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生まれてくる5分前、聞こえた爆音はどんなにも複雑な和音なんだろうな

ここ数日、急激な寒さがアクセルをぶっ飛ばしてすり抜けていく。12月の坊主よりも早く走る寒さは、隙間の空いた古家に住み原付バイクを主な移動手段とする自分には相当堪える。なるべく暖を取るために、移動時は不格好な茶色のダウンベストを上着の内側に着込むようにしていても、それでも寒さには敵わない。このベストは巷では”マタギベスト”と呼ばれている。

11月の3連休、勤労に感謝しながらウサギバニーボーイとetosのライブを広島まで観に行った。用意周到に宿まで用意してライブ後は迷い家で明け方近くまで居座ってしまった。

北九州から広島に帰ってきた男 オオハシがウサギでギターを弾くようになってからウサギを観るのは初めてだったし、etosを観るのは尾道に来た最初の年ぶりだった。そもそも、ライブを見に行くこと自体が今年の1月に福山でGEZANを観た時ぶりでめちゃくちゃ楽しみにして行った。完全着席形式で新鮮だった。etosのギターの方に踏んだ瞬間に爆音になるファズみたいのは何ですかと聞いたら唯のOCDだと返ってきて驚いた。

ライブが終わった後、宿へチェックインするためにシソさんから自転車を借りて知らない広島の街をすごい速さで駆けた。宿は合宿所か?と思うような廃れた雰囲気で宿直のおじいさんもスキーウェアを着こんでおり場末感がハンパではなく楽しかった。

自転車を返しに行った後、別で来ていた黒田さんと森さんの車に乗って迷い家へ移動。etosのシモカドさんにOCD踏んだ瞬間バランス全部ぶっ壊れてましたと言ったら落ち込まれてしまったけど、悪い意味で伝えたのではなくて、ギターソロは全部持っていってしまう程の勢いがあった方が良いと思うので、あの音は良かったと思って伝えた筈なのに、悪く伝わってしまったようで申し訳ない気持ちになった。
シソさんにまつわるすべらない話をイッキさんから聞いてひとしきり盛り上がった後、解散となった。

迷い家から徒歩1分の宿に着くと薄暗く、4畳半の和室に敷かれた薄っぺらい布団に包まって眠った。ヤニで黄ばんだエアコンがうまく付かなかったので、寒さに凍えながら気付いたら夜が剥がれていて朝日は宿酔の目を差していた。

翌朝、車で迎えに来てくれるはずのオオハシが全く来ないので、とりあえず平和記念公園の近くで眺めた川が大きくてきれいだったことをよく覚えている。おそらく宮島まで行くであろう小船が何度か左から右へ、右から左へ移動していった。
しばらくそんな景色を眺めた後、ラーメンを食べにいく約束をしていたシソさんに連絡してから取り敢えず広島駅を目指して歩き出した。シソさんとはすぐに連絡が取れて、シソさんの家の近くの二郎系を食べる事になった。久方ぶりの二郎系で興奮した。バスの乗り込んだ時、オオハシからようやく連絡があり、ラーメン屋で落ち合うことになった。

ラーメン屋で集合し、久々の二郎系にひよって小を注文、即平らげてまだまだ食べられたな普段とは逆の後悔をした。コーヒーでも啜りに行こうかと道中見かけた喫茶店を訪ねてみたけどお休みだった。中の電球は灯っているのにね。結局シソさんの自宅にお邪魔してコーヒーを入れてもらって、ライブ映像見たりレコード聴かせてもらったりした。オーストラリアのCamp copeがとても良くてオオハシはその場で注文、アライはLPを探す事にした。LPは簡単には見つからなくてそのままになってしまっていたけど、この日から1ヶ月経った今、ディスクユニオンのオンラインで見つけたので注文した。

久しぶりに友達の家でグダグダと過ごす休日を味わって、やっぱり小学生の頃の感覚が思い出された。ひたすらピクミンやってるのを見ていたり、テレファングを借りてやっていた頃のこと。シソさんには8月に仕入れたレコード2枚をやっと渡せてよかった。BEING YOUNGのZINEも買ってもらえてうれしかった。この翌日に明治館で個人練した時、アイコさんも買ってもらえて、良い内容だったと言ってもらえて更に嬉しかった。

camp copeのLPはDischarming manの新譜と一緒に届く。今年も結構音源買ったけど例年同様今年リリースではないものもかなり多くて2020年ののベスト○○みたいなものに絞るの面倒だしやるつもりもないけど、以下がすぐにでも思い出せた。

SUMMERMANとNo edgeのスプリット
踊ってばかりの国の私は月には行かないだろう
Gensenkanとzeamiのスプリット
fishのカレッジワズコンフューズド
やまねむるのH.O.P.E
Sans VisageとLook At Momentのスプリット
overoとastheniaのスプリット
Climb the mindの蕾
SuiseiNoboAzの3020

SuiseiNoboAzの新譜、3020には希望が青い海まで続くシロツメクサのように敷き詰められてる。最終曲、それからの2:15から始まる「すべての夢には続きがあるぜ あの希望には必ずパート2があるぜ」から掲題のところでいつも泣き崩れてしまう。初めてこの曲を聴いた時には”和音”がはっきりとワーオと感嘆の悲鳴に聞こえて、そこで止まる言葉とそれから始まるギターでブワーッと背中が毛羽立つのを感じた。

Discharming manの新譜は一体どんなだろうか。

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