だしてちゃん。第3話。廊下。

廊下に立ち尽くすだしてちゃん。

窓から外が見える。

見詰める方向に見覚えのある建物。

だして。

力なく呟くが出る事は出来ない。

周りを見渡す。

前と後ろに戸が一つずつ。

ゆっくり近付き押してみる。

びくともしない。

だして。

とんとん叩いてみるが戸は開かない。

もう一つの戸に近付くだしてちゃん。

あっちの戸なら。

あそこに行けば。

絶対に出れる。

確信し1歩1歩進むだしてちゃん。

だして。

足が重い。

喉も渇く。

睡魔が襲う。

それでも進むだしてちゃん。

外はだんだん暗くなってくる。

もう夕方。

もう。限界か。

だ。

し。

て。

その時。

ギィー。。

戸が。