23/11/6(月)名古屋城石垣部会開催 安全確保のため、石垣積み直しに最低限度の現代工法を検討
23/11/6(月)に、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会(第57回)が開催されました。
・配付資料
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/uploads/16103bf247f42825b3e346e715d74651.pdf
・名古屋市民オンブズマンによるメモ(途中まで)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231106-1.pdf
写真・録音・録画は今回も禁止されました。
残念ながら、用事があり傍聴は途中までしかできませんでした。
冒頭に挨拶した上田剛・名古屋城総合事務所所長は、通り一辺倒の挨拶のみで、特に木造復元について触れませんでした。
現在、本丸搦手馬出周辺石垣を全解体後、積み直し作業に取りかかっています。
ただ、解体した江戸時代の石垣を、そのまま積み直した場合、地震時に崩落する可能性が高く、観光客の生命・身体に重大な影響を与えるおそれがあります。
有識者の助言を踏まえ、名古屋市は「ジオテキスタイル」と呼ばれる現代工法を取り入れ、石垣内部に組み込んで、地震時に崩落することのないようにしようとしています。
ただ、石垣は文化財なので最低限度にしたいとして、どの程度ジオテキスタイルをいれれば大丈夫かを、真剣に議論していました。
その後、天守台及び周辺石垣の保存対策について真剣な議論がなされたようです。
面的な変状が顕著に見られる範囲において鉄筋挿入による対策を行うこと、破損石材の修理について、樹脂系やセメント系の補修材の注入等により固定することが提案されました。
いくら石垣が江戸時代に作られた文化財といっても、そのまま修復したのでは観光客の生命・身体を守ることができません。
最低限度はどの程度なのか、専門家が議論しています。
現在、名古屋城木造復元事業について、あたかも「江戸時代そのまま」復元可能なような言説がいまだに広まっているようです。
23/6/12開催の特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)資料にもあるように、有識者との6年の議論の結果、名古屋市は「天守の基礎はケーソン、建物荷重は鉄骨で受け止め、補強金物等の工事と耐震ダンパーを設置。各階にはコンセントが多数あって、天守全域にLAN配線を完備」する方針を定めています。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2023/04/20230404_4218.html
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/uploads/6dc341c5dc9e70db94a6d5ac4e9d9b72.pdf
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
(23/6/25 千田嘉博教授Twitterより)
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1672878543280431106
名古屋城木造復元事業は停滞していますが、少なくとも「観覧者の生命・身体を最優先にする」「名古屋市の現在の計画をまず直視する」「各種法令を守る」ことが必要です。
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm
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