東京砂漠と言うけれど
いろいろ思うところがあったりなかったりして東京都に住むことになった。
7月1日
亀を車に乗せて上京。
片道6時間越えのちょっと正気ではいられないようなドライブに意気揚々とついてきたやはり少し正気ではない友人とともに日付が変わると共に出発し、延々と高速を走り続け、時々亀に水をかけてやり、首都高の渋滞に巻き込まれ、着いた頃には街も人も動き出していた。
いきなりオートロックの開け方が分からなかったり、町内会のドンに路駐を諌められたり、部屋に入るとあるはずのないロフトがついていたりと、早くも暗雲が立ち込めるなか、友達はベランダの整備(亀が暮らすにはベランダを整える必要がある)まで手伝ってくれた。神なのか。
その後引越し業者の方が来てくれたのだけど、2人いるはずのおにいさんが1人しかいない。
「もう1人がまだ来てないんです。」っておい、飛ばれたのか、引越し当日に。
エレベーター無しの物件におにいさんと2人、滝のような汗をかきながら荷物を搬入。
物件の前は道路が狭く、車両から玄関までがまあまあ遠い。己の蓄えた書籍たちが容赦なく炎天下真夏日の灼熱とともにわたしに襲いかかる。
心配して来てくれた友人②も加わり作業は効率的に進んでいたが、中盤からわたしの意識は半ば混濁し、目眩、手指の振戦に見舞われていた。
ぼんやりした頭で学生時代の夏の合宿を思い出した。そうだ、あの時も、こんなふうに汗で目の前が見えにくくなって、手足を無心で動かすことしかできなかったっけ………
………………………
気がつくと上野で目の前に日本酒が注がれていた。
(荷物を運び終えたあとポカリの粉を貪っていたようです。)
当たり前なのかもしれないけれど、トウキョウには東北や北陸のお酒がたくさん置いてあるようだ。
終盤は意識を失っていました。
そういえば引越し業者のもう1人のおにいさん、結局最後まで来なかったな……………
7月2日
引っ越し直後のスラムのような部屋に泊まっていったやはり正気ではない友人とともに街へ。
トウキョウは人も物も金も全てが流れ込んでくるんだな、と、二人で共有。
転売で高額設定されている商品たちが店頭に新品でゴロゴロ並んでいるんだ。どうなってんだよ。
友人はスカイツリーのお土産だけを買って新幹線で帰郷していった。渋谷とか行くんじゃなくてよかったん?神かよ。
7月3日
食い扶持を稼ぐため新宿へ。
思えば土日にトウキョウに来たのは初めてかもしれない。
盆か?ってくらい人で溢れている。
見たことないくらいの量の若者がいる。
みんなお金持ちに見える。
7月4日
役所回り。トウキョウでは玉ねぎが1個200円する。
業務スーパーが思ってたのと違う。ショウガを買い忘れる。郵便ポストが見つからない。住んでいるはずなのにまだまだヨソモノだと思う。町内会のドンに駐輪所のことで諌められる。まじで次はないと思う。
いろいろ思うところがあったりなかったりしてトウキョウに来た。
せっかくなので記録を残すことにした。
予想の範疇を超えてくるこの土地で生きていけるんだろうか。
おやすみなさい、トウキョウ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?