いつだってやめられる 感想

いつだってやめられるを見た。

イタリアの映画で、一言でいうと知的犯罪コメディー。

三部作でその1,2を見た。

■あらすじ

1は、大学と契約を切られたポスドク(ポストドクター 非常勤研究者)の主人公が、同じ境遇の仲間と組み、その知識を生かし合法ドラックを作って大金を稼ぐ話。

2は、1の続き。色々あって新しい仲間を連れ、警察に協力して合法ドラックを摘発するために奮闘する話。

■内容

ポストドクター問題を風刺してるっぽいので、ふつうに結構落ち込む感じのある設定だった。

仲間の元ポスドクたちが人類学とか数学とかの第一人者(本当かは不明)にもかかわず、皿洗いとか、ガソスタ店員とか、紐でポーカーやりまくってたりとかしてるが、あくまでコメディーである。

見せ場の仲間を集めてドラッグ作り売る過程がスゴく面白い。

薬屋で大量に市販の薬、芳香剤とかを買って、ヤクを作る成分だけを抜き出す。ほんとにあってるのかはよくわからないけど、知識を遺憾なく発揮してきて、犯罪をしようっていうのに研究者の雰囲気がつねに漂っているのが面白い。

売るときも知識。作るときも知識。逃げるときも知識。

インテリヤクザって感じでもない、研究者がまっとうに犯罪したらこうなるのかなという気にさせられた。

知的ジョークが冴えてるのもこの映画の面白いとこだった。

ドラッグを作る過程で、使用する成分が素人っぽいから嫌がったり、ドラッグの使用感を知りたくて聴きまくるのとか科学者~~ってなれてステレオタイプっぽいが楽しい。

それぞれの専門の特技を持ったやつが力を合わせてなにかに挑む系だろう。7人の侍とか、そういう計画たてて滞りなくイケイケにやってく映画が好きなら楽しめる。

2は1よりもアクションが強くなってるし、知的ギャグにも磨きがかかってて更に面白くなっているから三作目もきっと面白い。

イタリア語が聴いてて新鮮。勢いあるし、なんか頭良さそうに感じる。

■キャラ

数学者がカッコよかった。この人だけどう見ても容姿がシャバの人間じゃなくてタバコ吸ってるのがよく似合う。
ドラッグをディスコで売るとこで、どう見ても「あちら側の人間」で説得力が強くてみんな何の疑問も示さないでヤクを買ってくのがツボだった。

人類学の権威が、この人間にはこういう感じで接すると信用を得やすいみたいな知識で演技するのが、ほぼステレオタイプの記号的な振る舞いだったのが毎回楽しかった。よお~~オレのこと忘れたか~~!!

■一番良かったシーン

遺跡を車でぶっ壊してしまい「殺してくれ!」と荒れる考古学者を、「コピーだから」と仲間が落ち着かせるシーン。
 


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