天才はあきらめた 山里亮太

やたら書店で見かけるものだからつい買ってしまった、南海キャンディーズの山ちゃんの自伝。定番の下積み時代の苦労話やお世話になった人のエピソードがありつつも、一緒に書かれてるネタ作りの方法や、どうメンタルコントロールしていくかの部分が興味深い内容でした。これちょっとしたビジネス本よりためになるのでは?

一つのネタをマイナーチェンジしながら観客の反応を元に変更していったり、自分のネガティブな性格に先回りしてあえて自分を褒める「貯め」を作っていくなど、やはり客観視点から自分自身を含めた色んなものへの行動を修正していくのが基本なんでしょうか。こういう所は参考にしていきたいです。

ただ、相方へのクズエピソードが本文中にちょくちょく出てくるんですが、その一部はこういう手法の反動でもあるのかなと思ったり。計算癖と自分への厳しさが他人に向かうとこうなるみたいな雰囲気ですね。

それと、嫌なやつへの復讐方法をメモっていく方法も、客観的に自分の怒りを見直して、貯めこまず健全な方向に向かわせるにはいい手かもしれないです。いや、やっぱり傍目からは性格悪くは見えるんですが。

しかし、個人的にはこういうマネジメント手法を考え出して文章化するのも、一般的な直観で何となく全てうまくできてしまう天才のイメージと違うだけで、一種の天才なように思うんですよね。巻末のオードリー若林さんの解説(ナチュラルに山ちゃんのシモ事情を暴露していくのがいい意味でひどい)の通り、一種の振りなのか……?

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