創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち 小島秀夫

「メタルギア」シリーズで有名なゲームデザイナー、小島秀夫さんの本・映画等の作品紹介エッセイ。メタルギアはやったことないんですが、初代PS時代にファミ通を愛読していた元ゲーム少年としては、昨今の活躍はなんとも感慨深いです。

それはさておき、本を読みたいけど何を読もうか悩んでいたところで手に取ってみたこちら、本の紹介としても小島さんの性格や人となりが見えるエッセイとしても中々面白かったです。いきなり一冊目からホーガン「星を継ぐもの」で親近感を覚え、メタルギアにも繋がる雰囲気の「闇よ、我が手を取りたまえ」「シャドー81」を読むリストに追加し、「阪急電車」といった新し目の日本作品にちょっと意外性を覚えつつ、こちらも検討リストに。積極的に自分の好みやエピソードを入れてくるスタンスの文章も、好みは分かれるところですが割と好きです。

全体的に装飾性の高い文体なおかげか、作品紹介の側面が強い第一部より、小島さんの半自伝的な部分が強く出た第二部の方が読み物としては好みかも。バリバリ働いていた父親を早くに亡くし(前触れなくクモ膜下出血で倒れてそのまま帰らぬ人にって、モロに過労死ですね……高度経済成長期の闇)、鍵っ子として育ちゲーム会社に入社、そのまま有名製作者にって流れは、ちょっと綺麗に流れが出来すぎてて怖いくらい現代的。

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