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0から始める 東大情報理工 創造情報学専攻 修士 対策[夏院試](その1)

本記事は、東大情報理工 創造情報学専攻 院試験 対策に関しての記事となります。記事全体が長くなるので、内容に応じ数パートに分けて記事を作成しています。

本記事はそのうちの$${1}$$番目の記事であり、以下の事柄について記述しています。

  • はじめに

  • 試験科目の説明

それでは、記事本体の内容に入ります。



0. はじめに

この度、2023年度 東大情報理工 創造情報学専攻 修士に合格しました。
本試験に臨むにあたって、筆者は非情報系(=理学部)に所属していました。そのため、学部時代の専攻は異なるものでした。

さて、当然といえば当然なのですが、専攻を変えるということは、それなりに大変なことです。なぜなら、両者の間に関連性がない限りは、それまで学部の授業等で培ってきた専門知識ベースそのものを新たにアップデートしなくてはならないからです。

筆者においてもそれは例外ではなく、院試の対策をする中で、学部での授業等を通して勉強していなかった多くの専門分野の勉強を0から行う必要があったため、予想以上に院試対策に苦労しました。

また、それ以外にも、勉強以外にもどのような教科書や参考書を利用して対策すれば良いかというリサーチや勉強スケジュールのマネジメントも大変でした。

いざ試験を終えて自身の行った勉強内容を振り返ってみると、

「コレはやらなくてよかった…」
「アレにはもう少し時間をかけておくべきだった!」

といったことがいくつも思い浮かびます。

本記事は、筆者と同じ境遇の方々へ少しでも役立てば、という思いで自身の院試経験を通して得られた対策法を記したものです。

以下に続くその内容が万人にマッチするものであるかはわかりませんが、少しでも参考になった、と感じていただけたら幸いです。


1. 3つの試験科目 [専門/一般/英語(TOEFL)]

創造情報学の選抜は、以下の2段階から構成されます。

  1. 書類選考(研究計画書)  による第一段階選抜

  2. 「筆記試験」及び「口頭試問」による第二段階選抜

前者の書類選考についてはここでは特筆しません。
こんなことを言ってしまうと、皆さんの中に、書類選考で落とされるかもしれない、と心配される方がいらっしゃるかもしれません。ですが、当専攻においてはそのような心配をする必要はないように感じます。

その根拠は、筆者の受験した2023年度においては書類選考で不合格になった受験者がいなかったことにあります。当専攻においては、修士の段階では書類の内容はあまり評価の対象としない方針なのかもしれません。

さて、本題である後者の「筆記試験」及び「口頭試問」の内容に移りましょう。

まず初めに、「筆記試験」についてですが、これは3つの以下の試験科目から構成されます。

  • 専門科目 (他専攻5つ + 創造情報専攻 の6つから任意に1つ選択)

  • 一般科目 (数学 + プログラミング の2つから任意に1つ選択)

  • 英語        (あらかじめ取得してあるTOEFLスコアを提出する方式)

つまり、考えうる受験方法だけで$${6 \times 2 \times 1 = 12}$$通りの受け方があるわけです。では、どのような受け方が最も良いのでしょうか。

実のところ、どのような受け方が良いかは個人のバックグラウンドによると思うのですが、創造情報学専攻にあたっては「創造情報学専攻専門科目 + プログラミング」が最もスタンダードな受験方法であり、個人的にもおすすめに思います。

「創造 + プログラミング」の理由

では、この受け方がなぜスタンダードであり、おすすめなのでしょうか?

  1. 専門科目で創造が良い理由

  2. 一般科目でプログラミングが良い理由

ごとにその理由を説明しようと思います。

1つ目についての根拠には、創造情報専攻が直属の学科を持たないがゆえ、過去問・情報共有等の点において外部/内部生間での格差が発生しにくい点があります。

直属の学科が存在する他専攻の場合、学科に所属する学生間において、上下の間で受け継がれてきた院試対策に関する情報が共有されているケースが多いです。そのため、どうしても外部生と内部生の間で情報の隔たりが生じてしまいがちです。これは、外部生の立場からしてみればなかなか厳しい事態です。
対し、創造情報専攻は外部/内部の区別がそもそも存在しないため、皆同じ条件で試験に臨むことになるわけです。このようなハンディキャップがなくなるだけでも随分と負担は違ってくるのではないでしょうか。

次に、2つ目についての根拠ですが、これにはプログラミングの方が年度による難易度差が少なめ,かつ数学に比べて範囲が狭いことが挙げられます。

過去問を解いてゆくと分かるのですが、数学は大問ごとに大まかな出題分野が決まっているものの、具体的に取り扱われるテーマについては年度によってまちまちであり、難易度が安定せずかつ範囲も広範です。高得点を安定させたいとなると、かなりの勉強時間を要すると思います。

一方で、プログラミングは基本的なファイル入出力操作、アルゴリズム、文法等が理解できていれば、小学生でもわかるようなレベルの知識しか使わずに解答できる問題が7~8割を占めています。それまで一切プログラミングの知識がなくとも、1~2ヶ月ほど集中的に取り組めば6~7割取ることも難しくありません。数学に比べると圧倒的に少ない勉強時間で済ませることができます。

「創造 + プログラミング」選択、オススメです!

英語(TOEFL)はいつやるか?

最後に、残る1科目「英語(TOEFL)」についてです。例外的に、この科目だけは、
実際に試験場での試験を行わず、あらかじめ個人で受験したTOEFLのスコアを出願時に入学願書と一緒に提出するという方式を取ります。

ここで注意しておきたいのは、TOEFLスコアは必ず出願締め切り(例年6月上旬)までに取得しておく必要があるということです。つまり、どんなに遅くても5月下旬までにはTOEFLスコアを取得しておかないとそもそも出願ができず詰みます

この記事を読んでいる時点であなたが学部3年生以下であるならば、4年生になる前の春休み中にTOEFLの対策を行い、そのまま3~4月にTOEFLの受験し、その結果に応じて5月にもう一度受験するかを決める、というのがベストです。

そうではなく、あなたは既に学部4年生で次の夏に院試を控えており、未だにTOEFLのスコアを取得していない・現在のスコアより良いスコアが欲しいと考えているならば、直ちに対策に取り組むべきです。まだ全く対策していないという場合は、かなり急いで対策しないと英語で痛い目を見ることになります。筆者はまさにこのパターンであり、十分満足のいく対策をとることのできないままTOEFLを受験して得たスコアを提出する羽目になってしまいました…><

どのくらいの点数を取るかについては、その人がどの程度英語でアドバンテージを取りたいのかに依りますが、大体の人が70~90の範囲に収まると思うので、自身の得意度合いに応じて上の範囲から目標点数を決めると良いと思います。

あとTOEFLは一回あたりの受験料が本当に高い($300 程度)ので、何回も乱れ打ちするより、しっかり対策して一発で決める方がお財布的にオススメです。

今年は円安の影響もあり、場合によっては一回の受験に40000円近くかかるかもしれません。いや、高すぎ…。


次回予告

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

さて次の記事にあたる、

0から始める 東大情報理工 創造情報学専攻 修士 対策[夏院試](その2)

に関する予告になりますが、今のところ

試験科目のうち、対策がなかなか取りづらいと思われる科目の1つ、

  • 一般科目[プログラミング]

に関する対策や勉強法についての記事となる予定です。

それでは、次回の更新をお待ちください!<(_ _)>



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