家族のPCR検査

ずっちが陽性になった翌日、すぐに家族全員PCR検査をすることになった。ずっちと同じ車に皆が乗るのはリスクだとして、私は自宅での唾液検査を進められたが、出来る限り早く結果が知りたくて検査会場まで車2台で別れて乗って行くことにした。

せいちゃんはパパの車の匂いが苦手で私の車しか乗れないから、パパとせいちゃんが私の車、私とずっちがパパの車に別れて片道40分のPCR検査の場所まで行くことになった。

指定されて着いた場所は市の建物の地下駐車場。ドライブスルー方式で私が最初に受けた。何度かPCRは受けたが今までで一番痛い。ちょっと仰け反った。これ、せいちゃんは受けれるだろうか。心配だけど様子がわからない。不安なまま車を進めた。次はパパとせいちゃんの番だ。なんだか後ろから声が聞こえる気がする。どうしようか、唾液検査にかえてもらおうか。悩んで一周くるりと駐車場を回ってパパの車を追いかけた。パパの運転する車はすでに検査場にはいなかった。検査場のお姉さんにせいちゃんが受けれたか聞くと『大丈夫でしたよ』と言われた。え、うそ、すごい。やるじゃないか。パパの車を追いかけた。

駐車場を2周したところでパパの車が止まっていた。他に人も車もなかったのでその場に駐車してかけよるとパパも降りてきた。『せいちゃんが吐いた』と言われた。慌てて車のなかを見ると静かに座るせいちゃんの座席は嘔吐物まみれ。検査がつらかったからかと思ったら、どうやら検査場に着く前には吐いていたらしい。吐いた上に検査も頑張ったようだ。すごいな、せいちゃん。頑張ったね。

パパと二人で急いで片付け着替えさせた。着替えを車に乗せていて良かった。吐いたことで悲しくなりママと帰りたいと言うが、そうするとパパがずっちと車に乗ることになるし、もしかしたら隔離期間も伸びてしまうかもしれない。『ごめんね』とせいちゃんに謝りパパの車に戻った。ずっちは一人で大人しく待っていてくれた。こういうとき、ずっちは空気を読んで急にお利口さんになる。申し訳ないけれど、兄ちゃんに手がかかる時はずっちの我慢が本当にありがたい。

あとは検査結果を待つだけだ。



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