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主役は俺じゃない

とある日、とある塞栓術。

治療は難しく、中長期的に考えて何をどうするべきか悩んだ。よくある、片方立てれば片方立たずの状況で悩みに悩んで選んだプランだった。結果、治療は想定以上に綺麗に決まった。

思わず込み上げる高揚感と満足感。どうだ!やってやったぞ!そう言いたくなる気持ちを自覚しながら患者さんの顔を見て、冷静な気持ちを取り戻す。治療が綺麗だとか綺麗じゃないとか、患者さんには関係ない。アウトカムとして治療効果が出るか否か、それが大切なのだと冷ややかに過去の自分が言ってくる。

手技をする診療科に足を踏み入れて気付いたことは、そのアートの側面の中毒性である。施術者がこだわりたくなると言う落とし穴。そのこだわりは何に繋がると言うのか?それを絶えず自分に問う。意外にこだわりと言うのは独善であることも多い。

誰のための治療か。それを忘れてはならない。

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