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逢坂壮五推しのオタクの苦悩

 オタクたるもの、地雷が少ない方が楽しみの幅が広がるしトラブルも起きにくくストレスフリーにオタ活ができるものであろう。私も基本的にはどんな人であろうと同じ趣味を持ち語り合えるなら関わってみたいと思う方である。二次創作でもこのカップリングはちょっと、、と思いつつも見てみればめっちゃいいじゃん、、、!!!と毎回驚かされる。もちろん素晴らしい描写もありつつ、絵を描かない人間からしてみればもはやお金を払わなくていいのかと思わされるものもある。だがしかし私は地雷が一つだけあるのだ。

 酔いそ〜、酔い坂系の創作物は、本当に苦しくなる。なんだそれ、と思う方に説明しよう。私が愛してやまない作品「アイドリッシュセブン」の中の最推し逢坂壮五(以下そーちゃん)が酔った時がすごく苦手なのだ。というのもいつもは常識人で生真面目な性格である彼はお酒に酔うと信じられないくらいのワガママ御曹司と変化する。相方の四葉環くんのことをたぁくんと呼び、だいたい酔ったそーちゃん(酔いそ〜,酔い坂)の相手をするのは環くんである。しかも彼が敬愛するアイドルグループTRIGGERの十龍之介さんに膝枕をさせるほど酒癖が悪く、酔いが覚めると記憶を無くすというタチの悪い酔い方。

 基本的にはそーちゃん可愛いな〜くらいで留まるのだ。酔った格好悪いそーちゃんがダメな訳では無い。じゃあ何がダメなのか、それは"逢坂壮五はお酒の力を借りないと人に甘えたりわがままを言ったりできない"という事実が逢坂推しを悩ませるのだ。それもそう、小さな頃から立派な跡継ぎとなるための教育を受け、日頃から人の愛情をあまり受けずに育ったのだから、甘え方というものを知らない。だからこそ理性を飛ばすお酒でないと人に頼ることが出来ないし素直になることも出来ない。普段から迷惑をかけないように無難に生きてきたからこその弊害が酒癖に出てきてしまうということが、苦しくて悲しくて無性に逢坂壮五という人間を抱きしめたくなるような感情がぶわっと溢れてくる。4部時点では彼も少しずつそーちゃん自身の好きを形にするようになって、相方を頼るようになってどんどん成長していっているが、それでもまだ周りの目を気にするようなちょっと臆病なそーちゃんが垣間見える。

 どうしてこんなに酔い坂に心を揺さぶられるのだろうか、と考えた時に私自身が少し逢坂壮五という人間に似ているのかもしれないという結論に至った。周りの目を気にするあまり外面に「真面目な私」を貼り付けて誰からも「いい子」であり続けてきた私の内側は、面倒臭がりでガサツで、感情を露わにするような人のことを内心で馬鹿にするような性格の悪い私が膨れ上がっていた。外面だけの私で居続けるのは苦しくて悲しくて虚しかったのかもしれない。だから、そーちゃんが自分の好きな音楽に向き合って素直に相方と笑いあっている姿が羨ましくて眩しかった。私は、そんな自分の推しがお酒によって感情をむき出しにしている姿と自分の内側のわがままをいつの間にか重ねて共感していたのかもしれない。おこがましいことを言っているのは承知しているが、それでも「アイドリッシュセブン」という作品は色んな人の心に寄り添った等身大のアイドルたちの物語であるからこそ、たくさんの人に愛されているのだろう。リスクを取らない保守的な選択をしていれば自分が傷ついたり周りの人に迷惑をかけることもないだろう。だけど、いつの間にか自分を押し殺してしまっているかもしれない。

 私は、お酒に酔っていても、音楽を作っていても、優しくメンバーを見守っていても、ありのままの逢坂壮五という人間が大好きだ。等身大の逢坂壮五が、とっても大好きなのだ。

✿これが地雷になるのかは分からないのですがどんなそーちゃんも大好きなんだよってことが言いたいだけでございました。共感してくださる方いたらコメントしていただけると嬉しいです。

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