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ネタバレ感想/ カヨと私 著:内澤旬子

2022年7月16日発行。

この本を手に取ったのは外装題名に惹かれたから。
続けて目に入る表紙。草原にいる白いヤギ。童話のような物語なのかな?
カヨという白いヤギと共に住むことになった主人公の女性。
この主人公の情報がほとんど序盤には出てこない。読み進めていくとぽつりぽつりと小出しに出てくる。小豆島に住んでいること(後で見返している今、これは背表紙にしっかり書いてあることに気づきました)、一人暮らしであること、在宅ワークであること…40代であること(p.181)。もう、知ってると思いますけど、という感じで。

そしてカヨがよぶ「ジュンコ」。後半の方で、ああ、この主人公はジュンコさんというのか。ジュンコ、ジュン…旬子さん?!この本、エッセイだったのか!!

と、巻末の方でやっと気づきました。そして、文もイラストもご本人が書いていると気づくのです。遅い。

内容はヤギの近親交配について(p.132)、去勢を主人公自らする話(p.137,205)子ヤギの死(p.195)など、ありのままを書いている。でも、文体が読み聞かせのようなしっとり優しい文体なので、うっかり小学生の前で読み聞かせてしまいそう。するなよ。

自作の歌「たまたまのたま」(p.166)など、急に、笑ってしまう悲哀の歌も出てきてまったく飽きない。
場面巻末のイラストにもなっているノゲシ(p.158)が印象的でした。
すごく挿絵が豊富で優しいタッチです。今も、ジュンコさんはヤギとニワトリと、たくさんの動物たちと暮らしているのかな。


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