ロサンゼルス・ニューヨーク旅行記 その2 ロサンゼルス滞在前半
さて、細切れの睡眠でしたが、最初の朝をホテルで迎えました。平日ですから、日中は単独で行動せねばなりません。
ホテルにレストランはついていますが、宿泊は朝食無しの予約で、おまけに朝食は朝8時からということなので、先ずはホテルの交差点を渡った隣のコーヒーショップに朝のコーヒーを飲みに行きました。
チェーン店で、飲み物とサンドイッチや甘いものが買えるところですが、矢張りチップが必要なようです。小さいブラックコーヒーに、シンプルな大きなクロワッサン、そして20%のチップで、7,47ドル。カードは私の旅行中は、1ドルが154円換算でした。
ショップの椅子に座り、朝食を摂っていると、隣にジョギング終わって朝食中ですという女性が、フルーツとヨーグルトがカップに入っているものを召し上がろうとしています。目が合って、にっこりされたので、「おはようございます。いい天気ですね。昨日アメリカについたんですよ。」と聞こえるような文章をひねり出したら、更に笑みが広がって「Welcome to America!」と大きな声で返されました。そこからちょっとしたスモールトークで、クロワッサンが急に咽喉につっかえだしました。でも彼女も出勤前の運動だったらしく、食べることに集中しだしたので、「良い一日を!」と聞こえるような文章を発し、ニッコリと別れ、ホテルに戻りました。
夕方になれば、子供が退勤後に、ロサンゼルス郊外の海岸近くに日本食スーパーがあり、買い物したいから、海岸で日没を楽しんで、夕食も海岸近くでしようと言ってくれてます。
それまでは、時差ボケ解消のためにも、陽を浴びて、歩いてみることが重要です。
日本で、ホテル周りの地図を印刷しておいたので、先ずは一番近い公園を目指しました。朝の公園には、ジョギングする人が多数、次に多いのは犬の散歩の人たちです。公道と違って、公園内では犬は繋がれていません。でも犬達はしつけが行き届いており、こちらをチラッと見るのがせいぜい、せっせと散歩しています。恐らく糞の始末用のドラム缶のようなゴミ箱もあちこちにあり、糞を気にして歩く必要は全くありません。植物の写真撮影を楽しみましたが、犬がいない瞬間に、大きなリスに遭遇し、びっくりしました。結構近くまで寄ってきましたから、写真を撮ることが出来ました(Xにポスト済み)。また、あるベンチには、寝袋にくるまって、暮らしている方がいました(外からは全く見えませんでしたが、中身の詰まった寝袋でした)。距離を置いて、音を立てないで通り過ぎます。
公園の向こうには、大きなショッピングモールがあり、その先にファーマーズマーケットがあります。ファーマーズマーケットと大きな通りを隔てた向かい側には、大きな食品スーパーマーケットとドラッグストアが並んでいます。
下見として、全てを周ってみました。ドラッグストアは、練り歯磨きが足りなくなりそうだったので、目的もあったのですが、子供の生活の様子を類推するためにも、日用品も眺めました。極普通の洗剤、トイレットペーパー、シャンプー、どれも日本円に直すと、明らかに高いです。隣の食品スーパーは、中流御用達という感じで、品揃え豊富でオーガニック食品も沢山あります。品物は、この位だろうと値段を予想すると、実際は2倍から3倍がざらです。目が回ります。果物とお土産用の地元カリフォルニア州産のナッツや蜂蜜を購入しました。ショッピングモールは、もう諦めムードで、店に入る気さえ失せましたが、平日の午前中で空いていたので、スポーツ店に寄り、「大谷選手のユニフォームはありますか?」と尋ねて、二階に案内され、試着の上、公式のユニフォームを購入してしまいました。無職のおば(あ)さんが着る服の中で、一番高価かも(涙)。まさか大谷選手のことが、帰国後にこんな騒ぎになるとは、夢にも思わずに…。
お昼ご飯はファーマーズマーケットで、子豚のスペアリブセットと自家製リモネードを頂きました。お金の話ばかりで、本当に恐縮ですが、これでチップ込み4595円です。クレジットカードのアプリで確認しております。お肉はホロホロと、ソースにからめると本当に美味しく、ガーリックトーストの下には、ジャガイモのホイル焼きが隠れています。お肉の半分とホイル焼きには手が付けれられず、お持ち帰りボックスで、翌日の朝食に、スーパーの果物と共に頂きました。
一旦お買い物したものや、お持ち帰りボックスを冷蔵庫に入れるために、ホテルの部屋に戻りました。食休みして、午後は別の公園に植物撮影にでかけ、夕方またホテルに戻りました。
子供から連絡があり、退社して、レンタカーでホテルでピックアップしてくれました。
子供は大学最終学年で、就職前に教習所で免許を取りましたが、日本での実際の運転経験は皆無で、米国で初めて実際の運転をしています。仕事で迎え時間が少し遅れたこと、海岸への道が混んでいることで、空を見ても、海岸でのサンセットには間に合いそうにありません。後部座席から、サンセットに間に合わなくても何の問題もない、日本でも海に沈む太陽は見ることができる、それより何より事故なしで行こうと話しかけつつ、海岸に着きました。
タイトルの写真にあるような、素晴らしい夕暮れの橙色と雲のグラデュエーションを楽しんだ後、目的の日本食スーパーに向かいました。
スーパーのフードコートで、簡便な夕食を摂り、お買い物ですが、日本でなら3000円を超すくらいの品物で、矢張り10000円近くになります。これがアメリカ生活なんだなあと思い知りました。
またホテルまで送ってもらい、明日夜ニューヨークに発つ打ち合わせをして、別れました。
二度目の夜も、途中で二度ばかり目覚ざめ、なかなか熟睡とはいきませんが、翌朝は少なくとも頭痛はしなくなりました。
残り物でご飯を済ませた後、荷造りをして、ホテルに預けるスーツケースと、飛行機一泊ホテル一泊ニューヨーク旅行に持っていくものとを分けます。
チェックインの時にもお世話になったフロント係の人に、約束通り二泊スーツケースを預け、戻ってきたら、今の大通りに面した部屋とは逆側の静かな方に部屋を用意してくれるとの約束も貰いました。
ロサンゼルス土曜日夜発日曜日早朝ニューヨーク着、月曜日夕方ニューヨーク発同日夜ロサンゼルス着の往復航空券と、ニューヨークホテル1泊は、子供が全て予約してくれました。
夕方まで時間がありますから、歩いて行ける化石博物館に行ってみました。正式にはLa Brea Tar Pits(ラ・ブレア・タールピット)という名前の公園と博物館が一緒になった施設です。ここはロサンゼルス街中なのに、石油が埋蔵されている地域で、そのタールが地面に染み出しており、そのねばねばしたものに、動物が捕らわれて、逃げられずに沈んで化石化したものが、発掘展示されているらしいです。
古生物学には全く基礎知識がないので、表面的な事しか言えませんが、ここは凄くいい!氷河期からの化石なので、恐竜とかはありませんが、丸っとマンモスや古代のバイソンやParamylodon harlaniという学名のついた信じられない程大きなナマケモノの仲間(全長3m程、体重1.5トンだそうです!)の完璧な骨格が化石として採掘され、その他多数の化石オリジナルが展示されています。この場所で見つかった完璧な化石をそのまま見られるっていい体験ですよねえ。大人も子供も楽しめると思います。素養も英語も追いつかないので、詳しい事はわたしには判りません。でも、教育的展示で小学生も楽しめるような工夫、触れる化石(本物)もありますし、タールの粘度を実感できる展示もあります。またガラス張りのラボで、技師がタールにまみれた化石片を実体顕微鏡下で綺麗にしていく細かい作業も見ることが出来ます。展示品の背後に隠れている膨大な作業を偲ばせてくれます。タールに捕らわれた動物を狙ったのでしょうか、昔のオオカミ(dire wolf)の頭蓋骨が多数、壁一面に展示されています。タールに嵌った動物を食べようとして、オオカミもタールに捕らわれて死んでいったのだろうと思います。 余り期待せずに入ったせいか、思ったよりも格段に大きい楽しさを味わいました。唯一の文句は、動物の大きさや重さの単位が全てフィートやポンドなので、いちいち携帯電話で計算しないと大きさや重さの実感がわかないことです。せめて括弧内でいいから、メートル法併記をしてくれてたらなあと感じました。
博物館の外側の公園内には、現在でもタールが染み出している地点があり、独特の臭いを嗅げます。先程のマンモスやナマケモノの仲間の原寸大復元模型も公園内には置かれてあって、歩いているだけで楽しめます。花壇には名札のついた植物もあり、植物撮影もできました。
遅い昼ご飯を、ファーマーズマーケットまで歩いて頂きました。ここは一箇所で様々な料理を楽しめて、時間の融通が利き、それでもレストランよりは安価で、しかも美味しいことが段々わかってきました。今回は残り物が出ない様(夜は航空機に乗りますから)、アラブ系のラムの焼き肉(注文してから焼いてくれます)に選択サラダ二種の盛り合わせ、パンは断り、スプライトを付けて、大変美味しく完食できました。
出国前の気温よりは10℃は高いロサンゼルスの午後の気温に汗ばみながら、食後の散歩をしつつ、ホテルに戻りました。チェックアウトしているので、許可を得て、フロントのソファに座らして貰い、Uberでやってくる子供に合流しました。時間があるので、空港近くのショッピングモールに寄り、フードコートで子供はちゃんとした量の夕食、わたしは遅お昼御飯が重かったので、飛行機に酔わない程度の軽食を摂りました。またUberを呼んで、空港に向かい、愈々ニューヨークに出発しました。
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