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レビューRadio現場 vol.34 『福祉を身近にしたい!』feat.平岩なつみ(8分くらいで読めます)

2022/04/16 20時、ツイッターにて配信されたもののレビューになります。

春になり、サーフボード作成に余念がない吉田さんと、先日ご生誕祭を開催した森近さん。
2022年の春は、海外ではウクライナ戦争、国内では要介護1と2が総合事業になるのか!?と喧しい世の中。オンエア自体も久しぶり!のRadio現場!
色々あってレビュー自体もご無沙汰になってしまいました!

第34回のゲストは、平岩なつみさん(以下、なっちゃん)。
福祉と社会をつなげる様々な活動をしてらっしゃるのです。
なっちゃんは、「福祉KtoY」代表。福祉KtoYは、 福祉の仕事のイメージアップや、福祉の関係人口を増やすことを目指して活動している団体。活動開始は、なっちゃんが大学3年生の時である2016年。
「福祉を身近にしたい」との思いあふれる活動をしてらっしゃる。
なっちゃんとの出会いは、吉田さんも森近さんも、お二人とも なっちゃんの若かりし頃から、とのこと。

森近さんとの出会いは、秋本可愛さんの紹介がきっかけで、池袋のサラダバーのあるレストランで食事をしたのが最初だったそうで。
サイゼではないそこで、今後の将来について語りあった森近さんとなっちゃん。

なっちゃんが代表をつとめる「福祉KtoY」は任意団体。ですが、もうすぐ非営利型一般社団法人化するとのこと。
そのミッションは、「福祉のイメージを3Kから3Yへ」。
3K=きつい・汚い・給料やすいから、3Y=やりがい・優しさ・吉田いやさ喜びへ。
2016年4月に立ち上げ、2022年現在も活動中だから丸6年。
(https://sites.google.com/view/fukushi-ktoy/を参考)


福祉の道に進んだきっかけには色々あるそうで。元々、福祉業界に行きたいと思えていないなっちゃんがいた。
高校の頃には、福祉を学ぶための国立大学に行きたいと考えていたという。

物心ついた頃から、祖父が認知症のデイサービスを使っていたと記憶しているそう。
母の介護姿も記憶している(祖父は母の実父)。

介護や福祉が身近にあったにもかかわらず、高校時代まで福祉業界を目指そうとは思えなかった。しかし、漠然とではあったものの社会の役に立ちたいとは思っていた。

現場職員は素敵な方ばかりなのに、介護に3Kイメージがあったのは、おそらく報道による負の情報が原因であるとの分析。

ご承知のとおり、介護業界に関するニュースは、ネガティブな情報ばかりがマスコミに流れている。そして、それらしか心に引っかからない。
炎上によって注目を集める人々が多々現れるのも、むべなるかな、ではある。

介護や福祉の担い手は、これからどんどん必要不可欠になっていくにもかかわらず、手に入る情報は、担い手を増やす気がないような報道ばかり。
なっちゃんは、発信の仕方をどうにかせんといかん!との思いが日々募っていたのだという。

報道の仕方にも問題があるし、受け手のマインドも変わっていかなくてはならないよう思います。

そういう意味で、なっちゃんの行っている“福祉の教育を変えていく”取り組みにはとても共感できるのです。

国立大に、福祉系の学科は、ない。公立はあるけれど。
東京大学介護福祉科/社会福祉科は、存在しない。

東大生とかが厚労省に行く→福祉を学んでないんだな、という事実に気づいて衝撃を受けた なっちゃん。
制度・サービスを作る側に、福祉を系統立てて学んでいる人材がいないという課題意識が芽生えたという。

金沢大学地域創造学類福祉マネジメントコースが国立の大学として該当する。だが、最近、社会福祉士の資格を取れなくなったらしい。
ここ最近は、社会福祉士の資格を社会に活かす学生がいないというのが廃止の理由。

有名どころでは、金沢と上智と早稲田にある福祉関連の学科。それでも一般的ではない、というか福祉関連の学び舎は、悪い言葉を使えばジリ貧だ。

向こう(官僚側)は賢い人ばかり。署名活動をされてきた吉田さんには、同じリングに立てる人材が現場レベルで出てこないと、とても太刀打ちができない! 官僚側を味方をつけないと話は通らない!という実感がある。その思いにも賛成の私。

現場をわかっている人がサービスを作る側(メーカーサイド)にいない日本
その辺の海外事情ってどうなんだろう?
海外でも、福祉のなり手は少ない。スウェーデンでは看護の方が給料いいからそちらに流れている、と吉田さん。
併せて行政との分断も、洋の東西を問わず変わらないかもしれない。
市民との風通しが良ければ、という話はあるかもしれない、と森近さん。

武田信玄ゆかり、天下の名城・高遠城の桜が美しい。高遠城址公園は日本三大桜の名所。zoomの背景画像に地元の風景動画を映している なっちゃんは、長野県伊那市出身。

なっちゃんの最初の活動は、地域の高齢者訪問事業を学生がやりますというもの。金沢市のチャレンジ事業に応募して仲間を集めたのだとか。
そして、それと並行して、自分達が福祉を学ぶイベントもしていたという。

なっちゃんは、大学1年からボランティアサークルに入会。足湯ボラを行っていた。
能登半島(車で1時間以上)まで移動して、月1回足湯をしながらの井戸端会議的なイベント。お年寄りとサシで話す傾聴ボランティア的なものであったとのこと。

なっちゃんが学生生活を送った金沢は福祉のメッカである。
吉田さんは金沢の福祉が日本一で、佛子園の雄谷さんが福祉業界で一番好きだという。

計画的につくられた“まち”、シェア金沢。金沢大学近くにある“まち”だという。恥ずかしながら、詳細を初めて知りました!
キーワードは「ごちゃまぜ」。高齢者の通所施設やサービス付き高齢者住宅、障害児の入所施設やレストランに地元の人が営む店舗、学生向け住宅に温泉やライブハウスもあるという。
そして、この“まち”を運営しているのが、社会福祉法人の佛子園さん。

※佛子園(ぶっしえん)は、蓮昌寺ご住職の雄谷良成(おおやりょうせい)さんが理事長をされている。
佛子園さんは、戦後戦争孤児をお寺の境内で養っていたことから児童養護施設を運営されたという。
そこから、広く社会的に弱い人を救いながらも、匿うだけではいけない、コロニーになってはいけないという思いで、事業を展開しているそうで。
吉田さん、一人で雄谷さんのところに会いに行ってみようと思ったら、コロナで延期中。そろそろ行きたいとの思いが募るのだそうです。
私も行ってみたい気持ちが募るのは、自分の勤めている法人の理念が同じような感じだから。

なっちゃんの取り組みでユニークなものの一つが、“人生すごろく”を作っているということ。吉田さんも一枚かんでいる。福祉×ゲームという発想。
それが、なっちゃんと吉田さんの馴れ初め。

「学生時代の全てを詰め込んだ」と思いを熱く語る なっちゃん。
吉田さんとのこんなエピソードがふるっている。

イベントの打ち合わせで上京していた なっちゃん。最終電車を逃し、森下駅から でぃぐにてぃのある高田馬場まで、吉田さんに一晩の宿を頼んだと。
そして、翌朝、よく知らない女の子が会社で寝ていて、でぃぐにてぃのスタッフさんがびっくりしたという。

また、なっちゃんは学生時代に、金沢でヒューマンライブラリーという就活生と法人をつなげるイベントを立ち上げた。「人が歴史を語る」というのがテーマのイベント。
会場である金沢駅の東口は、吹き抜けみたいなところで、凍えながらイベントをしていたという。最高気温ヒト桁。
集まったメンバーは30名くらい。
三休の世古口さんとかカイテク代表の武藤高史さんとか「未来をつくる介護カフェ」の高瀬比佐子さんとか、錚々たるメンバーを寒空に晒すという、関係者全員切り干し大根みたいな状態。15分その場に居たら命に関わりそうなくらい伝説級の1日目だったそうです。
その2日目が佛子園の「ごちゃ混ぜカフェ」で、前出の「未来をつくる介護カフェ」を金沢初開催したのだそうです。こちらは大盛況の大成功だったとのことです。

ヒューマンライブラリーは、知名度のあるゲストを30名ほど学生が集めたという凄さ。学生生活の全てを賭けたくらいの魂の入れよう。
あのイベントを動画にして卒論にしたいくらいの勢いだったとの吉田さんの評と、それに同意する なっちゃん。

KtoYのイベントはその後も続く。なっちゃんは社会人となり、半年後にAMAZING FUKUSHI FESTA IIIのために活動再開。
ごちゃ混ぜカフェをもう一度。
寒空&吹きっさらしへのリベンジ魂。しくじっても折れない なっちゃん。
継続することの大切さをサークル活動で教わった。絵に描いた餅にしない。

なっちゃんにとっての継続するモチベーションは、人生すごろくのクラウドファンディングでも活かされており、初めてのクラファンで、109人(吉田さん含む)の支援をもらえた。
さらに商品化のクラファンも続いており、2022年4月にスタートするとのこと。
長距離走の魂だよなぁ。

「ご縁で生かされている人間でございます」、となっちゃんは森近さんとの繋がりをさらに語る。
板橋のデイサービス・キーステーション(森近さんの事業所)でバイトをしていた なっちゃん。
なんと、介護リーダーズスペースが絡んでいたのだとか!

なっちゃんによる、森近さん評;絵に描いたような優秀な方。現場で活躍し、聡明で、綺麗。森近さん「今日が命日でいい!」

これからのなっちゃんがやっていきたいこととは?
地域包括支援センターで働けるとのこと。
さらに、伊那まちBASEという 福祉と観光と飲食の拠点として。シェアキッチンやコワーキングスペース、イベントスペース、観光案内所、子ども食堂など多目的に使える場を作った。
伊那の町づくりにかかわっていく+実家をごちゃ混ぜのケアハウス(ごちゃ混ぜカフェの常設版)にしたいとの思いがある。

なっちゃんには、これからも転けて、悩んで進んでいって欲しい吉田さん。
福祉はまだ始まったばっかり。言ったらほんの20年余。いくらでも試行錯誤ができる。
「講演とか5万で引き受けますので」という吉田さんからの逆オファーを受けつつ、これからの福祉と福祉教育を変えていきたい なっちゃん。
エリートに対抗しうる介護(福祉)エリートが必要なのであります。

そして、クラウドファンディングのオファーを受ける私。ふた肌くらい脱ごうじゃないの!

最後に、どうしても なっちゃんがお伝えしたいエピソードを。AMAZING FUKUSHI FESTA II(ヒューマンライブラリーなどを開催したフェスと推測)で、吹きっさらしの中で出会った方同士が、そこでのご縁で結婚していたと!縁結びまさにアメージング!
失敗だと思ったことは実は失敗じゃなかったってことはままある訳で。禍福はあざなえる縄の如し且つ人間万事塞翁が馬。

「繋がりで救われるのが介護である」と吉田さん。
繋がったら勝ちなのよ。
これからも無茶してください!とエールを送る吉田さん。
なっちゃんを、福祉の思想を体現している人と評する吉田さん。もっと世の中に評価されてもいい人なのだと思っています。

つくづく私も繋がっていてよかったと思うのと、それを許してくれるみなさんに感謝!そして乾杯!

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