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子どもの頃の私が嫌だったことを息子に気付かされる

子どもの頃から結構最近まで、両親と外食をした時に、
頼んだものを一口ずつ交換することが当たり前だった。
特に、父。
父は食に貪欲で他の家族が頼んだものを
頼んだ本人より先に食べたりもする。

当たり前だったし、自分が頼んだもの以外も色んなものを味わえて、
「それも美味しいね」などと会話も弾み良い事だ、とさえ思っていた。

しかし、以前息子に
「お母さんの一口あげるからそっちも一口ちょうだい」と言ったら
「やだ。俺はこれを食べたいから注文したし、全部を一人で食べたい」
と言われ、私は、そりゃそうだ、と思った。
私ももしかしたらそういう気持ちを持っていたかもしれないのに、
知らないうちに“父の当たり前”に染まっていたのかもしれないなと思った。

なので私も、その後父と回転寿司に行った際に、
皿に2貫乗っている内の「1貫ちょうだい」と言われて
「え、自分でもう一皿取りなよ」と言う事ができた。
父の、人のをちょっとだけ食べたい欲は
死ぬまで続くんだろうと思っているが、
それを断る勇気を身に着ける事ができて、
きっかけをくれた息子に感謝である。

コロナ禍で、家族といえども誰かが箸をつけたものは食べないようになったこともあり、私の中の当たり前だった「一口ちょうだい」もほぼ終わりをむかえた。

ただ、
この「一口ちょうだい」を下の息子が引き継いでしまっている感がある。
彼の場合はただ欲しいのではなく、
美味しさを分かち合いたい気持ちが強いのだ。
でも父と違って私は「やだよ」と笑って言えるし、
それを聞いた息子のがっかりした顔を見ると、
別にあげてもいいなと言う気持ちになって、一口あげるし、
しっかり彼の分も一口もらうのであった。


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