第十五回課外授業 朗読劇『シアター』 令和5年9月22日(金) 15:00~ 17:00~ 見た備忘録
和久井優さんが出るから行った。
その週は残業続きで凄まじかった。
終わらない労働。増加していく仕事。仕事をしない朽ちていくだけの人形型たんぱく質。疲れがピークに達すると、自分を取り戻そうとする本能で寝るのが遅くなる。寝る勇気がなくなっていく。その日も2時くらいに寝た。
その日は9時に起きた。
疲れの欠片が残っていて眠さはほぼない。蒸気でアイマスクをしたまま寝ていたから目のコンディションも中々よかった。
シャワーを浴び、出る30分前に洗濯機を回しだし、洗われ続けている洗濯物を置き去りにして池袋についた。
会場のBOX in BOX THEATERは池袋で、先月やった推しの話を1日中するフェスの会場側にある出口だったから迷わずに行けた。
会場の隣は高いビルでお経と線香の香りがしていた。全自動の墓なのだろうか。後々調べたらこの高いビル自体が寺だったらしい。ビルディングテンプル。都会すげ~~~!!!
BOX in BOX THEATERは5階にあって、エレベーターで登ると、ビルの中だなって感じの細い通路で、縁日の露天みたいに壁にブロマイド一覧が貼ってあって物販がやっていた。
会場に入ると舞台の近さにウオッとなった。ムーブ町屋 ムーブホールに近い。客席は斜面で、舞台の高さは30センチくらいしかない。ほぼ地べただ。そこだ。手を伸ばしたそこ。そこにマイクとか照明とかがある。
チケットを発売日当日にPCに張り付いて取ったお陰で、昼夜ともにいい席だったので緊張した。まだまだ暑いし、2キロリバウンドしたため汗がすごくてニオイが気になっていた。もう9月なんだが? 脂肪を蓄えたリッチボディには夏はキツイ。
本編 ネタバレしかない
いやー面白かった。満足感がすごかった。
三部構成なのは事前に知っていたが、全部繋がっているとは思ってなかった。とてもよかった。大河ドラマ。約100分で続編のドラマ三本みられた。
二回見ることで、本編が劇中で制作されたドキュメンタリー映画なのがわかって感動した。わかるといいやつ~~~~。
リバイバル映画中心の単館上映ミニシアター「シアターオアシス」を中心に3つの時代が展開した。
1969年のオープン3日前、1988年の営業中のある日、2023年の終わる三ヶ月前。
◯1969年オープン3日前日のシナリオは、活気に溢れてすったもんだある話だった。
マイクが舞台にいくつもあり、上に行ったり下に行ったり、朗読しつつ動き、映写室とかロビーとか、場面転換を表現していた。こういう動き回るやつ始めて見る。ほぼ舞台みたいだった。単館上映とシネマコンプレックスの定義もわかって学びになった。
三谷幸喜氏とかがやるドタバタ感があって好物だった。こういうやつ好き。大人たちの青春。自転車で壊れた部品を取りに行くシーンとか最高に青春していた。ローマの休日も三船敏郎も好きだから、両方ちょっと出てきて嬉しさがあった。
ローマの休日のシーンで時間経過を表現するやつよかった。内容知っていると嬉しいやつ。ローマの休日はラノベっぽいから好きだ。
長谷川さんが出てくるたびに背が高すぎて大っきいなーと笑顔になった。大きくて笑みがこぼれるのが始めてだった。本当に大きかった。電話ボックスくらいあった。この役者さんは他の公演では全裸で犬やっていた人かな? と考えていた。多分、降りられなくなった猫とか余裕で助けられる。
和久井さんは、創設者の早川祥子さん役だった。明朗快活で知的で美しい女性がバッチリはまっていた。みんなから好かれて、情熱の根源のような存在で、いやーよかった。
昔流行っていたらしい肩パットが入っていそうなスーツで、ヒールのつま先からキレイなVの時になっていたのが良かった。聖子ちゃんカットっぽくなっている内巻きのやつの良い。めっちゃ似合っていた。スゴイ。良い。
パワーと優しさがあった。豪快な一面もあった。ウワサを影で聴いていて、噛み付いてやろうか!! の圧がよかった。夜の部が、昼よりも増して噛み付いてやろうか!! の声量と迫力があった。夜は和久井さん的千秋楽だったからだろうか。
駆け回る姿と表情と声と仕草で、祥子さんはこういう人なんだとよくわかった。こういう人が身近にいたら私も感化されて色々と頑張れそう。和久井さんの演技と声で、どんなときも凛として芯が一本通っていた。祥子さんが社長だったらいいな~。
私は昼の部、下手の端っこの席にいて、和久井さんは章の終わりにこっち側にいて、去り際の暗転での笑顔がみられてよかった。
笑顔や演技が昼と夜で寸分違わなかった。振り向く角度とか、細かい表情とか、仕草とか、ちょっと変わっているのだろうが、ほぼ同じで凄かった。というかみなさんもそうだった。それが普通なんだろうけど。アドリブとかちょいちょい違うが、抑える所は全て感情と表情とかそのまんまだから、映画を見ている感がとてもあった。
昼の部は2列めだったにもかかわらず、相変わらず5mくらいの距離に応援している人がいると、勝手に視線が泳ぐ。なんとかしたい。別に良いだろう、見ても。見に来てんだから。本能的にダメらしい。普通に考えて人をじっと見るっておかしいだろ? というモラル感のようなもんが働くのだろうか。
夜の部は1列目の真ん中辺りで、約3~4mくらいだった。ガン見できた。直視できた。距離が近くなりすぎると逆に見られるらしい。
といっても、夜の部の帰り際、突発的に発生したおとな小学生メンバーの方のお見送りで、演者さん全く見られなかったし、スッと息をもらしてペコペコしかできなかった。
2023年の3章パートでめっちゃ面白い演技していた方だったからちょっと言いたかったけど、無理すぎた。あの感情は何なのだろう。別に言いじゃん、言っても。良かったですって。でもなんか、目も合わせられなかった。目めっちゃ綺麗だったし。ありがとうございます! スッ・・・ オーラか。
申し訳ないって思ってしまうのかもしれない。経験の問題だろうか。接近戦一生無理かも。
話が飛んだが、とにかくめっちゃ間近で、和久井さんと和久井さんの演技見れて最高だった。美しすぎて驚いたな。
こういう出来る大人をやる和久井さんもいい。良い。
良い。
◯1988年は、あるカップルの話だった。
失業して紐になっている男てつやと、その彼女やよい。
てつやはヒモ男で、1万もらってパチンコ行っている理想的なヒモ男だが、その実、やよいに申し訳ないと思い葛藤していた。
てっちゃんは本当にヒモ男でダメだが、何か嫌いになれなかった。イケメンだったのもある。なで肩で、鼻が高くて薄い唇、顎のラインがくっきり出ている色気も感じるイケメンだったのも確かにある。でもこのニートの葛藤の解像度が高くて、この台本書いた人そういう経験あるんだろうなと思うくらいには解像度が高く、すごい引き込まれた。夜の部にはてっちゃんが好きになっているくらいにはてっちゃんにのめり込んでいた。
別れる別れないの解決の仕方が結構ほんまかって感じだったが、人の幸せのカタチには色々あるからそれでいいと思った。人は状況に放り込まれると本質が出る。てっちゃんがんばれ。
オープン当時に高校生だった子が成長して登場した。立石さんの声の演技がすごく、後さに声優の方だとわかった。和久井さん以外のキャストさん把握してなさすぎた。アイドルの方とかも出ていた。清々しいほどに和久井さんしか把握してない。良くない。
立石さんは、ストーリーが進んで台詞の意味が変わる一番いいやつ「もっと静かに映画みれんもんかね」を再びいうためだけに後半にちょっと出てきたのよかった。
◯2023年は、3ヶ月後に潰れてしまうシアターオアシスの思い出を残すために、シアターのドキュメンタリー映画を高校生たちが制作しようと奮闘するいいやつだった。
こういうヤツ好き。学校の怪談とかジュブナイルとか好きだし。ぼくらのウォーゲームとか。本当にずっと元気で、生き生きしているシナリオで、解決がひとつずつ積み上がってくのがよかった。
このパートの主役の方(葉月ひまりさん)がすごいJKだった。常に斜めになっているのとか声の質とかJKそのものだった。
オープン当初は高校生で、それから成長し、2023年には70くらい?になって立石さんが再度登場。おばあさんの声になっていた。しかもすげー監督にまで成長していたのよかった。キャラが成長してすごくなっている嬉しいやつ。
若手監督(花塚さん)がとにかく面白かった。誰かを意識しているのかわからないが、パッと唇鳴らすやつ面白かった。なんか台本の持ち方と角度も面白かった。お見送りで出てきた方で何か言いたかったが目がキレイすぎて何もできなかった。
祥子さんが初代オーナーとして再び登場した。和久井さんの老人の声音初めて聴いた。いやー老人。老人いい。老人だった。往年のオードリーヘップバーン。こんな変わるもんか。声優さんは表に出していないだけで色んな演技できると何処かで聴いたが、あるな〜〜。
あるなあるなあるな〜〜〜〜〜〜。
あぁるあぁる。
それから全ては丸く収まり、登場人物たちの”それから”の紹介。
いいやつ〜〜〜〜。これ好き。
長谷川さんが出てきて大っきいなーと思った。
祥子さんも出てきて、振り返った、美しすぎてすごかった。
昼も夜も同じ角度で笑顔でいや~~~~。
いやいやいやいや~~~~~良い~~良い良い良い良い~~~~。
良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
セイッ!! 良い!
セイッ!! 良い!!
セイ良イーーーーーーイ!!!!!!!!
演劇は二回見るといい。
なにかの指南書で読んだ、終わってもまだこの世界に浸っていたい、尾を引く気持ちがこの朗読劇にはあった。
電車が30分遅延とか出ていたのに、時刻通りに来て、都会の電車ダイアすごいと思いつつ、うまいこと帰れた。
洗濯機の中で濡れて細く円状に連なっている洗濯物を、見ないふりして寝た。
また行きたい。
番外、懺悔
祥子さん、だろうがァアアッッーーーーーー!!!!!!!!!!
二度とつぶやくなボケナス白菜ヤロウッーーーーーーーーー!!!!!
噛み付いてやろうか!!!!!!!!!!!!!!
感想のが喜びます