大誘拐 RAINBOW KIDS 感想

 スゴイ面白かった。

 前科持ちの若者3人(ややバカでなんか愛嬌がある)に誘拐された超大富豪のお婆ちゃんが、巨額の身代金をもらうためがんばるコメディー。

 お婆ちゃんが自分にかけられた身代金をもらうために若者たちに知恵をかして、いうなれば自分が首謀者になって、へっぽこ三人組の穴だらけの誘拐計画を完璧に進める。なんだったら3人のコードネームまで決めてしまうくらいだ。

 お婆ちゃんの頭がとにかくいい。なんせ目隠しされて車で移動してるとき少しの前情報で車の車種を推理し、さらにアジトを見事に言い当てる。

 さらに人望があって色んな人が彼女を好きで身を案じる。お願いすれば樹木希林の家をアジトにすることもできる。若者3人も後半に向かうごとに、おばあちゃんおばあちゃんって頼りだす。

 このパーフェクトおばあちゃんとやり合う相手は和歌山県警の本部長だ。このひともまたおばあちゃんが好きで全力で捜索する。でもその相手はおばあちゃん。腹のさぐりあいっぷりはデスノートか椿三十郎かってくらいのが展開していく。とにかく面白い。なんたっておばあちゃんが考えてんだもん、計画。

 台詞がいい。多分、東京からきた新米刑事と竜雷太以外みんな大阪弁?和歌山弁?しかしゃべらない。それがコメディ感を加速させてる。なのに急に横文字がでてくるのがなんかおもしろい。フアイトが湧くとか、Rはローマ字のアールとか急に言い出す独特の言い回しがおもしろい。

 岡本喜八監督作品だとすぐ分かる画の差し込み加減もいい。パッパッパッパってなるやつ。エヴァとかトリックみたいなの。カッコいい。でもコメディなのがまたいい。

 見てくうちにおばちゃんのホントの目的がなんとなくわかってきたり、おばちゃんと過ごすうちに少しずつ変わっていく若者たちのやり取りがまたいい。やってることはオオゴトなのに、コメディだからか心がポカポカしてくる。だけどやってることは理にかなっているというか、そういうかっちりハマってる気持ちよさもあって感心もさせられる。

 とにかく面白かった。岡本喜八作品結構コメディ多いのかな。ジャズ大名もみたい。

 フガシのことをずっと金魚のフンというシーン面白かった。


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