真ん中
いつも、真ん中くらいの人生だった。
とはいっても、学力が〜とか、運動神経が~とか、そういう話じゃない。並び順のお話。
小さい頃から、幼稚園や学校ではいろんな順番で並ばされた。名前の順、誕生日順、身長で並ぶこともあった。
ふと大人になって思い返すと、自分がその全部で真ん中らへんだったことに気づいた。
苗字は「た」行だし、誕生日は夏。身長も女子の中で真ん中よりちょっと後ろくらいだった。
いつも、前と後ろにはちょうどいい感じに人がいて、1番になることも、最後になることもない。
だからなのか。つい人の様子を見てしまうことが多い気がする。
例えば新学期、名前の順に机が並んでて、最初のホームルームで順番に自己紹介をしましょう!とかいうよくある展開になった時、出席番号1番の人はすごく嫌だと思う。1番なんてみんな注目するし、自分が流れを作っちゃう責任重大感もある。逆に最後の人も変なプレッシャーだと思う。誰も期待してるはずはないけど、なんとなく「トリか、、、」みたいな。
そんな時、出席番号20番くらいの私はめっちゃ楽。
人の様子を見て、流れのままにしゃべったらいい。自己紹介タイムも中盤に差しかかって、皆の集中力も下がり始める頃なので、あんまり注目もされないし。
こんな風に、私は知らず知らずに楽チンをしてきた。真ん中くらいでそれらしくやり過ごしてきたので、いざという時もじもじしてしまったり、人の様子を必要以上にうかがったりしてしまう。
だからあ行の苗字の人とか、逆に渡辺さんとか、あこがれる。あこがれるし、もし自分が出席番号1番になるような苗字だったら、全然違う私になってたんじゃないか〜と考えたりもする。相田さんとか、青山さんとか。
「相田みお」
相田みつをみたい。
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