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昆虫食推進をネガティブに考察する

・はじめに


最近、昆虫食やそれを広めようとする部類の情報に触れることが多くなってきた。

基本的に昆虫を食べる食習慣がない日本人(一部では伝統的にイナゴや蜂などを食べる地域等もあると思います)からすれば、「何で昆虫食?」となるわけですが、その大まかな背景はSDGsにある。

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称とのこと。

これは、2015年9月の国連サミットにおいて加盟国全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際的な目標となる。

ということは2022年現在から逆算すると僅か8年後までに昆虫食を一般化させたいという事になる。

・昆虫食の建前


なぜ昆虫食が持続可能な開発目標の手段になるのかと言えば、おおまかに
1.他の食品(飼育肉等)に比較して温室効果ガスの排出が少ない
2.飼育するのに必要となる水と食料、農地が少ない
3.高たんぱく質
などが挙げられます。

これだけ見れば筋が通っているように感じますが、保守的思考?の私には違和感があります。

牛や豚などの飼育に野菜など植物の育成に比較して膨大な資源が必要なことは事実であろうし環境負荷が高いと言われればその通りですが、そうであればまずはこうした食糧を食べる量を減らす努力をすればいいのであって、いきなり昆虫食というのはあまりに飛躍していると感じるのです。

・食文化は合理性では割り切れない


食というのは食文化という言葉もあるようにその地域と住人の伝統によって構成されていますが、これを合理性でもって押し付けたり変革することは妥当と思えない。

また、昆虫食と一言でいうけれど具体的にはどのようなこととなるのか?
すでに世界のどこかに存在する昆虫食を広めるのか、新たな昆虫食の創造なのか?

すでに確立した昆虫食であれば有毒性などの問題はないかもしれないが、これまで人類が食べたこともないような昆虫の場合は害がないことの十分な確認が必要と思われる。

となると、やはり既にあるものの普及になるだろうか。

いや、そんなことをここで考察したいのではなかった。

食に関しての環境負荷を軽減するのが目的な筈であるから、食肉の低減や代替となるタンパク質は植物性のものを選べばよいだけの話だと思う。

日本人であれば大豆製品を取れば足りるのではないか。
「大豆は畑の肉」という言葉もある。

さて、ここからは妄想的な内容なのでご注意くださいというかお楽しみください。

昆虫食の習慣がない先進国の国民に、昆虫食をしてねと言えば進んで昆虫食が広まるなんてことはまずあり得ない。

市場社会では需要の供給とのバランスなくしてモノが流通することなどない。

・昆虫食を広めるには


自分が昆虫食を広めたいとする側の人間だったら、どうするか?

1.需要の創造  と
2.供給の整備  である

肉と野菜に穀物を食べて満足しているところに昆虫食の需要など永遠にない。

では、どうするか?

・昆虫食:需要の創造

平時であるならマスコミや雑誌などの媒体を通じて宣伝工作を行う。
環境保全を底流にしつつ昆虫食を取り入れることが先進的かつ良心的であるなどの風潮を醸成できれば良いだろう。
人気があり知名度がある有名人を広告塔にして浸透工作を掛けるなどである。

有事的というかドラスティクにやるなら食糧不足や食糧危機を意図的に起こす、または期せずして起きたそれに乗じて昆虫食の需要を創造するのである。

皆さんは飢餓の地獄のような苦しさを知っているだろうか?
多分知らないだろう、私も知らない。

しかし文献にあたれば過度の空腹は人を狂気においこみ食人のタブーすら犯す例を知ることができる。

こうした耐えがたい飢餓感であったり食べなければ生き延びれないとなった時に、昆虫食があればどうだろうか。

・昆虫食:供給の整備

昆虫食が金になるのであれば必ず業者(供給側)が生まれる。
昆虫食の供給には昆虫の採取や飼育とパッケージして出荷するための工場が必要になるだろう。

流通は既存の流通網があるので問題ない。

まずは、昆虫食の有意性をマスコミなどで大々的にアピールして人々の意識を変革しつつ、昆虫食供給側を創造すべく補助金を出して後押しするような形だろうか。

むむむ、上記は日本国内のイメージで考えていたが、これは正しいと言えるのだろうか。

・誰が儲けるのか?

そもそも、昆虫食は元々国連発のSDGs由来のものである。

ならば例えば米国あたりの大資本が単価の安い東南アジアやアフリカで生産して、各国に輸入(消費)させたほうが儲けの方向性としては妥当な気がする。

であれば日本は単に消費地で終わることもあり得るか。

というわけで供給元の成立(日本国内)を心配(考察)する必要はないかも知れない。

・昆虫食が定着するとき


昆虫食が社会に定着したかどうかを判断するにはどうすればいいか?

それは小学校の給食の献立に昆虫食が載るようになった時である。

子供のころに食べなれた食事(食習慣)は終生続くことから、子供が笑顔でコレ美味しいとかいいながら昆虫を食べるようになれば一丁上がりである。

・でも彼らは食べない

昆虫食のまとめとしては、完全に陰謀論的必殺キーワードであるが、まさにB層のゴイム化ではなかろうか。

一部のトップエリートが全世界の富の大部分を握る世界。

彼らは昆虫食を喧伝させることはあっても、自らが食べることはないだろう。

・おわりに

昆虫食文化は世界各地に存在するものであり、それ自体を否定するものではありません。

個人的に反意を持つのは、上からの押し付けとか作為を感じる事が原因かと。

他の人が自ら選んで食べるようになったとしてもそれは個人の自由であり他人がとやかく言える範疇でもない。

まぁ世の中進むように進んでいくのでしょう。

お読み頂きありがとうございました。

・2022/11/29 追記

徳島の県立高校の給食に昆虫食が試験的?に導入されたようです。

徳島県の高校の給食に、食用コオロギを使ったメニューが登場しました。

 コオロギは「食料問題の解決策」とも期待されていて、学校給食への活用は国内初の試みだといいます。

 徳島県小松島市にある県立小松島西高校の28日の給食、「カボチャコロッケ」には、食用コオロギのパウダーが練り込まれています。

日本初 学校給食にコオロギ導入 食料不足の救世主となるか
11/28(月) 16:12
ABCニュース

静かに始まりあっという間に広がる可能性もありますね。

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