引退馬の魅力

最近、引退馬のyoutubeチャンネルを見ている。入り口は巷でよく見るウマ娘のコスプレからだ。彼ら彼女らのコスプレを見ていて、ふと実写の馬について興味がでてきた。youtubeは便利な物で引退馬を世話している牧場といっていいのか、そこが運営をするチャンネルを見ていた。見てみると、引退馬に何故か惹かれた。

引退馬とは、文字通り競馬の第一線から退いた馬のことを指す。この馬が他の馬とは比べようのない魅力がある。というよりも比較が全くできないのだ。なぜなら、目が明らかに他の馬とはどこか一線を画しているからだ。

引退馬の目はどこまでも純粋なように私は見えた。目が異常なほど澄んでいるといってもいい。おそらく人間が一生出せないような目であろう。目を見れば性格がわかる、とは言うがまさに一線を退きのびのびとしていていきいきとして衰えを感じない。

私が見ているのはタイキシャトルが飼育されている「ヴェルサイユリゾートファーム」が運営するチャンネルだ。参考資料の部分に書いておくので、見てみてください。ここではタイキシャトルの他にもさまざまな引退馬が飼育されています。私はほとんどの馬の経歴を知りません。どのレースにでていて、どのように勝ち、どのように敗れたのか。wikipediaで調べれば出てくるとは思いますが、知らない今の状態でものびのびと生きている彼らが好きです。

輝かしい目で悠々と走っている姿を見ていると、本当に好きでやっているとはこのことなのかと思えてきます。その好きの根本的な理由などは存在しておらず、ただそこに存在をすると思えてくるのです。仏教には「莫妄想」という言葉があります。これは鎌倉時代の無業和尚がいらして「思い煩うな!」という意味合いの言葉らしいです。馬たちを見ていると好きとは思い煩わずにただそこに好きがいるだけの状態が一番自然なのではないのか、という気持ちにさせてくれます。

馬たちの一生を考えても、競馬に費やす時間の方が多いでしょう。そのような時間を経てなおまだのびのびと走っている姿を見ているのは見ているこちらも気持ちがいい。引退馬の方が好きという人もなかなかいないでしょうが、これほどまでにのびのびと進んで美しく走る姿というのは、並の人間ではできないでしょう。思い煩わずに好きでいることの方が、誰に好かれる好きを見つけるよりも遥かに難しいものです。

そのような気分を味わえるようにはなりたいですが、この情勢下で会いに行くこともできません。今はただ、彼らの姿を愛でて会える日を楽しみしながらいる。その時は思い煩わずにいられるようにいたいものです。

参考資料
ヴェルサイユリゾートファームYOUTUBE:https://www.youtube.com/channel/UC6NPhwlQgzLecFSKE2d6wiQ
莫妄想について:http://rinnou.net/cont_04/zengo/100501.html

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