わたしが本を買う理由

本を買うのが好き。
好きすぎて引越しの時、腰を痛めた。
3年住んだこの部屋には本が増えすぎていた。

紙媒体が大好きだからデジタル書籍なんてッと熱く主張してきたけれど、ズンと重たく痛む腰にちょっとだけ心が揺らいだ。
それでも本を買っちゃう理由ってなんだろ。

小さい頃、ゲームとかおもちゃとかあんまり買ってもらえなかったけど、本だけは買うのを許された。
ぴかぴかの新品の本を買ってもらうのが嬉しくて、新しい本を買ってもらった日は、枕元に置いて寝た。
途中からマンガもOKになって、りぼんの発売日が1ヶ月で1番楽しみな日になった。
500円握りしめて近所の本屋さんにお姉ちゃんと走ったっけ。

だから大人になった今でも、本屋さんで本を買う時はいつも特別な気持ちになるし、買った日は枕元に置いて寝たくなる。


もう1つの理由は、本を買えば誰かと貸し借りができるかもしれない。そんなちょっとした期待があること。
中・高生の頃、たくさんのマンガを友達と貸し借りした。
ビレッジヴァンガードの袋に入った全巻セットを、「持ってきたよ~」とドンッと机の上に置かれ、ちょっと重たいカバンが嬉しかった帰り道。
自分が貸したマンガの感想を次の日の朝、興奮気味に話してくれるあの時間も好きだった。
思えばマンガを貸し借りしながら、それ以上にキラキラしたものを渡したりもらったりしていたんだろうな。

大人になっても普通に本や漫画をオススメしたりされたりするけれど、なんかちょっと味気なく感じて、めんどうでも無駄な手間でも、本を貸し借りするあのわくわくを味わいたくて、本を買っている。

そんなちっちゃな期待とかめんどくさいこだわりが詰まったわたしだけ本棚が、今日も部屋の隅で私をあたたかく見守ってくれている。

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