山陽本線 尾道発広島行き

同じ県内とは言え、尾道から広島までは山陽本線に乗って1時間と20分くらいかかる。それはなかなかに長く、時間を持て余すと思いがちだけど、その道中は相当に魅力に溢れている。

まず尾道を出て隣駅の糸崎に向かう間には、海と距離数メートルのところを走る。海との間には車道が一車線ずつ走っており、奥の白い瀬戸内海を眺めつつ手前の車たちを追い抜いていく様はなかなか面白い。

そのあと電車は三原に入る。三原ではまず川幅の広い川に並行して進む。
尾道にはこういった川はなく、少し新鮮な景色に思うと同時に故郷でよく見た景色に似ていると懐かしくなる。

三原をしばらく走ると、一気に山々に囲まれる。この辺りの山は無造作に木々が生い茂っていてほとんど人の手が入っていないんだろうなと思う。
そして先程まで雄大に流れていた川はごつごつとした岩を傍に置いて勢いを増す。お日様が差す日なんかは激しく動く水面がきらきらと光ってとてもきれいで、飛び込みたくなる衝動を抑えるのが大変になる。

同じ辺りにポツポツと家が建っており、田園と赤茶色の特徴的な屋根の景色が楽しめる。多くの家がこの赤茶色のきれいな屋根をしていて、建屋も相当に立派だ。きっと何か理由があって統一されたのだろうけど、詳しくは知らないから調べてみたら楽しいだろうと思う。

そんな景色がしばらく続いて、電車はトンネルを抜けたり林を抜けたりして進んでいく。だんだんと周りを囲むものが山から倉庫なんかの建物に代わりに、最後にはマツダスタジアムが左手に見られて広島に到着する。

滅多に行かない広島だけれど、こんな景色を楽しめるんだからもっと行っても良いのかもしれない。

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