体、応用まで取ったらやめるつもりだった。しかし、応用に受かると2年間の間は高度区分の午前1試験が免除になるらしいという耳寄り情報を後日入手。
貧乏性なので、応用情報技術者で終えるのが非常にもったいないと感じてしまい、本当に嫌なんだけど高度区分を受ける事にした。これが理由。やむを得ないよね。
その中でなぜシステム監査技術者を選んだか。それはTwitterのお優しいフォロワーにオススメされたから↓
データベーススペシャリストと同票だったから迷ったんだけど、恐らくはシステム監査技術者の方が受かりやすいと見込んで選択。
ネットで調べるとこの資格は「論文があるから」という理由で高度区分の中でも上位とされ、難易度もITストラテジストに次ぐとされてるっぽい。しかし真文系の僕からすればその場で考えて文章を組み立てれば何とかなる可能性が残されている論文系の方がまだ勝ち筋がある。
余談:スペシャリスト系よりも論文系の方が難しいって言われるのは、論文系の資格の方が実務上では多分役職が高めの人の仕事であり、「資格を使ってキャリアアップをしたい若手」だと現場の自身の経験には馴染まないから取っ付きにくいからだと思っている。なのでそもそもノー実務の僕らは何受けても変わらないよきっと。
◼️試験について名前の通り、システム監査技術者は「監査人」の専門家を養成する資格であって、特定の分野のスペシャリストを目指す他の試験と違うという事を留意されたい。
というのも、ことシステム監査技術者試験においては、他分野で実務を積んでいる人ほど「監査人」の視点から回答する事が難しいらしいので、かえって何も知らない純粋無垢な僕やこの文章を読んでいる君らが受けるにはもしかしたら相性がいいのかもしれない。

ただ、もちろん各分野における横断的な知識があった方がそもそもの論述のネタとして書きやすい。監査対象となる現場を総括するプロマネやITサービスマネージャの試験あたりを経由するのが、高度情報コレクター的には1番効率的な気もする。今思えば、だけど。
そもそも「監査人」の視点とはなんぞや?って話ですね。
一例を挙げると、最近僕が勉強していたほかの資格で「原価計算」という概念が出てくる。そこでは「原価差額(予定原価と実際原価の差額)」を無心に解かされる時があり、実務の場でも担当者は如何に正確かつ効率的に数字を計算するかがネックになる。簿記を勉強した人ならわかるでしょう。しかし監査人の視点的には、その差額を見た時に「そもそもなぜこの差額が生じたのか?」と疑問を抱くような視点を備える必要がある。同じ事象を見た時に、担当者の視点と監査人の視点は似て非なるものになるのだ。
こうした感覚を最後まで忘れずに論述に臨まなければならないのが、ひとつの鬼門になるらしい。

◼️勉強勉強期間:2ヶ月参考書:TACオールインワン、合格論文の書き方・事例集、よくわかるシステム監査の実務解説
この試験で勉強すべきテーマは4つ。①午前1試験(共通択一)②午前2試験(専門択一)③午後1試験(文章題)④午後2試験(論述)
①午前1は免除したので割愛。応用は割とEasyなのでいちいち個別に勉強するよりもちゃっちゃと免除を狙いましょう。
②午前2は択一試験になるが、所詮過去問の焼き回しなので、暗記ゲーの域を出ない。いくら難しい択一だろうが、同じ問題が繰り返し出てくるなら難易度は関係ない訳です。おとなしく過去問アプリを使いましょう。電車通勤中や昼休み等のスキマ時間でチクチク勉強すれば十分です。
③続く午後1試験は設問に対して数十文字の回答をする文章題となり、なかなか難しい。少なくとも応用情報技術者と違い、文中を探せば答えが見つかる国語の問題ではない。
その挙げ句、悩んで悩んで結局わからず白旗を上げて解答を見ると「え、そんなんでいいん?」みたいなことも割とある。

しかしこれも慣れなので、やはり過去問暗記で対応↓
TACのオールインワンがちょうどいい。午前2~午後2まで対応しており、午後1試験についてはここでの問題パターンを読んで暗記すればま何となく解き方の癖はわかるはず。ここもあまり時間をかけるべきでないので次へ。
④最後に最難関となる午後2試験。2時間の間に約2,000字の記述をしなければならない。まず、2時間に2,000字がどれだけのペースなのかを知るために、10分間で時間を測って原稿用紙に何文字書けるのかを確認しましょう。
書く文章はなんでもいいです。僕はその辺に落ちてたドグラ・マグラを写経しました。僕が何文字書けたかは忘れましたが、フルパワーで書けた文字量から逆算して、本試験で2,000字の答案を作成するにはどれくらいのペースで文字を書く必要があり、どれくらい考える時間を捻出できるのかを予め推測しておく。
そして次はこれ。↓
午後2の論文試験に特化した参考書になっており、模範解答となる論文が30本収録されています。いくつか読んでいると、試験で求められる論述には"型"がある事がわかる。
①仕事・システムの説明②問題点と監査手続③監査の有効性の確認
だいたいこんな流れ。システム監査という仕事に馴染みがない僕らは、まずこの参考書を読みながら、上記の方に当てはめられるような論述のネタを収集していく必要がある。
既に社会人の人であれば、自分の仕事の業務内容に置き換えることで模範解答を見ながら答案の再現をすることもできるでしょう。IT企業じゃなくても「社外秘資料の取り扱いが適切か」「残業が常態化している部門において、適切な進捗管理と仕事の割り当てが行われているか」とか、身の回りにも監査できそうなネタは色々ありますよね。
とはいえ断片的なネタを覚えていってもイマイチ体系的なシステム監査の理解には及ばない。そこで一応副読本として、システム監査の実務解説を購入。↓
熟読する必要はないでしょうが、実務の場においてシステム監査がどういったフローで行われていくのかが概説されているため、全体像を見渡すにはちょうどいい。「ふーん」っていいながら通読。  事例集をひととおり読み終わったら、午後1対策で使ったオールインワンを今度は頭から(午前2~午後2まで)すべて解きまくっていきます。解説自体はこちらの方が充実しているので、アウトプットには適しており、結局最も時間をかけるべきはここでのアウトプットでしょう。TACを信じるベし。
日頃手を動かす勉強をあまりしていないので非常に苦痛でしたが、やった勉強は大方こんな感じ。人事は尽くしたのであとは天命を待ちましょう。
◼️試験当日試験会場は立教大学。池袋駅を下りると、大学方面に若い女の子がたくさん歩いている。いつの間にこんな共学みたいな試験になったんだろうと胸を膨らませていると、彼女らは一人残らず駿台模試の会場(立教大学本館)へ消えていった。同日同会場の試験だったらしい。
そうだよね…と思いながら僕は情報処理試験の会場(立教大学2号館)に向かう。
システム監査技術者の教室に入ると、びっくりするくらいおっさん達で占められており、一瞬気圧される。システム監査技術者は高度区分の中でも特に年齢層が高い印象を受けた。
実務経験の差はでかいしやっぱ無謀だったかなと弱気になって着席。応用情報の時とは違い、今回は遅刻もしなかったし筆記用具も時計もちゃんと持ってきていたのがせめてもの救いだった。
その後危なげなく午前2、午後1は難なくクリア。難問奇問は特に見当たらず、恐らくは通ってるだろうとそれなりの自信を持って回答を提出。
問題は午後2試験だった。事例集で見なかったテーマが出てきたため、数分フリーズ。書くネタが何も思い浮かばない。少なくとも僕の普段の仕事内容から捻出できるネタがなかった。完全に終わったなと嫌な手汗がにじむ。ともかく何も書かずに提出するのは嫌なので、脳内に急いで想像上の会社、部門、仕事を構築。ここは文系の妄想力を発揮させましょう。

今思えばシステム監査技術者の論述試験はしゅごキャラに通ずるものがあると思う。

実務経験なんかなくていい、自分が実際にシステム監査に携わっている必要はない。
なりたいじぶんを答案にさらけ出し、とにかく字数を稼ぐ。
「既に他の独立監査法人から監査を受けた資料がここにあるよ!君はこの資料をどう自分の監査業務に活かすんだい?」「僕がなりたいシステム監査人にであれば、ここはこのように判断をするはずだ…!」「いい選択だね!じゃあ、その監査の効果測定はどのような手段を用いればその有効性が確認できるかな?」「それはね…」
と脳内のしゅごキャラと質疑応答をしながら手探りで答案を作成していく。手を動かし続けた疲労で字も乱雑怪奇になっていく、頭も回らない、最後まで何とか書き切った瞬間、残り時間は2分を切っていた。
◼️まとめスタディプラスで記録していた各参考書の勉強時間は以下の通り。・オールインワン  39時間35分・事例集 17時間14分・実務解説 8時間8分これに午前2対策のアプリを足した感じ(多分5時間くらい)。ぶっちゃけ択一試験は常識的な判断である程度選択肢を切れるので、勉強時間自体は他の高度区分に比べてかなり節約できると思う。
◼️合否


後日、とりあえず合格番号の掲載は確認。点数の照会はあとでします。受験票がどっかいったので照会に必要なパスワードがちょっとわからないんですが、出てきたら掲載します。
人間の欲は限りなく、とりあえず論文系の高度区分は全部取ろうかなあなど検討中…。では。

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