京都での遭遇(活弁でGO)後編

(前回のあらすじ)
京都を彷徨う私の眼前に神々しく光る殿方発見。これってこれってこれってこれって、М氏ーーーーー。

見紛うことなきその姿は、すゑひろがりずのM氏だった。テレビで見てYou Tubeで好きになった人だから劇場で生で見た時「ほんとに実在するんだ」と思った事を覚えてる。そして今、街で見かけて全く同じ感想を抱く。「ほんとに実在するんだ」

M氏は京都の道路を進んでいた。まるで皇太子がお忍びで街に繰り出しているかのようなその高貴で麗しいそのお姿…。(個人の感想です)
ご存知の方も多いと思うがM氏はトラベラーグルメという異名があり、旅先のご飯を楽しまれている方。飲食店の看板などをチェックしながら今日のランチのお店を探している様子。

何人かの観光客の方がM氏を見つけて写真を撮ってもらっていた。あぁ私にその勇気があれば…。

M氏は京都の小路を進んでいく。偶然にも私も同じ方向。小路は幅が狭く、加えて人通りが少ない。M氏はお店を探索しながらの歩行。私は行く場所決まっている。どんどんM氏と距離が縮む私…。おいおい、この狭い道でワタシガミシマサンヲオイコスの!?この距離!?それって法に触れない?

いや、待って!山では出会った人と挨拶するのが礼儀。ここで声をかけないで無言で追い越すのも失礼なのでは?絶対そうだ!(絶対違う)

お写真や握手は無理でもご挨拶だけ、ご挨拶だけ。そして追い越せば良い。颯爽と。スマートに。幸い(?)近くには人がいない。決行するなら今。ナウオアネバー。

「ミシマサン」(と、あの日私は言えていただろうか…)
その言葉で(もしくは殺気を感じて)足を止め、振り向くM氏。男前。そしてくっっっっっっっそ優しそうな眼。
M氏「はい」
私「あの、その、いつも見てます!」

M氏、笑顔で(重要なのでもう一度書く。私に、笑顔で)「あ、いつも!ありがとうございます!」
私「オウエンシテイマスゥーーー」
と言いながら足早に去って行く私。


なぜ


私はなぜ逃げるようにM氏を追い越したのか。

もう心臓が耐えられなかった。
私なんかのためにM氏がお言葉を発してくれることに、魂抜けかけた。てか抜けた。なんか、もうちょっとお話とか出来る雰囲気だった。でもね、シチュエーション的にできることと能力的にできることって隔たりあるじゃん。私にはその能力がなかった…。

私のアホボケカス

翻ってM氏から私はどう見えていたのだろう。いつも見てる(ほんとに毎日見てる。目で見てないときも心の目で常時見てる)という女が、声をかけてきたから、対応しようと思ったら、なんか逃げた女…。

最悪

………でも、

最高ーーーーーーーーーーー!!

だってずっと伝えたかった!
「応援してます。好きです。一生愛します。あなたが居るから私は生きてるんです」って!!(そこまで言えてない)

伝わっては無いと思う。でも言えた。

この思い出は一生私の心で輝くと思う。

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