なぜ積分で面積が求まるのか?

「なぜ積分で面積が求まるのか?」

とよく言われますが、当たり前です。

「微分は接線を求めること」「積分は面積を求めること」としてもともと研究されていたのだから、積分で面積が求まるのは当たり前。

でも、言いたいことはよくわかります。
つまり、言いたいことは「なぜ微分と積分が逆演算なのか?」ってことでしょう。つまりこれを知ることが上記の疑問の解決に繋がる。

とは言ってみたものの、
「なぜ積分で面積が求まるのか」と聞けば確かに不思議なように思える。
しかし、一方で、
「微分と積分が逆の関係にある」ことは計算してみれば確かにそのようになっているのだから、あまり不思議ではない、という主張もよくわかる。

不思議であるが、全然不思議ではないのだ。

しかし、問題なのは、計算するとたしかに逆なんだから当たり前なんだけど、なんでそれが面積なの?ってことだ。

まあ、「なぜ積分で面積が求まるのか」がわかれば「なぜ微分と積分が逆演算なのか」も分かるし、逆方向も言えるわけで、どちらか一方がわかればもう一方もわかる。だからどっちでもいいと言ってしまえばどっちでもいい。

さて、
微分の定義、f(x)を微分するとは、
f'(x)=limh→0/h
のことなのだから、

面積の関数S(x)を微分するとは
S'(x)=limh→0/h
ということであり、

このS'(x)がf(x)に等しいことが示せれば
面積の微分がf(x)に等しいことが示せると言うことなので、
「面積を微分するとf(x)になる」と言える。

つまり
「f(x)に微分の逆の操作、つまり積分すると面積を表す。この面積をS(x)としておく」
ってことで、

要は、
S(x)の関数を微分の定義とは別のところで考えてみて、これって微分の定義と同じじゃねえか!ってことが言えればよい。(f(x)=S'(x))

だから、F(x)=S(x)だよね、と。

言い方を変えると、
積分とか微分の式をいったん忘れて、
純粋に「面積を求める式」について考えて書いてみるわけです。
そのできあがった式を見てみると、あれ?どっかで見たことある式。なんと微分の定義式ほとんどそのものじゃないですか!(lim[h→0]がないだけで。)

だったら、lim[h→0]をくっつけてやれば、それって微分の定義式そのものだよね。

つまり、「面積を微分するとf(x)が出てくる」ことが言えた。
つまり、「f(x)に逆の操作をしてやれば面積が求まるじゃないか!!」
この「逆の操作」のことを「積分」と名付けよう!!

って流れです。

つまり、「あらゆる関数について微分⇔積分だなどと、なぜ言えるのか?」というと、
任意の(すべての)関数f(x)をとってきて、
それにx=a,bおよびx軸に囲まれる面積と等しくなるような長方形を考えるんです。(f(x)のウネウネの部分を無数に切り取って貼り付ければ長方形ができますよね。)
その長方形と面積が等しくなるようにa~bの間にx=tをとると、高さはf(t)ですよね。
この長方形の面積は底辺がb-aで高さがf(t)の長方形。
つまり、底辺×高さ= (b-a)*f(t)=S(b)-S(a)
⇔f(t)=S(b)-S(a)/(b-a)
じゃあ、bをaに限りなく近づける すなわち tをaに近づけるので、
b-a=hとおくと、b=a+h
lim[t→a] S(a+h)-S(a)/h
すなわち
lim[h→0]S(a+h)-S(a)/h
これって微分の式そのものですよね。
だから、
「面積を微分するとf(x)が出てくる」ことが言えた。
つまり、「f(x)に逆の操作をしてやれば面積が求まるじゃないか!!」
この「逆の操作」のことを「積分」と名付けよう!!
ってわけです。

この分野は大変興味深い。時代的な背景を見てみると、距離、速さ、時間の関係を知る必要があった。

横軸に時間、縦軸に速度を取ったグラフでは、グラフ上の面積が距離を表しています。

また、
横軸に時間、縦軸に距離をとると傾きが速度を表していることがわかります。

距離=速度×時間のような関係のものをグラフで表現する際、
【傾き】や【面積】を求めることが非常に重要であることがわかります。

このような事情から微分と積分が生まれるわけです。

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