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狂暴な娘と災難な空気清浄機

娘がなぜか空気清浄機を目の敵にしている。隙あらば空気清浄機に絡みまくり、なんらかの被害を与えようとする。


まず背面にあるフィルターを必ず外す。一日何回も、である。元に戻っているのを確認するやいなや外しに来る。なんなんだ、そのこだわりは。
使い捨てフィルターなので被害額的には小さいのだが、なにせ薄手で扱いにくいので外されると地味〜〜〜に張り直すのが面倒くさい。もしかしてこれが名もなき家事ってやつなのか?いやいくらなんでもニッチすぎないか?
あと打ち捨てられたフィルターが、先日はなぜか洗濯ものと一緒にされており洗濯機で回されてしまった。
フ、フィルタァァァァーーーッ!!!

あまりの猛攻に、最近はこちらが折れて背面のフィルターを使うのは諦めた。目の前にあるのに使えないフィルター……。ほんと地味だけど、なかなか辛いのであった。


次にやられるのが加湿タンクへのイタズラである。タンクの外しかたを覚えたらしく、人の目を盗んではタンクをはずし、下の受け皿に溜まった水で遊ぶのだ。部屋はびっちゃびちゃである。辛すぎる!!!
もちろんタンク自体も無事でいられる訳もない。持ち運ばれて様々なところに放置されるだけに飽きたらず、上に乗られたり振り回され無理やり水を絞り出されたりとなかなかな目に合っている。
仕方がないので加湿機能を使うことを諦めた。結構こだわって加湿機能付きの空気清浄機を選んだつもりだったが、機体にはなんの問題もないのに機能がひとつ減った。辛い。


そして娘渾身の必殺技がある。それが

空気清浄機あびせ倒し

である。その名の通り、全身を使って空気清浄機を押し倒すのだ。空気清浄機としても堪ったもんじゃない。

初めて倒されたときは「うそっ!いやぁぁぁ!ラメェェェっ!!!」て感じに内部から水をどぼどぼ漏らし、横にあった布団がびちょびちょになる悲劇が起こった。布団にとってもとんだ災難である。「嘘だろっ!体がっ重く……!くそっ!ラメェェェ!」みたいな感じで、されるがままに濡れ濡れである。
無茶を承知で言うが

なるな、濡れ濡れになるな!

空気清浄機も耐えてくれよ!
土俵際で粘ってくれよ!!!

そんな無茶な、と皆思うであろうが、無茶には無茶で対抗する。それが無茶の理論なのである。知らんけど。


本当にね、娘に言いたい!
空気清浄機がなにしたって言うんだ!
布団がなにしたって言うんだ!

そもそも娘の肺が弱いから、わざわざ買ってきた家電なのに、なぜそんなことをするんだ!!

どんどん機能が制限されて、一応使用時は背面&左右に空間が必要なのにそれすらも最近は奪われ……なのに、娘が肺の発作を起こさないようにと、健気に今日もPM2.5とか除去してたんだぞ!!!

……と書いてて思ったんですが、もしかして肺が弱いハンデを空気清浄機を倒すことで無意識に克服しようとしてるんだろうか?自分自身ではどうしようもなかった病気に対するフラストレーションが、娘をこんな行動に……!


そんなわけない。
娘、1歳だし。

なによりこの人、プリンターもパソコンもテレビと掃除機も炊飯器も襲ってるし……なんか理由があったとしても

多分、ただの『家電好き』だよ。


そんなこんなで空気清浄機を筆頭に我が家の家電たちは娘に襲われつつも健気にがんばっているのでした。
また無茶言うけど壊れないでね、みんな……!

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